東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2011年10月 アーカイブ

2011年10月04日

TCSフェスティバルのご案内(10/21-22)

今年もこの季節がやってきました。
TCSキッズ手作りのイベント、TCSフェスティバルは
スーパーマリオ漫才、すごろく迷路、ゴルフなど楽しい企画が盛りだくさん。
素敵なカフェも開店します!

皆様にお越しいただきやすいよう、
今年は土曜日にも開催いたします☆

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

【日時】 10月19日(金) 9:00~15:00(予定)
      10月20日(土) 9:00~15:00(予定)

【場所】 東京コミュニティスクール
      住所 : 東京都杉並区和田3-37-5 第5鴨下ビル
      最寄駅 : 東京メトロ丸の内線「東高円寺駅」徒歩4分
      スクールへのアクセス

【入場料】 無料!


2011年10月07日

実践、実践、また実践

[5・6年生]

専門家へのインタビューを通じ、「ポン・ピュン・ラン」走法の理論的裏付け
を得た子ども達。
自分達が立てた仮説の確からしさに少し自信が芽生えたようです。

ただ、テーマ学習において、知識を得ることがゴールではありません。
達成目標にも掲げたとおり、正しい知識と意識を持って「行動」することが
求められます。
意識と行動を結びつけるためには実践あるのみです。

今回、保護者のOさんのお力添えもあり、ご近所の高南中のグラウンドを
お借りすることができました。
普段、近所の小さな公園を使って体育していることもあり、貸し切り状態の
広いグラウンドを見て、実践にも熱が入ります。

実践では、9人が効率的に動くために、記録班・トレーニング班・走る班の
3グループに分け、それぞれの役割を定期的にローテーションすることに
しました。
待ち時間の間に、記録班として他人の走りを分析したり、「ポン・ピュン・ラン」
のトレーニングをして自分の番に備えるためです。

それぞれ3本×2セットのランを終えたところで、スクールに戻ることに
しましたが、みな表情が冴えません。
それもそのはず。自己ベストの更新どころか、それよりも0.5秒近く遅れる
ことがざらだったからです。

「全然、速くならないなあ。。」

スクールに戻ってきて、自分達の走りの映像をコマ送りで分析したり、
互いの走りの特徴について気付いた点をシェアすることにしました。

「Sくんはポンを意識しすぎて、身体に力が入りすぎているかも。」
「Nちゃんはピュンが遅い気がするなあ。」
「大股になりすぎて、不自然な走り方になっている人もいたよね。」

他人の視点の気付きに加え、自己分析した意見もどんどん出てきます。

「ゴールを意識しすぎて、直前でブレーキをかけてしまうんだよね。。」
「歩幅が気になって、ぎこちない走り方になっちゃったよ。。」
「脚と手を同時に意識して走るのは結構きつい。。」

実践フェーズと言えど、ただ走りっぱなしでは改善に結びつきません。
ホームワークとして、走り方をどう意識したらどう変わったかを
「やったこと、わかったこと、次にやること」の観点でレポートに
まとめてもらうことを日課にしました。

みな、自分の弱点を踏まえたトレーニングを家で考えてきて、実践に臨みます。

「『ポン・ピュン』をいきなり全速力で実践するのは難しいから、ゆっくりの
 ペースで2つの動作を確認しながら、徐々にペースを速くしていこうと思うんだ。」
「『ピュン』の動作を速くするため、脚ぶらぶらトレーニングというのを考えてきたよ!」
「ゴールの先に目印を置き、それをめがけて走れば、視線も上がるし、ゴール直前で
 スローダウンすることもないんじゃないかな。」

本来であれば、今週で実践を終え、来週は発表内容をまとめる予定だったのですが、
子ども達と相談し、来週の前半も実践にあてることにしました。

このまま引き下がる訳にいかない。
上級生として、そして探究者としての意地なのでしょう。

果たして、「ポン・ピュン・ラン」を実践して、自己ベストを塗り替えることは
できるのでしょうか。


YI/HY

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

マイ・ヒーロー・ストーリー

[3・4年生]

残りあと2週間。作り上げた目次に沿って文章を書き連ねてゆきます。
目標は最低10枚。各自、黙々と机に向かい、400字詰めの原稿用紙を
埋めていきます。

「目次に沿って書けばいいってどういうこと……」

ある子が質問してきました。

「まだ骨しか決まっていないから、それに肉をつけることかな」

そう返答しても、

「???」

これまでの作文は、思いついたことをとにかく躊躇せず書き連ねると
いうことを目標としてきました。それは、書くことへの苦手意識を作ら
せず、書いて考えるという習慣をつけるためで、“楽書きの時間”と名づけ、
実践を積み重ねてきました。この時間をどの子も楽しみにしていて、書く
ことへの妙な抵抗感はないのですが、今回は、いよいよ「次のレベル」
への飛翔。ストーリーのある文章作り“入門”です。したがって、子ども
たちは戸惑うのが当然。こちらも腰を据えて、子どもの素朴な疑問・悩み
にじっくり答えてゆきました。

「じゃあ、もう一度、目次がどう並んでいるか見直してみようか」

できあがった目次をながめてみると、自分が選んだヒーローがどんな人生
を歩んだか、どんな「こだわり」を持っているか、どこが自分のいちばん
ひかれるところか、ヒーローから何を学ぶか、という順番になっています。

