タイトル:いい仕事してますね。
探究領域:社会寄与
3年生とは1年ぶり、4年生とは初めてのテーマということで、私も新鮮な気持ちで初日を迎えました。
ある男の子は前回までの内容(椅子作り)に変更がありそうだという噂を耳にしたらしく、授業前に何度も私のところへやってきては、いったい何を作るのか、しきりに質問してきます。
今回のミッションは、秋に開催されるTCSフェスティバルで来場者に遊んでもらうための木製・手作りのおもちゃを製作すること。
それもクラスメイトとの合作は無しで、一人一作品仕上げるというもの。
ミッションを伝えると、早速、子ども達から、
「それなら、俺、もうアイデアあるよ!」
「ねえ、こういうのはありかな?」
「早く設計図を描きてーー。」
と次々に質問や感想が出てきます。
何かつくりたいという気持ちがうずうずしてきて、待ちきれない様子が伝わってきます。
まずは「いい仕事って何だろう?」という問いかけでスタートし、子ども達のprior knowledgeを探ることに。
「手抜きのない、目標を意識したつくりのことじゃないかな。」
おいおいおい、初発からそんな意見が出てくるとは。
「技術」と「態度」の両面が押さえられているじゃないですか。
この発言をきっかけに、それぞれの頭の中にあるイメージが次々と模造紙に埋まっていきます。
「作っている人がお客さんとかみんなのことを思ってるって感じ。」
「おばあちゃん家にある着物の模様がすごく綺麗なんだよ。手作りで、何年もかかったんじゃないかな。」
「そういや、うちのひいおじいちゃんが子どもの頃から使っているものがあって、今でも全然使えるの。新しくても、すぐ壊れちゃうものもあるのにね。」
「マインクラフトもいい仕事してるよ。ゲームの自由度がむっちゃ高いし。」
やがて「いい仕事」にはほど遠い事例も挙がってきだして・・・
「すぐ壊れちゃうものはやっぱりいい仕事とは言えないよね。例えば、コンビニで買った傘とか。風が強いと、すぐ裏返っちゃうんだよ。」
この意見には、私も含めて、「そうそう」と全員が納得。
みんな一度は経験したことがあるエピソードのようです。
テレビの発明はみんなが楽しめるという点では良いかもしれないが、一方でテレビの見過ぎが視力の低下につながることもあり、必ずしもいい仕事と言えないかも、なんて意見も飛び出しました。
「じゃあ、結局、仕事の質って何で決まるんだろうね?」
視点を変えた問いかけでメタメタする中、正しい道具の使い方という観点が浮かび上がってきます。
それを受けて、週の後半は基本的な大工道具の使い方の練習にあてることにしました。
まずは、それぞれペアを組んで、4グループに分かれ、道具の使い方の基本要素である「切る」「たたく」「穴を開ける」「測る」「磨く」に取り組みます。
木工に少し自信がある子もいれば、これまで「きり」なんて触ったこともないなんて子もいたり、現時点での技術レベルはまちまち。
ただ、道具を握り、木材に向かう子ども達の表情は真剣そのもの。
「練習だけで汗をかいてきちゃったよ。」
あっという間に、授業の90分間が過ぎていきます。
翌日は、算数教材として使用するジオボードを作るという課題をあたえ、さらに練習を重ねることに。
実際に使う人を想定した課題とあって、道具を持つ手にも一層力が入ります。
線引きしたけど、釘を打つ位置の間隔が違ってるぞ。なんでだろう。
のこぎりの刃が斜めになって、線よりも内側に入ってきてしまった。どうやって復旧しよう。
のこぎりの切断面がでこぼこしてる。これは大変だぞ。
設計図通りに仕上げることの難しさを痛感しながら、作業に没入する8人。
はたして、無事、授業で使えるレベルの製作物はできあがるでしょうか?
