[6年生]
保健所での犬猫の殺処分の映像をきっかけに、人とペットの関係のあり方についてより深い問題意識を持つに至った女の子。
関連する本を自ら何冊も集め、情報収集を行います。
探究のエンジンがかかった子どもが自ら問いを立てて、追究しよう
とする姿勢は評価すべきことです。
ただ、その際に教師が注意すべきポイントがあります。
それは、今調べていることは何のためなのか、調べることそのもの
が目的になってしまっていないかを本人に気付かせてあげるという
ことです。
ある一つの話題を深堀りしているだけでは、単なる調べ学習の枠を
飛び越えることはできません。
興味関心があるテーマをconflict(対立、葛藤)というフィルター
で通して見た際に、浮かび上がってきた問題点。
問いを立てるということは、この問題点に対する自分の考えを下支
えするための根拠を挙げるための作業なのです。
Key Conceptsは単なる思いつきではなく、本質に迫る問いを立て
る上で欠かす事ができません。
これまでのテーマ学習でも使ったきたこのKey Conceptsを用いて、
問いを立て直すことにしました。
「そもそもペットとは何か?」(form)
「保健所は何のためにあるのか?」(function)
「なぜ殺されるべきではない命が殺されてしまうのか?」(causation)
「過去と現在でペットの存在はどう変わった?また変わらない点は?」(change)
「ペットの殺処分と私たちの生活との関係性は?」(connection)
「他の国々の人はペットに対してどう考えている?」(perspective)
「私たちはペットを飼う上で、本来もつべき責任は?」(responsibility)
この作業を通じて、彼女も自分の目指すゴール(主張)に向けて、
追究すべきことがクリアになった模様。
常にこの問いに立ち返り、またその内容を洗練させていくことが、
客観的な視点を持つ上で重要なのです。
いよいよスクールで最後となるテーマ学習も残り3週間となりまし
た。子ども達の最後の踏ん張りに期待します。
HY
※TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。