「なかなかいいじゃん!これが“骨”があるということだよ!」

子どもはちょっと安心します。

目次は、何が書いてあるか読者にわかりやすく示すための役割を果たす
だけじゃない……どんな順番で語ったら聞き手をワクワクさせることが
できるかを考えるために作るものだ……ストーリーに「骨」がなければ
ぐにゃぐにゃで筋が通らない……だから「目次」という「骨」を作ること
が「ストーリー」をまとめる上でまずしなくてはいけない作業なのだ!
と改めて確認しました。

しかし……筋さえ通っていれば「面白いストーリー」になるかというと、
そうではありません。そこで大事になってくるのが「肉づけ」です。
ただ時系列的に「項目」を並べるのではなく、「プロット」を考えて
ふくらませる。それが肉づけです。

さあどうしたらいいか……共に「探究」してゆきます。

どうしてもヒーローの持つ個々の特徴を羅列することから逃れられない
子がいました。本人もこれではダメ、面白くないと自覚しているのに、
どうしたらよいかわからず、筆がぴたっと止まってしまいました。

そこで、その子に、“ connection”というキーコンセプトを与えました。

「どんなつながりがあるのかな?」
「そのつながりがどんな影響を与えたのかな?」

と「問いかけ」てみるように促したのです。すると……

「あのね、いつもはチャラいのにね、わが子を守る戦いでは真剣になる。
弱い力しかもってないし、相手になかなかダメージ与えられないのにね、
わが子を守るためには、どんなにやられてもあきらめない。そこがね、
なんかスゴイって思うんだよ」

ウワー!いきなり、スバラシイ意見が出てきてしまいました。こちらも
ビックリ!子どももビックリ!苦笑いを浮かべています。

「ほら、スゴイだろ。こうやって問いかけてみると、ちゃんと自分の
中にあるものをうまく引き出せるんだよ」

自分の中にスバラシイ考えの素が「ない」のではなくて、うまく引き出
していないんだ!

引き出すために使うのが“ connection”のようなキーコンセプトなんだ!

ということを実感したようです。

こんな特徴がある。でも、それとは正反対の特徴もある。
どうしてそんな正反対の特徴が生まれるかというとこんなつながりが
あるからだ。
そのつながりが本人にこんな影響を与えてしまうんだ。
それについてぼくはこう自分思うんだ……

というふうにキー・コンセプトを用いて拡張してゆけば、流れがあって
面白い文章ができあがるのです。それが「肉づけ」ということなのです。

ゆくゆくは、キー・コンセプトを自発的に用いて、プロットを構築する
ことを楽しみつつ、流れがあり、面白い文章の書き手になってほしい……

その「入り口」にやっと子どもたちは立ちました。

さあ、次週は、いよいよ最終週。マイ・ヒーロー・ブック完成に向け、
ひたすら突き進みます。

RI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

四感で生活すると?


[1・2年生]


4週間使って、五感のそれぞれの力を集中して使ってきた子どもたち。


四感で生活すると?_01そこで、今までの活動の振り返りとして、
テーマの初回に考えた「五感でできること」の「見る力」にフォーカスして、再度考えてイメージマップを作ってみました。


「ボールをける」
「料理をする」以外にも、
「着替えをする」
「くつをはく」
「テレビを見る」
「時間が分かる」など、
最初よりも、たくさんの意見が出てきました。
視覚によって、いろいろなことが難無くできていることに気付かされます。


そこで、次の問いかけ。
「見ることができなかったら、これらのことはできるかな?」


普段、当たり前のように五感を使ってきた子どもたちですが、
もし、ある感覚(一感)が失われたとしたら、どうなるのか。
五感-一感=四感になった時、生活にどのような変化が起きるのか。


子どもたちからは、
「できないと思う」
「できることもあるかもしれないけど、できないこともあると思う」
と、視覚が遮られることで、なんらかの不便さを感じるのではという意見が出ました。


そこで、「指で見る」という、視覚障害者(子ども)の考えていることや生活における工夫を写真とインタビューと一緒に載っている本をみんなで読んでみました。
点字付きの腕時計や、声をかけ合いながら鬼ごっこをしたり、
コップに指を入れることでどれだけの牛乳が入っているか確認する写真を見て、
見る力以外の力を使ってできることがありそうだと感じた子どもたち。


では、四感(よんかん)になったとき、私たちはどれだけのことができるのか、またできないのか確かめてみよう。
ということで、イメージマップに書いたことを実際に体験し、実験してみました。


四感で生活すると?_02アイマスクをしたまま、部屋を出て、階段を降りて、靴を履いて、外に出る。
字や絵を描いたり、じゃんけんしたり、鬼ごっこまでやってみました。


四感で生活すると?_03壁や誰かを触ったりながら階段を降りたり、
じゃんけんでは「グーの人名前言って~」と声を掛け合ったり、
鬼ごっこでは、音のする方に行ってタッチしたり。
意外とできることはあることに気付きました。


四感で生活すると?_04「本を読む」「時計がよめる」という四感では情報が得られないことはさすがに難しいかなぁという話になりつつ……。
しかし!
針の振動と針の音から時間を当てようとするなど、彼らなりに工夫をして情報を得ようとしていました!