HY
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:社会寄与
[3・4年生]
ホースキャンプの興奮も冷めやらぬまま、いよいよ今年度の第2タームのテーマ学習が始まります。3年生とは1年ぶり、4年生とは初めてのテーマということで、私も新鮮な気持ちで初日を迎えました。
ある男の子は前回までの内容(椅子作り)に変更がありそうだという噂を耳にしたらしく、授業前に何度も私のところへやってきては、いったい何を作るのか、しきりに質問してきます。
今回のミッションは、秋に開催されるTCSフェスティバルで来場者に遊んでもらうための木製・手作りのおもちゃを製作すること。
それもクラスメイトとの合作は無しで、一人一作品仕上げるというもの。
ミッションを伝えると、早速、子ども達から、
「それなら、俺、もうアイデアあるよ!」
「ねえ、こういうのはありかな?」
「早く設計図を描きてーー。」
と次々に質問や感想が出てきます。
何かつくりたいという気持ちがうずうずしてきて、待ちきれない様子が伝わってきます。
まずは「いい仕事って何だろう?」という問いかけでスタートし、子ども達のprior knowledgeを探ることに。
「手抜きのない、目標を意識したつくりのことじゃないかな。」
おいおいおい、初発からそんな意見が出てくるとは。
「技術」と「態度」の両面が押さえられているじゃないですか。
この発言をきっかけに、それぞれの頭の中にあるイメージが次々と模造紙に埋まっていきます。
「作っている人がお客さんとかみんなのことを思ってるって感じ。」
「おばあちゃん家にある着物の模様がすごく綺麗なんだよ。手作りで、何年もかかったんじゃないかな。」
「そういや、うちのひいおじいちゃんが子どもの頃から使っているものがあって、今でも全然使えるの。新しくても、すぐ壊れちゃうものもあるのにね。」
「マインクラフトもいい仕事してるよ。ゲームの自由度がむっちゃ高いし。」
やがて「いい仕事」にはほど遠い事例も挙がってきだして・・・
「すぐ壊れちゃうものはやっぱりいい仕事とは言えないよね。例えば、コンビニで買った傘とか。風が強いと、すぐ裏返っちゃうんだよ。」
この意見には、私も含めて、「そうそう」と全員が納得。
みんな一度は経験したことがあるエピソードのようです。
テレビの発明はみんなが楽しめるという点では良いかもしれないが、一方でテレビの見過ぎが視力の低下につながることもあり、必ずしもいい仕事と言えないかも、なんて意見も飛び出しました。
「じゃあ、結局、仕事の質って何で決まるんだろうね?」
視点を変えた問いかけでメタメタする中、正しい道具の使い方という観点が浮かび上がってきます。
それを受けて、週の後半は基本的な大工道具の使い方の練習にあてることにしました。
まずは、それぞれペアを組んで、4グループに分かれ、道具の使い方の基本要素である「切る」「たたく」「穴を開ける」「測る」「磨く」に取り組みます。
木工に少し自信がある子もいれば、これまで「きり」なんて触ったこともないなんて子もいたり、現時点での技術レベルはまちまち。
ただ、道具を握り、木材に向かう子ども達の表情は真剣そのもの。
「練習だけで汗をかいてきちゃったよ。」
あっという間に、授業の90分間が過ぎていきます。
翌日は、算数教材として使用するジオボードを作るという課題をあたえ、さらに練習を重ねることに。
実際に使う人を想定した課題とあって、道具を持つ手にも一層力が入ります。
線引きしたけど、釘を打つ位置の間隔が違ってるぞ。なんでだろう。
のこぎりの刃が斜めになって、線よりも内側に入ってきてしまった。どうやって復旧しよう。
のこぎりの切断面がでこぼこしてる。これは大変だぞ。
設計図通りに仕上げることの難しさを痛感しながら、作業に没入する8人。
はたして、無事、授業で使えるレベルの製作物はできあがるでしょうか?
HY
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。