[1・2年生]
自ら表現することで、より深い理解と他者の共感を得るために、今回挑戦した無声劇。
無声劇を作ることは簡単なことではありませんでした。
なぜならば、まず伝えることについての解釈が要となるからです。
しかも、伝えることは既に制約として決められており、「3つの約束(ひとを大切にする・自分を大切にする・ものを大切にする)」という、字面の意味は分かっても解釈するには抽象度の高いもの。
「人をなぐらない」「落としものをしない」というだけでは深い理解とまでは言えないでしょう。
「3つの約束を守ってるのってどんな時?」という話をし続けました。
テーマの時間以外にも「これって守れてるかな?」と考えながら。
そうして、みんなでアイデアを持ち合い、劇のテーマが決まりました。
無声劇を実際につくっていくことは、まさに産みの苦しみでした。
言葉で言えば一言で終わることをノンバーバルで伝えることの難しさ、反対に普段の無意識的な言動(時には人を傷つけることもありそうな)をしていることの意識化を感じたようです。
全員で表現するための協力も求められます。
その時に、鑑賞することで発見した表現の工夫や3つの約束の解釈が活かされたと思います。
「あの工夫を使ってみよう。」
「ひとを大切にするんだったら、ここでどう動けばいいんだろうか。」
産みの苦しみを楽しんでいたのか、スタッフの指摘をバンバン受けて大変なはずなのに何故か子どもたちは生き生きして見えました。
発表会本番前日、ある子が帰りがけに「明日の発表会頑張ろうな」と仲間に言っていたことが印象的です。
伝えたいことを解釈しそれを相手に伝わるように工夫して表現することは、今後も重要となる力。
今回のテーマをきっかけにして、更に伸ばしていって欲しいと思います。
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