四感で生活すると?_05 四感で生活すると?_06

また、外に出て、点字などの街に溢れる工夫も探しに出掛けました。
駅のきっぷ売り場やエレベータ、公園の案内や自動販売機などいろんなところで発見しました。


さぁ、来週は今までの活動を振り返り、
どれだけ五感を研ぎすましてきたかをどう発表するか、準備を進めていきます。


EN


TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2011年10月14日

報告資料を作ろう!

[5・6年生]

「残り2日で自己ベストを更新できるかな。。」

本来であれば、今週はまるまる発表用資料作成にあてるはずだったのですが、
実践フェーズを延長することにした私たち。

極めて限られた時間で結果を出さなければいけないこともあり、子ども達の表情も
より一層真剣味を帯びてきました。
何とか結果を出したい。結果への執着が感じられます。

「トレーニングで意識した『ポン』『ピュン』をいきなり全速力で実践するのは
 難しいから、ゆっくりのペースで2つの動作を確認しながら、徐々にペースを
 速くしていけばいいと思うよ!」

今回のテーマで最もreflectiveに自分の走りを分析し、仮説と検証のサイクルを
主体的に回すことで「ポン・ピュン・ラン」のコツをつかみつつあった5年生の
女の子からの提言がありました。

「よし、それいただきっ!」

彼女の意見を参考にし、それに加え、みな各自の弱点にフォーカスしたトレーニングに
励みます。

また、先週の実践では、後半になるにつれ、疲れが如実に表れ、みるみる記録が
落ちていた点も考慮し、1セット=3本のランを1セット=2本に変更し、セット数を
増やすなど、測定方法についても修正を図ります。

「これ、タイム出るんじゃない?」

この日の一走目を見て、子ども達の走りが非常に軽やかなのを感じました。
特に女の子は、走り方がスムーズになってきているのが目に見えてわかります。

そんな中、ついに待ちに待った瞬間が。

「文さん、やったよ!自己ベスト、更新!!!」

トレーニング方法の提言をしてくれた5年生の女の子が駆け寄ってきます。
他の子ども達からも湧きあがる歓声。

小4の記録会の時以来、なかなか更新することのできなかった自己記録を更新し、
興奮さめやらぬ様子です。

クラスメイトもそれに触発されてか、好記録を連発します。
結果的に女の子全員が実践フェーズの残り2日で自己ベストを更新することが
できました。
「研究者」として、簡単に諦めずに執着した結果と言えるでしょう。


さて、発表会まで残りわずか。
いつまでも実践フェーズの結果の余韻に浸っている場合ではありません。
発表会に向けた報告資料を急いで作成しないといけないのです。

ただ、6年生の子どもたちは前回の「駄菓子屋経営」の事業報告会にて
パワーポイントを使った発表を経験しているので少し自信が伺えました。

私自身、ITツールを使用する際に注意していることがあります。
それは、例えばパワーポイントであれば、アニメーションや絵図に工夫を凝らし、
見た目の体裁だけを整えて、なんとなくまとまったように見せることが可能だと
いう点です。

「重要なのは中身やぞ!」
この言葉を何度も子ども達に発しました。
小手先の技術など後からいくらでも身に付けられます。
聞き手に一番伝えたいメッセージは何なのかが明確でない発表など誰の耳にも
届かないからです。

今回は、科学者が学会で発表するスタイルでいくということは当初から伝えて
いました。学びのテーマ領域は「万象究理」。

正確なデータに基づき、合理的に推論を立てること。
追究、目的、方法、結果と今後の展望を理路整然と説明すること。

加えて、パワーポイントでまとめる際の鉄則である「Oneシート、Oneメッセージ」
など、発表内容をまとめるにあたっての前提事項を確認したうえで、発表の
アウトラインを子ども達とつめていきます。

今回の学びの「目的」となるミッションを知らせることが第一。
次に、このミッションを達成するために追究した「課題」は?それをどう調べた?
理論的な裏づけは?その理論にしたがってどんな実践をした?
その結果、どんなことがわかった?今後の展望は?というように、
子どもたちとやりとりをしながら、これまで行ってきたことを整理しました。

「作用・反作用の法則や『ポン・ピュン・ラン』の理論を説明する際には、
 言葉だけじゃなくて、誰か前に出て実演した方がいいんじゃない?」
「結果がまぐれと言われないために、どんな情報が必要だろう。」
「僕はまだ結果が出てないから、その点を分析しておかないと。。」

担当範囲をグループごとに分け、スライドを作成する実作業に取り組む中で、
子ども達から聞き手にとってわかりやすい資料づくりのアイデアがポンポンと
出てきます。

グループごとに作成した資料をマージし、最後に分析のスライドに取りかかります。
自分達で撮影した動画をコマ送り再生して静止画にしたものをパワーポイントの
スライド上に並べ、連続した動きを見せました。スライドの上半分にメカニズムを
意識する前のランニングフォーム、下半分に自己記録を更新した時のフォームの
連続写真を示し、上下を見比べて、身体の使い方がどう違うか、分析できるようにしました。

