[5・6年生]
さあいよいよテーマも大詰め。先週に引き続きプレゼンテーションへ向けて葬式劇の練習に励みます。
「まずはKが葬儀の控え室でみんなより先に到着して、患者さんのリハビリテーションプランを考えているところへMが仕事の電話をしながら入ってくるのはどうかな?」
「Rは一番最後に入ってきて、雑談してから改めて名刺交換するっていうのはどうかな?今ちゃんの葬儀の打ち合わせで先週会っているけど、その時は忙しかったからゆっくり近況を話し合えてないわけだし。」
「それいいね!そうしよう!」
「近況報告って言っても限られた時間しかないから、40年後の自分たちがどんな仕事をしていて、家族はいるのか、いるならどんな関係か、どんなことで今苦労しているのか、どんな生き方をしているのかが伝わるような話を自然にしないとね。」
「じゃあまずやってみよう!やりながら直していこう!」
何度も演じては、撮影したムービーを見返して議論し、改善を加えていきます。
プレゼンテーションでは葬儀控え室での即興劇10分間と各自が弔辞を読み上げますが、弔辞は子どもたちが各自で準備をしていくので私は中身を見ずに授業では即興劇を創っていきます。
自分たちの劇を客観的に見てみると声の大きさや50代らしい振る舞いができているかなどの見た目だけでなく、年表で試行錯誤して描いてきた人生観が見えていないことやそれを表す言葉が幼いなど様々な点に気が付きます。
「看護師としてがんばっていられるのは昔から人を喜ばせるのが好きだったから。 忙しくて子どもたちとゆっくり過ごす時間が取れなくてかわいそうなこともあるけど患者さんの笑顔を見ることが私のこの仕事での喜びなのよ。でもね、一生懸命頑張っても早く亡くなってしまう患者さんもいて辛いこともあるわ。」
「小さい頃からの夢だったから、大学から北海道へ行って小動物専門病院を開いたの。 TCS卒業生のNは一緒にとなりの建物でペットホテルをやっているよ。元気にやっているよ。 昔に比べるとペットを捨てる人は減ってきたんだけどまだいなくなったわけではないんだ。家でも前に捨てられていたウサギを飼っているんだよ。65歳を過ぎたら捨てられた小動物を保護する活動をしていこうと思っているんだよ。」
できるだけ自然に10分間の制約の中で、40年後の自分たちが師の葬式の控え室で再会している場面でどんな会話をするのか考えながら即興劇を創りこんでいきます。
年表で描いたビジョンを実際に演じてみることで、まだ曖昧だった部分やもっと仕事について知りたいことなどが出てきます。そして調べ、フィードバックを語り合い、考え、演じながらだんだんと更に未来像が磨かれていき、劇にもリアリティが出てきました。
何度も修正と練習を重ね、いよいよ週末がプレゼンテーション本番。
弔辞については各自がホームワークでコツコツと準備しているようです。
さあ本番の葬式劇はどうなるのでしょうか?
YI
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。