タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている。」
どんな目的で、何をしていくのか。目の前のことを俯瞰していくことは、
自分のしていることを見失わないためにも必要なことです。
「見えないところで何かしてるのを見てく。」
「見えない蔭とかをやっていく?」「なんで?」
「いつもは見えないから。」
「この6人が見えてない場所を見て学ぶ。」 「何を学ぶの?」
「私たちはどうやって生きているか?」
何のために?なぜ?と答えたことをさらに追究していくと、
先週までの、「蔭」やセントラルアイディアの話などが出てきます。
自分たちの見えないところで、いつのまにか、してもらっていることはなんだろう。
それを探すべく、自分たちが持ってきている「お弁当」に光を当ててみることにしました。
お弁当をどのように作っているのかを観察する。
ひとつひとつの動作に着目し、どんな動きをしているのかを観察するために、
動きを3つの種類に分類するという課題を出しました。
「運動」「創造」「保守」
言葉の意味を確認したあと、子どもたちなりに次のようにイメージしていました。
運動:手で動くこと。歩いたり、動いたりすること。
創造:何かをつくること。違うものになること。
保守:気をつけること。何かを守ること。
付箋の束を持ち帰り、家でのお弁当作りを観察してくることに。
観察してきた動作を3つのシートに分けていきました。
運動:バターをぬる/おさとうを入れる/にくをおなべに入れた
創造:しょうゆとしょうがをまぜる/ハンバーグをやく/たまごやきをきる
保守:レタスをあらう/あぶらをしく/チキンライスをぎゅうぎゅうにつめる
集まった動きは、運動38こ、創造27こ、保守29こでした。
同じ「切る」動作でも、「切ったことで形が変わったから創造」「手で包丁を動かして切っていたから運動」「食べやすい大きさに切ってくれて、自分を守っているから保守」と、理由によって、分類先が違っていました。なぜその動作なのかという理由を知ることで、視野が広がっていきます。
そこで、観察はしたけれど、なんでそんなことをするのだろうと疑問に思うことを集めていきました。なぜ?と問うことは、目的を知り、意味を知る第一歩です。なぜこのテーマをするの?と確認することと考え方は同じです。
「なぜ、ニンニクを入れるの?」「なんでレタスを手でちぎるの?」
「はんぶんしか入れないたまごやき。もうはんぶんはどこいくの?」
「トマトをあらったあと、なんでよくふくの?」
気になったら、早く知りたくてうずうずしている様子です。
翌日には、「わかったよ!」といって理由を発表してくれる子もいました。
「にんにくを入れるのは、おいしくなるから。」
「手でちぎるのは、簡単に切れるから。」
「濡れたままだと、お弁当箱が傷むから。」
理由を聞くことで、今まで見えていなかった蔭に「何かのため」という存在が見えてきました。
「お弁当箱が傷むってどういうこと?」
この「なぜ?」という疑問から、さらなる蔭へと進んでいきました。
ある子が「お弁当箱って、みんなプラスチックだよね。」というと、
「違うのもあるよ。竹のかごみたいのとか。」「木のお弁当箱もある。」と続いていきます。
そもそもお弁当箱とはいつからあるのでしょうか。
なぜプラスチックのお弁当箱ができたのか、それがなかったら昔はどうしていたのか。
お弁当箱の起源を探ることで、おかげさまを遡ってみました。
iPadで検索し、みんなにシェアしたいと思うものを保存していきます。
写真だけでも、「葉っぱから、かごに変わった。」「材料が変わった。」「面白い」と見えてくるものもあります。さらに、なぜなぜアンテナを発動させ、「なんの葉っぱ?」「なぜアルミ?」と調べてみると、腐りにくくするための竹であり、温まりやすいためのアルミであることが見えてきます。
「腐らないようにするのは、お腹を守るためだから保守。」
「竹で編んでいるから創造。」「中身の形を守るから保守にもなるよ。」
「楽しませるために面白い形をつくる。創造。」
お弁当箱は、運ぶための道具であり、その点では運動といえます。
でも、その意味を辿っていくと、創造もあり、保守もある。
何のために?なぜ?を繰り返し、その動作が3つの種類のどれに当てはまるのかを考えるという頭の働かせ方をしていくことで、蔭にあるものが見えてきました。まだまだ、先がありそうです。
AN
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている。」