「全然違うよね。私の場合、以前はかかとからべたっと着地しているし、
 これならブレーキがかかって遅くなるのも当然だよ。」
「私も。ひざが進行方向に伸びていて、ダイナミックなフォームになってるもん。」
「足裏全体でポンできているし、背筋が伸びているから反作用の力が逃げてないんだよね。」

改めてテーマ学習を始めた当初と今の自分のフォームをじっくりと見比べる中で、
その違いを自分の言葉で説明できるようになっていたことに気付きました。
これこそが、この学びを通じての彼ら彼女らの成長なのです。

発表資料が完成したのは、発表会前日の昼過ぎ。

「何とか間に合った。。」

私自身、発表会に間に合わないのではないかと思うくらい、後半はタイトな
スケジュールでした。
が、そこは過去に何度も同じような試練を潜り抜けてきた上級生。最後に
信じられないくらいの集中力と粘りを発揮してくれました。

「よし、明日も頑張ろう!」

子ども達はテーマ発表へと臨みました。


YI/HY

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マイ・ヒーロー・ブック完成!

[3・4年生]

いよいよ最終週。My Hero について原稿用紙にまとめます。目標は、
400字詰めで10枚。目次に沿ってひたすら書き進めてゆきます。
実は、今回の学びのポイントは、「マイヒーローはすごいんだよ!」
となんとなく語るのではなく、文章でまとめるところにありました。

口が達者で、言い方も力強いので、とてもよく考えているように
“見える”子がいます。自分の世界を持っていて、とても素敵で、愛す
べき子なのですが、このままでは、早晩、「思考力」の限界に達して
しまいます。そうなったら、せっかく持っている本来の特性が活かせ
ません。

「口頭」でなんとなく伝わればよいというレベルを打ち破るために、
「文章」でまとめてみる。そうすると、自分の「思考」の弱点と限界
が見えてくる……

これまでよしとされてきたレベルを打ち破る“挑戦”ですから、決して
楽ではありません。だからこそサポートする!一人ではくじけてしま
うプロセスに伴走し、励まし、支える……「同行二人」の精神で探究
教師は子どもと関わってゆきます。

「どんなに危険でも絶対に逃げないし、あきらめないし、昔の友達に
出会って、それではダメだと気づいて……」

相変わらず、熱く語っています。とても面白い語りであることも事実
です。しかし、それをただ「文章化」してみてもちっとも面白くあり
ません。


「すばらしいね。その熱い語りをぜひ文にまとめてごらん」

文章にまとめるように促すと、鉛筆がまったく動きません。しばらく
たつと、調べるために使った本を読もうとし始めました。そこで……

「もう本を読む必要はないよ。十分、調べているし、頭の中に材料も
たくさん入っているし、どんな順序で書いたらいいかもわかっている。
あとは、思いっきり吐き出して、原稿用紙にぶつけるだけじゃないか」

と伝えると……きょとんとした顔で、鉛筆は止まったままです。
それから15分……わかっているのに、なんで書かなきゃならないんだ!
面倒くさいよ……という気持ちが「顔」に出ていました。
さらに30分……あれっ、このままじゃまずいな。なんとか書かなきゃ!
ちょっとあせり始めます。
そしてさらに30分。居残りとなって、いよいよ……なんだ俺の頭は!
真っ白じゃないか!……
この段階になって、ようやく、「書こうと思えば書ける」と考えていた
ことが誤りだと気づき始めました。なんとなく頭で「わかったつもり」
になっているのと、思考した成果を「言語」でしっかりつかみとり、
「文章化」することが大きく異なる!この「差」は大きい!という現実
に直面したのです。

普通なら、この状況に追いこまれたら、“もうダメ!”と逃げておしまい
になってしまいます。だからこそ題材を「マイ・ヒーロー」としたこと
に大きな意義がありました。

なんとかまとめたい!でもこのままではダメだ!というせめぎあいが
強く生じるので、簡単に投げ出そうとはしないのです。

涙がぼろぼろ出てきても……頭を抱えて悩んでも……やめるわけには
いかない。しかし、そのうち、まずは書いてみて、書き残したものを
見ながら考えればよいことに少しずつ気づいてきます。

ただ考えていても、ただしゃべっていてもダメ。まず書き残す!
そして、それを自分で読み、何が足りないか考えるというプロセスが
大事!
だからボーッとせず、まず手を動かせ!

今回は、探究“鬼”コーチにひたすら言われ、やらざるを得なかったと
いうのが子どもたちの正直な実感でしょう。

しかし、あきらめずに、ひたすら書き続け「思考の結晶」ができあがる
と子どもたちの表情が一変します。目標の400字詰め原稿用紙10枚以上
を達成できなかった子もいましたが、全員がこれまで自分が書いた最大
の枚数を更新!充実感にあふれていました。

その力作「第一稿」を、原稿用紙の使い方、誤字脱字、文法上の改善点
といった「形式面」で、しっかり私が「赤ペン添削」し、再び清書!

そして……

テーマ発表日ギリギリに「マイ・ヒーロー・ブック」が完成しました。
子どもたちの顔のなんとうれしそうなこと!

書くことの「大変さ」とその後の「充実感」……これこそ探究に欠かせ
ない、“つら楽しい”部分でしょう。みんなよくガンバリマシタ!

RI

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五感使って生きる、五感人間!


