6年間の「意思表現」領域における集大成だった本テーマ。
お話を読み込む、あらすじを決める、台詞や状況も含めたシナリオを書く、撮影をイメージして必要なものを用意する、カメラという機材を使いこなす、出演者への交渉や演技指導、限られた環境で工夫して演出する、スケジュール管理などなど……。
映画作りには多くの要素があり、考えるべき・やるべきことがたくさんありました。
予想以上にストーリー作りに時間を要し、少しの時間も惜しむほどに、追い込まれた6週間でした。
「人の心を動かす」作品をつくることは簡単にはいかないと感じていた様子の子どもたち。
それに、個人の作品だとしても、映画作りは一人ではできません。
個人での判断・計画・準備が求められると同時に、仲間と助け合うことが必要となります。
また、不要な音が入ったり、笑って演技ができなかったり、撮影したシーンを間違えて消してしまったり、必要な道具が見つからなかったりとアクシデントも多々ありました。
「これでいいや。」
「もう終わりだ。」
「どうしたらいいかわからないよ。」
と、子どもたちの弱音を何度も聞きました。
けれど、そういいながらも彼らなりに工夫を重ね、悩みながらなんとか作品を完成させることができました。
そして、オリジナリティ溢れる6作品が生まれたのです。
「人の心を動かす」ことはそう簡単にはいかないかもしれません。
しかし、大切なことは人を動かすことに少しでも近づけようとすることなんだと感じさせられたテーマでした。