[1年生]
今回のテーマはどんなことをやるのだろう。どんな目的で、何をしていくのか。目の前のことを俯瞰していくことは、
自分のしていることを見失わないためにも必要なことです。
「見えないところで何かしてるのを見てく。」
「見えない蔭とかをやっていく?」「なんで?」
「いつもは見えないから。」
「この6人が見えてない場所を見て学ぶ。」 「何を学ぶの?」
「私たちはどうやって生きているか?」
何のために?なぜ?と答えたことをさらに追究していくと、
先週までの、「蔭」やセントラルアイディアの話などが出てきます。
自分たちの見えないところで、いつのまにか、してもらっていることはなんだろう。
それを探すべく、自分たちが持ってきている「お弁当」に光を当ててみることにしました。
お弁当をどのように作っているのかを観察する。
ひとつひとつの動作に着目し、どんな動きをしているのかを観察するために、
動きを3つの種類に分類するという課題を出しました。
「運動」「創造」「保守」
言葉の意味を確認したあと、子どもたちなりに次のようにイメージしていました。
運動:手で動くこと。歩いたり、動いたりすること。
創造:何かをつくること。違うものになること。
保守:気をつけること。何かを守ること。
付箋の束を持ち帰り、家でのお弁当作りを観察してくることに。
観察してきた動作を3つのシートに分けていきました。
運動:バターをぬる/おさとうを入れる/にくをおなべに入れた
創造:しょうゆとしょうがをまぜる/ハンバーグをやく/たまごやきをきる
保守:レタスをあらう/あぶらをしく/チキンライスをぎゅうぎゅうにつめる
集まった動きは、運動38こ、創造27こ、保守29こでした。
同じ「切る」動作でも、「切ったことで形が変わったから創造」「手で包丁を動かして切っていたから運動」「食べやすい大きさに切ってくれて、自分を守っているから保守」と、理由によって、分類先が違っていました。なぜその動作なのかという理由を知ることで、視野が広がっていきます。
そこで、観察はしたけれど、なんでそんなことをするのだろうと疑問に思うことを集めていきました。なぜ?と問うことは、目的を知り、意味を知る第一歩です。なぜこのテーマをするの?と確認することと考え方は同じです。
「なぜ、ニンニクを入れるの?」「なんでレタスを手でちぎるの?」
「はんぶんしか入れないたまごやき。もうはんぶんはどこいくの?」
「トマトをあらったあと、なんでよくふくの?」
気になったら、早く知りたくてうずうずしている様子です。
翌日には、「わかったよ!」といって理由を発表してくれる子もいました。
「にんにくを入れるのは、おいしくなるから。」
「手でちぎるのは、簡単に切れるから。」
「濡れたままだと、お弁当箱が傷むから。」
理由を聞くことで、今まで見えていなかった蔭に「何かのため」という存在が見えてきました。
「お弁当箱が傷むってどういうこと?」
この「なぜ?」という疑問から、さらなる蔭へと進んでいきました。
ある子が「お弁当箱って、みんなプラスチックだよね。」というと、
「違うのもあるよ。竹のかごみたいのとか。」「木のお弁当箱もある。」と続いていきます。
そもそもお弁当箱とはいつからあるのでしょうか。
なぜプラスチックのお弁当箱ができたのか、それがなかったら昔はどうしていたのか。
お弁当箱の起源を探ることで、おかげさまを遡ってみました。
iPadで検索し、みんなにシェアしたいと思うものを保存していきます。
写真だけでも、「葉っぱから、かごに変わった。」「材料が変わった。」「面白い」と見えてくるものもあります。さらに、なぜなぜアンテナを発動させ、「なんの葉っぱ?」「なぜアルミ?」と調べてみると、腐りにくくするための竹であり、温まりやすいためのアルミであることが見えてきます。
「腐らないようにするのは、お腹を守るためだから保守。」
「竹で編んでいるから創造。」「中身の形を守るから保守にもなるよ。」
「楽しませるために面白い形をつくる。創造。」
お弁当箱は、運ぶための道具であり、その点では運動といえます。
でも、その意味を辿っていくと、創造もあり、保守もある。
何のために?なぜ?を繰り返し、その動作が3つの種類のどれに当てはまるのかを考えるという頭の働かせ方をしていくことで、蔭にあるものが見えてきました。まだまだ、先がありそうです。
AN
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。