[1・2年生]


テーマ発表会に向けて、発表に向けた日々が始まりました。


五感でどんなことができるのか証明する発表内容を考え練習を重ねました。


「見る力」
テーマの中で継続してやっていた数字当てに挑戦することに!
これは、ボードに書かれた数桁の数字を一瞬で見て当てる動体視力を測るもの。
最初は3桁ぐらいまでしか読めなかった子どもたちも複数回やることで5桁ぐらいまで読めるようになっていました。


「聴く力」
台風の日、聴こえる雨音を音で表現してみたことがありました。
それに再度挑戦してみることに。
まだ、人の声に聴こえるけれど、何度も録音し聴き直すことでより研いでいきたいと思います。


「触る力」
これもテーマを通してずっと挑戦してきた紙やすり並べ替え。
粗さの異なる紙やすりを順番に並べていきます。
4枚ぐらいなら簡単にできるけど、それ以上になるとなかな難しいのです。


「嗅ぐ力」と「味わう力」
紅茶の香りとじゃがいもの味当てに挑戦することにしました。
似ているけど微妙に違う、そのかすかな違いに気付くことが要です。


また発表では、五感人間を証明するだけでなく、
四感人間でも何かができることも実際にやってみることにしました。


今回の発表では、歌を替え歌にして歌ってみることに!
そのもと歌は「妖怪人間ベム」!
「五感使って生きる〜おれたちゃ五感人間なのさ〜♪」と歌いながら、
テーマ発表会では五感を研ぎすました成果を発表します!


EN


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2011年10月21日

Body & Soul ~ふりかえり~

[5・6年生]

テーマ発表の形式は、科学者が学会で発表するスタイルで行いました。
パワーポイントでまとめた資料を、子ども達が順番に発表していきます。
言葉の説明だけではわかりにくい箇所については、子ども達が前で実演するなど、
聞き手を意識した工夫も見られました。

今回、テーマ領域が「万象究理」ということもあり、

・正確なデータに基づき、合理的に推論を立てること
・仮説と検証のプロセスを繰り返すこと

に特に重きを置き、活動に取り組んできましたが、発表にもそれが反映されて
いたように思います。

テーマ発表会でも、「今回の学びを活かして、次に取り組んでみたいテーマは?」
という理事長からの問いに対し、皆それぞれ借り物ではない自分の言葉で答えることが
できました。

ただ、一方で物足りなさを感じたことは否めません。

それは構成も内容も無難にまとまりすぎて、聞き手の印象に残らなかったからです。

実は、今回の実践において、裸足で走ることでタイムが改善された子どもが
何人かいました。
実践フェーズの最後の最後の場面だったこともあり、その分析にあてる時間も
なかったため、発表用資料の内容からは意図的に省くことになりました。

もし、分析が中途半端なまま発表会に臨んでいたら、さぞ質問攻めにあった
ことでしょう。
ですが、質問者とのやりとりやアンケートの結果を通じて、自分達の発表の中で
どの点が伝わりにくかったのか、なぜ伝わりにくかったのか、今後どう改善すれば
よいのかを子ども達に考えてもらう良い機会を失ってしまったと捉えることも
できます。

私自身、今回の授業を通じて、先生側も失敗を恐れない(あえて誤解を恐れずに
いえば、失敗させるくらいの)姿勢で子ども達にチャレンジさせることに意義が
あるということを学んだように思います。

YI/HY

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My Hero Story 〜ふりかえり〜

[3・4年生]

テーマ発表の形式は、マイ・ヒーローらしさを表す写真を1枚フリップ
として掲げ、制限時間3分以内で、ヒーローのことについて熱く語ると
いうものでした。

「ぼくがヒーローから学んだことは、負けないということです。
ぼくはすぐ負けちゃうところがあるけど、すぐにそれは変わらないと
思うけど、少しでも近づくためにこれからぼくはヒーローの真似を
します!」

多くのオーディエンスを前にしているにもかかわらず、萎縮するどころ
か、普段あまり耳にしたことのない張りのある声、そして、堂々とした
態度で語りました。それだけでもスゴイのに、自分がヒーローとして
選んだ俳優の演技を披露するはじけっぷり。観客は驚き、感動し、会場
は大きく盛り上がりました。

ヒーローの魅力と自分の人生とのつながりを熱く語る!という目標を
見事に達成です。

と同時に、多くの子どもたちが喝采を浴びる中で、だからこそ目立って
しまった一部の子の「温度の低さ」をどうするかという課題が残りました。
あこがれのヒーローを調べれば調べるほど、どんどん深くはまっていき、
自然に自分の価値観の発見にたどりついた子が、あまりにも素晴らしい
姿を見せてしまったために、それなりに調べ、それなりに発表した子の
「粗」を目立たせてしまったとも言えるでしょう。

熱く思えるヒーローを見出さない限り、この学びはうまくいかないと
いう当たり前の事実を再認識させられました。

すべての子どもがあらかじめマイ・ヒーローを持っているわけではない。
もともと冷めた子、ー響きにくい子を「ゆさぶる」仕掛けを改めて考える
必要がある。それが、次回への改善点の第一です。

