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伝えたいメッセージに立ち返る

タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」

[1・2年生]

今回のテーマも残すところ1週間。
ARTゾーンを目一杯使い、床一面に模造紙を広げて、作業を進めます。その様子は工房さながら。
ポスターの完成に向けてラストスパートをかけます!

このポスターづくり、自分の主張を五・七・五にまとめ、それを補足する適当な写真が見つかければ終わりという訳にはいきません。

図や写真、そして言葉をどう配置すればよいか。
そこにどう説明の文章や記号を付け加えるか。
まだまだ言葉を磨くことはできないだろうか。

わかりやすさを追求するため、子ども達は時間の許す限り、試行錯誤を繰り返します。


「だいぶできてきたんで、ちょっと見てほしいんだけど。」

2年生の女の子が私に声をかけてきました。

(ほお、どれどれ。)

そこにあったのは文字やイラストで埋め尽くされていた一枚のポスター。
いろいろ調べてわかったことをできるだけ多く描き表したい。
そんな気持ちが溢れ出てくるかのようです。

「うーーーん、これだと見づらいし、あと五・七・五で伝えたいメッセージがポスターの内容に反映されていない気がするなあ。」

言いたいことをあれやこれやとぎゅうぎゅう詰め込んでしまった結果、伝えたいメッセージがぼやけてしまっていたのです。

「そっかあ、でも、どうしたらいいんだろう・・・」

彼女はそう言って、困った表情で黙り込んでしまいました。

熱中して作業を進めたものの、目先のことにとらわれて、本来の目的を忘れてしまうなんてことはよくある話。
そういう時は、結局自分はこのポスターで何を伝えたいのか、その思いを凝縮した五・七・五のメッセージに立ち返ろうと促しました。

『われわれは タヌキのしぶとさ なめている』

この女の子がつくった五・七・五です。
都会の片隅でしぶとく生き抜くタヌキの生態に興味を持ち、いかにレジリエンスを発揮して暮らしているかをみんなに伝えたい、そんな思いが込められていました。

情報が過剰でポスターの見にくさの原因の一つであったタヌキのエサの欄について取り上げ、一緒に再考することに。

「へえ、タヌキってこんなにたくさんの昆虫をエサにするんだね。」
「そうなんだよ、図書館で借りたタヌキの本に書いてあったの。」
「けど、都心で暮らすタヌキのことについて描きたいんでしょ。これらの昆虫って都心にもいるの?」
「・・・あまりいなさそう。」
「ちなみに他に好きな食べ物はあるのかな?」
「えっとね、生ゴミや鳥の死骸も食べちゃうんだよ!」
「なるほどー、それなら都会でもエサに困らなさそうだね。」
「よしっ、大好物の果物や昆虫についてはまとめてしまって、生ゴミとかのことをもっと強調しよう!!」

改善の方針が決まり、表情も明るさを取り戻します。
頑張れ、あとは修正あるのみだ!


「ふう、やっとできた。疲れた〜〜〜。」

誰一人として途中で投げ出し、諦めてしまう子はいません。
低学年とは思えないほどの集中力を見せ、製作作業に没頭した結果、渾身のポスターが出来上がりました!

あとはプレゼンテーションの本番を残すのみ。
きっちりした説明を目指すのではなく、自分の伝えたいことを熱く語れとエールを送り、本番を迎えることに。
どのような発表になるか楽しみです。

HY

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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