タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」
休み時間に次々に私のところにやってきて、本やインターネットで入手した情報を熱く語ってくれる子ども達。
調べてみてさらに疑問に思ったことについて、週末に調査を進めてきたようです。
知らなかったことやわからないことを追究するのは楽しくてワクワクするもの!
1・2年生が今回のテーマにだんだんのめり込んできている様子が伝わってきます。
じゃあ、全く課題がないのかというと、もちろんそんな訳はありません。
調査対象として選んだ生き物が東京都心に増えてきたことで、何らかの良くない問題を引き起こすことはわかってきました。
ただ、「外来種が増える」から「在来種が減る」というような単一の因果関係の理解のレベルに留まっていたのです。
低学年の子ども達にとって、「生態系」の仕組みをはっきりと理解することは難しいでしょう。
「いろいろな要因がつながっていて、どこかが変化しただけでも全体に影響を与えてしまう」ということに気づいてもらうためにはどうすればよいか。
そのきっかけになればと、子ども達に負けじと私が週末の時間を使って調査してきた内容とネット教材をもとに、生態系について一緒に考えることにしました。
私が選んだ生き物は「ブルーギル」。
ブラックバスと並び、旺盛な繁殖力で「井の頭池」を占拠しているあの悪名高い外来魚です。
「ブルーギルが増えると、どんな困ることが起きると思う?」と問いかけると、
「モツゴが食べられちゃって、数が減っちゃう!」と一斉に答えます。
先月、井の頭自然文化園を訪れたんだから、そんなことは当然知ってるよと言わんばかり。
「じゃあ、モツゴが減っちゃったら、どんな困ることが起きると思う?」と尋ねると、先ほどまでの元気はどこへやら、途端にトーンダウン。
水生物館を見学した際にかぶりつくように眺めていた水槽にいたあの鳥の存在をすっかり忘れてしまっている模様。
「カイツブリって、覚えてない?アカミミガメが泳いでいる水槽にいた。あの鳥のエサがなくなっちゃうよね。」
「そうだ、そうだ、思い出した!」
「じゃあ、カイツブリが減っちゃったら、どんな困ることが起きると思う?」さらに質問を重ねます。
(どうやら、この食べて食べられての関係はまだつづきそうだぞ・・・)
生態系ピラミッドの最上位に位置する大型の鳥のフンがプランクトンのエサになることで、なんと食物連鎖の関係は循環図で表すことができてしまいました。
実は自分たちがこの図の一部しか見ていなかったなんて!
子ども達は驚きと不思議さが入り混じった表情でホワイトボードを眺めていました。
この関係性は何もブルーギルに限ったことではありません。
自分の調べてきた生き物についても同じことが言えるはず。
ということで、週の後半はこれまで学んだ知識をフル動員して、それぞれが関係図づくりに取り組むことに。
A3サイズのプロジェクトペーパーとにらめっこしながら、ああでもないこうでもないとポストイットを並べます。
「なんでだろ、ホワイトボードみたいにぐるぐるの関係にならないよ・・・」
「ああ、頭がこんがらがってきた。」
「うーーん、この生き物の天敵がよくわからないなあ。」
あちこちのテーブルから聞こえてくるぼやきのようなつぶやき。
明らかに苦戦している様子が伺えたので、この作業が嫌になってしまってはいないかと少し気になりましたが、そんな心配は無用。
翌日の午前中の休憩時間にある1年生の男の子が私に声をかけてきました。
「早くテーマの時間来ないかなあ。今日もあの図を作るんでしょ。」
入学から1年近く経ち、テーマ学習の辛楽しさを味わえるようになるとは、なんともたくましい限り!
悪戦苦闘しながらも、「生態系」の理解を深めてきた子ども達。
来週からはいよいよポスター作りに着手します。
HY
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」
[1・2年生]
「ねえ、聞いて聞いて!」休み時間に次々に私のところにやってきて、本やインターネットで入手した情報を熱く語ってくれる子ども達。
調べてみてさらに疑問に思ったことについて、週末に調査を進めてきたようです。
知らなかったことやわからないことを追究するのは楽しくてワクワクするもの!
1・2年生が今回のテーマにだんだんのめり込んできている様子が伝わってきます。
じゃあ、全く課題がないのかというと、もちろんそんな訳はありません。
調査対象として選んだ生き物が東京都心に増えてきたことで、何らかの良くない問題を引き起こすことはわかってきました。
ただ、「外来種が増える」から「在来種が減る」というような単一の因果関係の理解のレベルに留まっていたのです。
低学年の子ども達にとって、「生態系」の仕組みをはっきりと理解することは難しいでしょう。
「いろいろな要因がつながっていて、どこかが変化しただけでも全体に影響を与えてしまう」ということに気づいてもらうためにはどうすればよいか。
そのきっかけになればと、子ども達に負けじと私が週末の時間を使って調査してきた内容とネット教材をもとに、生態系について一緒に考えることにしました。
私が選んだ生き物は「ブルーギル」。
ブラックバスと並び、旺盛な繁殖力で「井の頭池」を占拠しているあの悪名高い外来魚です。
「ブルーギルが増えると、どんな困ることが起きると思う?」と問いかけると、
「モツゴが食べられちゃって、数が減っちゃう!」と一斉に答えます。
先月、井の頭自然文化園を訪れたんだから、そんなことは当然知ってるよと言わんばかり。
「じゃあ、モツゴが減っちゃったら、どんな困ることが起きると思う?」と尋ねると、先ほどまでの元気はどこへやら、途端にトーンダウン。
水生物館を見学した際にかぶりつくように眺めていた水槽にいたあの鳥の存在をすっかり忘れてしまっている模様。
「カイツブリって、覚えてない?アカミミガメが泳いでいる水槽にいた。あの鳥のエサがなくなっちゃうよね。」
「そうだ、そうだ、思い出した!」
「じゃあ、カイツブリが減っちゃったら、どんな困ることが起きると思う?」さらに質問を重ねます。
(どうやら、この食べて食べられての関係はまだつづきそうだぞ・・・)
生態系ピラミッドの最上位に位置する大型の鳥のフンがプランクトンのエサになることで、なんと食物連鎖の関係は循環図で表すことができてしまいました。
実は自分たちがこの図の一部しか見ていなかったなんて!
子ども達は驚きと不思議さが入り混じった表情でホワイトボードを眺めていました。
この関係性は何もブルーギルに限ったことではありません。
自分の調べてきた生き物についても同じことが言えるはず。
ということで、週の後半はこれまで学んだ知識をフル動員して、それぞれが関係図づくりに取り組むことに。
A3サイズのプロジェクトペーパーとにらめっこしながら、ああでもないこうでもないとポストイットを並べます。
「なんでだろ、ホワイトボードみたいにぐるぐるの関係にならないよ・・・」
「ああ、頭がこんがらがってきた。」
「うーーん、この生き物の天敵がよくわからないなあ。」
あちこちのテーブルから聞こえてくるぼやきのようなつぶやき。
明らかに苦戦している様子が伺えたので、この作業が嫌になってしまってはいないかと少し気になりましたが、そんな心配は無用。
翌日の午前中の休憩時間にある1年生の男の子が私に声をかけてきました。
「早くテーマの時間来ないかなあ。今日もあの図を作るんでしょ。」
入学から1年近く経ち、テーマ学習の辛楽しさを味わえるようになるとは、なんともたくましい限り!
悪戦苦闘しながらも、「生態系」の理解を深めてきた子ども達。
来週からはいよいよポスター作りに着手します。
HY
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。