もう一つ、さらに改善したいところは、ストーリー構成力をもっと磨き
たいということです。

PYPのキー・コンセプトや、うまいストーリーテリングの例について、
もっと工夫して伝えたい。
そして、最終発表として、口頭で「ストーリー」をどう「語る」か、
もっと時間をとって磨きたいと感じました。

こうすることで、さらに「意思表現」という探究領域でのテーマ発表と
してふさわしくなるでしょう。(自分の価値観を見出し、宣言するのは
悪くないが、ちょっと「自主自律」領域に傾きすぎの発表かなと感じた
ので……)

原稿用紙にしっかり「書く」、そして、洗練された構成と文で熱く語る
という2つが達成されたら、「意思表現」を追究する、もっと素晴らしい
テーマ学習になるでしょう。

RI

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「我感じる、ゆえに我あり」〜ふりかえり〜


[1・2年生]


「五感を研ぎすます」ことに着目してきた本テーマ。
テーマを通して、五感を研ぎ澄ますために「集中」すること、
そして五感を研ぎ澄ますことで、自分の感じる力を以前よりも「変化・成長」させることを、常に子どもたちに伝え続けました。


子どもによって、感じることやできることは様々かもしれません。
けれど、子どもたちは自分なりに工夫をしながら五感を高めていったと思います。


紙やすりの並べ替えが当初ほとんど当たらなかった子もほっぺにやすりをつけて粗さを比べて正答率を上げたり、
時計を見ずに時間を当てるなんて最初できないだろうと考えられていたことも、
時計の文字盤を触って熱さや振動を感じたり、針の音を聴き分けることで、針がどこにあるか当てたりしていました。


また、発見したことを表現することも意識して行っていきました。
聴こえた音、触った感触、何か分からないものを嗅いだり味わった感じを自分なりに言葉にすることで、なんとなく感じて終わるのではなく、それを外にアウトプットする経験となったのではないでしょうか。


テーマ発表会では、歌も入った劇調の今までにない形の発表!
最初は恥ずかしがっていた子どもたちも、練習を重ねるに連れて楽しんでいたようでした。
五感を研ぎ澄ましたことを証明する際には失敗することもあって残念!
ただ、練習を重ねて、自分の持っている力を出そうと真剣に取り組んでいた姿勢と、集中して臨んでいた様子が観ている方には伝わったと思います。


探究領域「自主自律」として、自分の持っている力を最大限広げようと、自分と向き合うテーマになったのではないでしょうか。
五感はいつも使い続けるもの。
このテーマをきっかけに今後も五感を研ぎ澄ましてたくさんの情報をつかんでいこうね!!



EN


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2011年10月24日

「似て非なるもの」~概要~


[5・6年生]

タイトル:似て非なるもの
探究領域:自主自律

私たちは一人ひとりかけがえのない存在です。そんな自分を大切にして生きてゆくには、
からだの栄養とともに心の栄養にも心がけなければなりません。また、健康に体を動かす
には、そのメカニズムを意識し、メインテナンスすることも大事です。しかし、私たちは、
自分ではどうにもならない部分、好むと好まざるとにかかわらず引き受けなければならない
部分を持っています。それは「遺伝」して受け継いだ部分です。と同時に、私たちには、ただ
受け継ぐだけでなく、突然変異を引き起こすメカニズムも備わっていました。その結果、多様
な種に分かれ、それぞれ独自の「進化」を遂げてきました。私たちは先祖代々、さまざまな
性質を受け継ぎつつ、微妙な変化を積み重ねながら、今の自分にたどりつきました。
それは自分の意志で選んだものではありません。

同じ人間なのに、なんで一人ひとり顔が違うんだ?
どうしてまったく同じようにコピーせずわざわざ微妙に変えるんだ?

私たちは「遺伝」という「運命」の完全支配下にあるのではなく、「環境」の影響を受けつつも、
自分の「意志」を行使して生きられるはず……

今回のテーマでは、「遺伝」と「進化」を切り口として、一つとして同じもののない「オンリー
ワン」である私たち一人ひとりが、受け継いだものを引き受けつつ、どう前向きに変わり
続けることができるのか追究します。

RI


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「食わせ者」~概要~


[3・4年生]




タイトル:食わせ者


探究領域:共存共生


私たちが生きていくために毎日必要な食べ物。その食べ物をいつでもどこでも入手し空腹を満たせることは果たして当たり前のことなのだろうか?


本テーマでは3,4年生たちと一緒に食糧の問題について考え、また自分たちがムダにしてしまっている給食についても毎週調査を行いデータを記録します。今まで知らなかった問題について考えたり、自分を振り返りながらこれからどのように食糧と向き合っていくのかみんなでディスカッションを行っていきます。


子どもたちは自分たちが残した食べ物の量を知りどんな反応をするんでしょうか? 
彼らにとって、みんなで協力しながらグループとしての意見をまとめていく始めての試みです。
さあ一歩一歩がんばろう!!




YI/HY


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「静かなともだち」〜概要〜


[1・2年生]


タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理


本テーマでは「静かなともだち」を見つけていきます。
「静かなともだち」とは“葉っぱ”たち!


身近にあふれる“葉っぱ”たちだけれど、
どんな種類があってどんな形をしているか意識して見ているかな?


