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聞くことで見えてくる蔭

タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている。」

[1年生]

自分たちの見えない蔭の部分で何が行われているか。
家でのお弁当作りと、外でのお弁当作りを実際に自分たちの目で確かめてきました。
それぞれ観察してきたことを「運動」「保守」「創造」の3つに分類すると、違いや共通点が見えてきます。
届けていただくお弁当は救世軍ブース記念病院で作られているお弁当です。

「救世軍(のお弁当)は、区切りがあるけど、うちのはないよ。」
「うちのは、区切りあるよ。」
「区切りがなくて、味がまざって、まずかったことある。」
「ぐちゃぐちゃにならないためだから、保守だね。」

「救世軍はフルーツがないよ。」
「つまようじもない。」「あると食べやすいのに。」
「お弁当箱のふたがカチってならない。」「取れやすい。」
「キャラクターのお弁当箱じゃない。」
「そこまで考えるのは面倒だからじゃない?」
「栄養の方が大事だからだよ。」「病院で作ってるお弁当だし。」

「一度に作る量が違う。」
「洗い方が違う。」「4度洗いしてた。うちでは1回だよ。」

「メニューが決まってる。」「うちじゃ、その日冷蔵庫に残ってるもので作ってる。」
「メニュー聞いても、言ったのと違うのが入っていることもある。」
「いつも同じものが入ってる。救世軍は毎日同じものじゃない。」

「うちでは手袋やキャップはつけてない。」
「エプロンはしてるよ。」「え。してないよ。」
「自分の服が汚れないためにつけるって。」
「してないときは、気にしてないからだよ。」

自分たちが見てきたことや、聞いたことを元に違いや共通点を探すことで、わかることが色々と出てきました。
救世軍では、栄養をいちばんに考えているということ。
おうちの人に作ってもらうお弁当は、自分の好きなものを考えてくれていたり、救世軍ほど細かい汚れは気にしていないということ。
しかし、一方でわからないことも出てきました。
「作っている時間は同じくらいなのかな。」
「なんで救世軍の冷蔵庫はあんなに大きいんだ?」
「メニューはどのくらい前から考えているんだろう。」
「ふたが開けやすいと運ぶの大変じゃないのかな。」

わからないこと、つまりそれは、蔭になっていて見えていない部分だということであり、
これは聞いてみないことにはわかりません。
そこで、配達時にインタビューしてみることに。

IMGP5397.jpg「お時間いただけますか?」と話しかける子どもたちに、心よく受け答えしてくださいました。
話を聞くことで、病院で出している食事を外でも求めている人がいることから
宅配を始めたことや、作っている管理栄養士さんが運転もしていること、
TCSは12時、ほかの場所には11時に着くようにして、戻ってからも食器洗いの仕事があることなどもわかりました。

細い道でも通れるための車を使用してたり、届ける時間が決まっていたりすることから、
運ぶことにも気を使っていることが見えてきました。

動作の蔭にある、何のためという目的がわかると、保守に分類されることが多いようです。
それは、子どもたちの会話の中に現れてきていました。
「○○は、保守ばっかり言うよね。」
「この手型は何だっけ?あ。ただの運動か。」

IMGP5383.jpg

先週、救世軍で見てきたことの分類作業では、
「運動」に動作が集中していました。




聞いてみたいこと、わからないことが出てきて、それがわかることで、「ただの運動」ではなくなる。
運動に分類されているということは、単なる動作にすぎないと判断しているようです。
ちょっとしたつぶやきの中に、頭の中での認識の変化が垣間見られる感じがしました。
集中している「運動」の手型も、インタビューの機会が増えることで「保守」あるいは「創造」に分散されてくるのでしょうか。
配達時のインタビューで蔭がまだまだ見えてきそうです。

AN

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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