タイトル:目からうろこ
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。
しかし……メガネをはずした子どもたちは途端に沈黙。話し合いが進まない。先週、メガネをかけて生き生きと話し合っていたのはなんだったの?あれは「架空」の話しだからできたのか?まさにメガネマジックに過ぎなかったのか……いやあなんとも重く、沈滞したムードが続きます。
「目に見えるってスゴイねえ……」
誰かがぼそっとつぶやきます。その意味は?と突っ込んでたずねてみると、メガネの良さは、今、こんなことを考えていますよ!とかこんなことを考えたらいいんですよ!とかいうことをはっきりみんなに見せるところだといういうのです。
「どうしてそれがいいのかねえ?」とさらにたずねてみると、みんながメガネに注目して、そのメガネについての話し合いになるからだと説明してくれます。なるほど、よく考えているねえ。あまりにスバラシイ意見を聴いてしまうと、黙っていられなくなるおっちゃん。大人気なく、子どもたちの話し合いに割り込み(まあ、これを Generator の役割です!とかっこつけて言うこともできるかもしれませんが、そんな客観的かつ冷静な判断ではなく、自分も話し合いに入りたいという衝動にかられただけです……)、
「グリーンのカードを投げこんでもいい?」
と口走ってしまいました。子どもたちは?・?・?って顔をして、私がトランプのカードを切るまねをして投げこむ身振りを眺めています。
「メガネじゃなくて、みんなに見えるモノを作ればいいんじゃないかな?」
私の言葉に触発された子が
「はい、私もグリーンのカードだよ。おっちゃん、だったらカード作ってみようか?」
その子も、見えないカードを投げ込むふりをして、話し合いを進めようとします。すると別の子が、「それいいねえ!」と言いながら、イエローのカードを投げ込んだふりをしました。
ちょっと子どもたちを誘導しすぎたかなと反省しつつも、カードというアイデアを出すところが学びの評価のポイントではないと了解していたので、停滞を打開するツールを提示してしまったわけです。
とはいえ、「思いつき」を口にしただけなので、本当にカードで話し合いがうまく進むのかどうかまったく確信はありませんでした。とりあえず試してみないとわからないので、色カードのプロトタイプをさくっと作り、それを用いて話し合いをすることにしました。すると……
さっきまでの停滞がうそのよう。カードをうまく使いながら、さくさくと話し合いを始めるではありませんか。
「おっちゃん、これ使えるかも」
さらに、思わぬ副産物も見つかりました。どんなカードを投げこんで話し合ったか記録をとると、建設的な話し合いのパターンとそうでないパターンとが、出したカードの並び順にはっきり現れるということがわかったのです。ちなみに、左下の写真は、うまくいったときのカードの並びです。グリーンを繰り返し使い、その間にホワイトとブルーを交え、ときおりレッドをはさみこむ。つまり、この話し合いは、アイデアを次々に出してゆくように意識しつつ、そのためには、現状がどうなっているのかしっかり見つめつつ、落ち着いて物事を考えるように努め、これは面白い!と思ったときはその喜びを素直に表に出すという形になっているのです。
6色シンキングカードを使ってどんなふうに話し合ったかまとめていると、ふと、この6色は、ラーナープロファイルのピクトグラムに用いた色と重なることがわかりました。さらには、ピクグラムに用いられた色を、シンキングカードの色に込められた色で解釈してみると、うまくラーナープロファイルを説明できることも明らかになってきました。おお、これはもっと使えるツールに化けるかも。もはや子どもの探究を完全に飛び越えて、おっちゃんの妄想がMAXになってきたのでした。
RI
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。
[2年生]
色の違うメガネをかけただけで、とりあえず見方を変えようという意識がよびおこされることがわかりましたが、同時に、メガネだと、かけたりはずしたりが結構面倒。紙でつくったものだとその動作を繰り返すうちにすぐにボロボロになってしまう。そのうえ、顔のサイズが人それぞれなので、みんなに合うメガネというわけにはいかない。そんな欠点を乗り越えつつ、話し合いを促進するツールをつくれないかアイデアを出すことにしました。しかし……メガネをはずした子どもたちは途端に沈黙。話し合いが進まない。先週、メガネをかけて生き生きと話し合っていたのはなんだったの?あれは「架空」の話しだからできたのか?まさにメガネマジックに過ぎなかったのか……いやあなんとも重く、沈滞したムードが続きます。
「目に見えるってスゴイねえ……」
誰かがぼそっとつぶやきます。その意味は?と突っ込んでたずねてみると、メガネの良さは、今、こんなことを考えていますよ!とかこんなことを考えたらいいんですよ!とかいうことをはっきりみんなに見せるところだといういうのです。
「どうしてそれがいいのかねえ?」とさらにたずねてみると、みんながメガネに注目して、そのメガネについての話し合いになるからだと説明してくれます。なるほど、よく考えているねえ。あまりにスバラシイ意見を聴いてしまうと、黙っていられなくなるおっちゃん。大人気なく、子どもたちの話し合いに割り込み(まあ、これを Generator の役割です!とかっこつけて言うこともできるかもしれませんが、そんな客観的かつ冷静な判断ではなく、自分も話し合いに入りたいという衝動にかられただけです……)、
「グリーンのカードを投げこんでもいい?」
と口走ってしまいました。子どもたちは?・?・?って顔をして、私がトランプのカードを切るまねをして投げこむ身振りを眺めています。
「メガネじゃなくて、みんなに見えるモノを作ればいいんじゃないかな?」
私の言葉に触発された子が
「はい、私もグリーンのカードだよ。おっちゃん、だったらカード作ってみようか?」
その子も、見えないカードを投げ込むふりをして、話し合いを進めようとします。すると別の子が、「それいいねえ!」と言いながら、イエローのカードを投げ込んだふりをしました。
ちょっと子どもたちを誘導しすぎたかなと反省しつつも、カードというアイデアを出すところが学びの評価のポイントではないと了解していたので、停滞を打開するツールを提示してしまったわけです。
とはいえ、「思いつき」を口にしただけなので、本当にカードで話し合いがうまく進むのかどうかまったく確信はありませんでした。とりあえず試してみないとわからないので、色カードのプロトタイプをさくっと作り、それを用いて話し合いをすることにしました。すると……
さっきまでの停滞がうそのよう。カードをうまく使いながら、さくさくと話し合いを始めるではありませんか。
「おっちゃん、これ使えるかも」
さらに、思わぬ副産物も見つかりました。どんなカードを投げこんで話し合ったか記録をとると、建設的な話し合いのパターンとそうでないパターンとが、出したカードの並び順にはっきり現れるということがわかったのです。ちなみに、左下の写真は、うまくいったときのカードの並びです。グリーンを繰り返し使い、その間にホワイトとブルーを交え、ときおりレッドをはさみこむ。つまり、この話し合いは、アイデアを次々に出してゆくように意識しつつ、そのためには、現状がどうなっているのかしっかり見つめつつ、落ち着いて物事を考えるように努め、これは面白い!と思ったときはその喜びを素直に表に出すという形になっているのです。
6色シンキングカードを使ってどんなふうに話し合ったかまとめていると、ふと、この6色は、ラーナープロファイルのピクトグラムに用いた色と重なることがわかりました。さらには、ピクグラムに用いられた色を、シンキングカードの色に込められた色で解釈してみると、うまくラーナープロファイルを説明できることも明らかになってきました。おお、これはもっと使えるツールに化けるかも。もはや子どもの探究を完全に飛び越えて、おっちゃんの妄想がMAXになってきたのでした。
RI
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。