そこでまず、“葉っぱ”を採集すること=「葉んてぃんぐ」から始め、
集めた葉っぱはきちんと記録・保存し、分類・標本作りを目指します。
MISSON「葉っぱ博士になる!」べく、
採集するときは手順やルールをしっかり守り丁寧に作業することや、名前がわからない葉っぱがあれば図鑑で調べることを大切にしていきます。


集めた葉っぱを形やつき方などについて見比べてみると、どんな似ているところや違うところを発見できるかな?


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2011年10月28日

遺伝ってなんだ? イメージマップ作成

[5・6年生]

宇宙紙芝居以来、数ヶ月ぶりに5年生、6年生とテーマ学習を行います。

「遺伝やるんだよね?」

もう、どんな内容かなんとなく知っている子もいます。

「そう、でも『遺伝』を知ることは入口で、学びのゴールじゃない!」

私のこの返しにも、みな「当然」という顔をしています。長年、一緒に
やってきているんだからそんなことはわかっているよという顔つきです。

「まず、イメージマップ作るんでしょ!」

彼らは“学びの流儀”を熟知しています。壁にはってある模造紙を使って
これから何をするかということはもとより、「何のために」イメージ
マップを作るのかも分かっています。

ちょっと話が脱線してしまいますが、私がテーマ学習の最初に必ず子ども
たちと作る「イメージマップ」について一言付け加えておきましょう。
「イメージマップ」とは、アイデアを外在化するために、思い浮かんだ
言葉をまず書きとめる手法です。これは、トニー・ブザンの手法として
有名な「マインドマップ」と似ています。にもかかわら、なぜ「マインド
マップ」と呼ばずに、「イメージマップ」と呼んでいるかというと、

「マインドマップ」がアイデアの階層構造を意識して、整理しながら作成
を進めてゆくのに対して、私が子どもたちと作っている「イメージマップ」
は頭に思い浮かんだものをとにかく書き写してゆくことを優先している

からです。

子どもたちの頭の中に、これから「探究」を進めたい「テーマ」について
どんな考えが渦巻いているのか、率直に吐き出してもらう……子どもたち
がどんな先行体験をしていて、どんな既有知識やイメージを抱いているか
あぶり出すためのマップ作りなのです。このマップを得ることで、探究
教師は、子どもたちがどんな興味・関心を持ち、どんな違和感、困惑を
抱いているか把握し、「追究」のゴールに向けて、どんな学びを構築して
ゆけばよいか考えることができるのです。

さらに、「イメージマップ」は、探究教師がモデレータになり、子ども
たちみんなでイメージを語り合って作り上げることにも大きな意義があり
ます。自分がもともと持っていた知識・イメージだけでなく、他者の意見
に“刺激”されて思わぬ考えが飛び出して、よりイメージが広がり、深まっ
てゆくからです。みんなで語り合うことで、マップはどんどん豊かになり、
共同追究に向けての一体感も次第に醸成されてゆきます。

さて、話を授業に戻して……

今回の「イメージマップ」は、やはり「遺伝」について創ってもらいました。
いつも通り、一人ひとり順番に、「遺伝」について知っていること、思って
いることをどんどん出してもらいます。一巡目は、「伝える」「受け継ぐ」
「DNA」といった基本的な言葉が出てきます。しかし、TCSでテーマ学習を
積み重ねた子どもたちの「本領」はこの後、次第に発揮されます。

こんなバカなことを……とひらめいたアイデアを逡巡して語らないことも
ないし、だからといって受け狙いのチャラけた回答もない。そして何より
「立派!」なのは、相手のどんな意見も、「発想の種」と心得て、“そんな
ことあるわけない”と否定することがありません!だから、マップが豊かに
なってゆきます。

「基本的に親とそっくり」

(おっ!面白い「言い方」をしてきたぞ!)

こういう意見を子どもが出したとき、探究教師の腕が問われます。

「イメージマップ」を作成する目的は、子どものイメージ&思考をしっかり
つかみとることです。したがって、教師が子どもの言葉を「整理」したり、
「まとめて」記述したりすることは御法度!そんなことをしてしまっては
「イメージマップ」の価値が台無しです。なるべく子どもの言葉を正確に
記してこそ、子どもたちのリアルなイメージがあらわになるのです。

「“基本的に”親とそっくりなんだね。面白いね。それどういうこと?」

とさらに深ぼりする質問を子どもに返しつつ「マップ」には、「基本的に
親とそっくり」と書きとります。

すると……

「だって、ただ同じじゃなくて、たとえば、一部のパーツだけ似たりする
じゃん」

この意見をきっかけに、遺伝には、「同じ」部分を受け渡すという特徴だけ
でなく、少し「違って」受け渡すという特徴があることに子どもたちの目が
向きます。こうして、発言の連鎖は続き、発展し、1つの視点に固まって
滞ることはありません。子どもたちは大いに盛り上がって、アイデアを出し
続けます。それどころか、初回の学びであるにもかかわらず、遺伝を「運命」
ととらえるべきか、さらには、「変化」こそ「遺伝」の大事な役割なのでは
ないか、という、“自主自律”という探究領域で追究したい本質的な話題が
出てきてしまいました。

子どもたちの持つ「先行知識」をあらわにする素晴らしい「イメージマップ」
ができあがり、子どもたちの学びへの意欲も高まってきました。

続いて、遺伝と進化についての論争的な話題について子どもたちに提示し、
ディスカッションしながら理解を深めつつ、新たな概念づくりに挑戦です。 

RI

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新テーマ開始!

