[4,5年生]
このテーマでは子どもたちに職人になってもらい ”いい仕事とは何か?”一緒に考えながら椅子製作に取り組んできました。ほとんどの子が工作に興味はあるものの椅子を作るのは生まれて初めてでした。それぞれの子に大なり小なり色々な試練の場面がありましたが最後まで一生懸命やりきった結果、全員が無事椅子を完成させることが出来ました。
手伝いが必用な時はお互いに協力し合うという姿勢が一貫して見受けられ、ナイスチームワークを発揮できていました。
もちろん作業が思い通りに行かず壁に当たって悩んだり、涙を流す場面もありましたが、それでも諦めずに前向きにやり抜いたこと、そして日々の作業を振り返りそこから改善点や新たなやり方を考えながらやりきれたことは貴重な学びになったと思います。
このテーマが始まる際に家具職人の『エミケン』さんを訪ね椅子作りのアドバイスや”いい仕事”についてお話を聞いてきました。その話から子どもたちが自分たちの教室に掲げる4つの職人の心得を決め、毎日その心得を唱和してから授業は始まりました。
『一.段取り八割 一.良い加減 一.型から入れ 一.作る時の気持ちが作品に記録される。』
作業中のふとした時に目に入り、いつも気付くと意識している職人の心得。これが子どもたちの中にしっかりと意識されていたこともいつも前向きな姿勢で主体的に仕事に向かうことが出来た一つの支えになっていると思います。
発表会ではみんなやりきった良い表情で製作にかけた思いとこのテーマでの学びを語ってくれました。
『将来職人になるかは分からないけどこれからも色々と作ってみたいと思う。』
『最初はただの木だったのにそれから自分で椅子を作れるなんてすごい!今までノコギリもヤスリもドリルも使ったことなかったけど今は全部使えるようになりました。』
『生まれて初めて椅子を作ったから最初はうまくできるか不安だったけど、こんなに居心地がいい椅子ができた。』
みんな笑顔で嬉しそうに語ってくれました。自分が一生懸命仕事をやりきったからこそ、物作りの楽しさや達成感を感じることが出来たのではないでしょうか。
そして“いい仕事”をする難しさもたくさん感じましたね。このテーマで学んだことはこれから様々なことに取り組んでいく上で活きてくる力になったことでしょう。私もまた子どもたちと一緒に物作りに挑戦したいです。
YI
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。