[3・4年生]



今週から新テーマ「食わせ者」が始まりました。 “食糧”ということを題材に授業を考えると内容が非常に広範囲に渡ってきます。
その中で、今回は《いつでもどこでも食べ物を入手し空腹を満たせることは決して当たり前のことではない》という認識を子どもたちが持てるようになることをゴールイメージとしています。

1週目は食糧のリスクについてイメージマップをみんなで作りました。私が「お店に今までと同じように食べ物が並ばなくなる可能性があるとしたらどんな場合が考えられるかな?」と問いかけると、子どもたちから意外なほど沢山の意見が出てきました。
P1220323.JPGP1220321.JPG

「戦争があれば食べ物が食べられなくなるよ。」
「おじいちゃんが小さい頃はいつでも空腹を満たせていたわけじゃないよ。」
「放射能汚染」
「地震が起きたら3.11みたいに品切れになるよ。」
「地球温暖化。」
「人口がこれから増えすぎて食べ物が追いつかなくなるんだってよ。」
「菌がついてお肉が食べれなくなるよ。」などなど。

意見を出してくれた子どもに、なぜそう思うのか?どこで得た情報なのか?を聞きながらそれらの意見についてみんなで考えをシェアしました。

また木曜日の給食の際、まずは自分たちの身の周りを見てみよう!ぼくたちはどれだけの食糧をムダにしてしまっているのか?ということを調べるべく給食の食べ残し調査を行いました。
全校で残した給食は何人分に値するのかという観点と3,4年生については個人で残した量(g)についても測定しました。算数の要素も多分にあるため初回は不慣れなこともあり思った以上に時間がかかりました。
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しかし、やはり百聞は一見にしかず!
実際に食べ残しを給食の器に再度盛り直してみるとかなりのボリュームになりました。それを見て「神様ごめんなさーーーい!」「これをアフリカにあげればいいんじゃない。」と口々につぶやき、子どもたちは少し揺さぶられた様子でした。

来週は給食を作ってくれている救世軍のカフェテリアと百貨店の食料品売り場へ見学に伺い、廃棄処分の現場や工夫について探究してきます!

HY/YI

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「静かなともだち」見つけよう!


[1・2年生]


新テーマ「静かなともだち」が始まりました!


「このテーマでは『静かなともだち』を集めて、よく知って、ともだちになるよ!」
と言うけど、子どもたちは何が『静かなともだち』なのかわからず「?」状態。

「動物?」
「もの?」
「自然?」
「木?」


と、いろいろな予想を立てます。


「葉っぱだよ!」と種明かしをすると、


「葉っぱ集めたことあるよ!」とすぐさま子どもたちから反応が。


「落ち葉を集めて家に持って帰って投げて遊んだことあるよ!」
「葉っぱをテープで貼って、コレクションしたことある!」
「葉っぱと言えば、生け花?……生け葉っぱやってみたい!」
「いろんなかたちがある。」
「まるいかたちとか。」
「葉っぱは生きている。」


など、彼らの中から葉っぱに対するイメージが出てきます。
クラスの窓からも見えるほど、身近な葉っぱだけれど、どんな葉っぱがあるか、どれだけ知っているかなぁ?


ということで、どんな葉っぱがあるか紙に書いてみることに。
「いちょうはオスとメスがあるんだよ。」
「もみじのかたちが上手く描けないよ…。」
「幼稚園で、紫色の葉っぱを見つけた!」
「こんな形もあると思う!」


じゃあ、実際にどんな葉っぱがあるのだろう?
そこで、翌日に葉っぱ集め、その名も“葉んてぃんぐ”をしにいくことにしました!


“葉んてぃんぐ”場所は、もうおなじみ、スクール目の前の蚕糸の森公園。
けれど、スクールを出たすぐそば、なんと庭や近所の建物の花壇から、
「発見!」
「次はこっち!」
と、子どもたちは“葉んてぃんぐ”していきます。


蚕糸の森に入っても、みんなで動き回りながら、
「これ、あじさいじゃない?」
「ハクウンボクって書いてあるよ!」
「んー、なんて読むんだろう?」
「この葉っぱ小さいなぁ。」
「さんごみたいなかたちしてる。」
「どうして、スペードのかたちなんだろう?」
と、次々と発見し40種類ほど採集できました。


「静かなともだち」見つけよう!_01そして、採集した葉っぱは保存するために押し葉にしました。
葉っぱ名や採集地などを記したラベルを作り、葉っぱを新聞紙にはさみます。


「静かなともだち」見つけよう!_02今週は、ODD(アウトドアデイ)があり、高尾山に登りました。
登った「いろはの森コース」では、いろは歌の頭文字が入った48種類の樹木が植えられているとのこと。
この機会を逃す手は無い!
ということで、登山中に48種類の樹木を探して“葉んてぃんぐ”してみました!


来週は、発見した葉っぱたちを見返して名前が分からない葉っぱを調べつつ、またまた“葉んてぃんぐ”に出掛けます!


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