今回のテーマ発表は
子どもたちひとりひとりが作成した
学びのファイルを用いて
自分たちがどんなことを学んだか
説明するというスタイルで行いました。
テーマ学習は、発見と追究の繰り返しによって深まっていくダイナミックな学びです。
しかし、これまでのテーマ発表会では、ある一点だけを切り取って見せざるを得ず
豊かな学びの過程を再現することができませんでした。
それが、教師、子どもたち双方にとって「フラストレーション」を感じるところでした。
発表は、3つのポイントに分けて行おう!
と子どもたちと取り決めました。
「まず、テーマ学習全体の流れを説明する。
次に、今回のテーマ学習で
もっとも伝えたいことを報告する。
最後に、学習を終えた後、さらに出てきた疑問
もっと知りたいことなどを説明する!」
子どもたちは自分のファイルを活用して、堂々たるプレゼンを行いました。
「高校の地学でやっと勉強したことを学んでいるところがすごいと思ったが
雲や天気のことをテーマとしてやっていたら自然とこのようにつきつめる形となり
それが小学生だろうが高校生だろうが関係ないことがよくわかりました」
「空の様子が実験で検証されていてよかったです」
「低気圧と高気圧、前線、雨の降るしくみなど完全に理解して
説明しているのがよくわかりました」
プレゼンを聞いた保護者の方達からのフィードバックを読むと
彼らの発表の充実ぶりがよくわかります。
じわじわ、じっくり、深く理解しながら追究したことをどう言葉で説明するか
日々、苦労しながら考え続けた意義を子どもたちは実感したことでしょう。
午前中に発表会を終え、午後は、ふりかえりの時間をとりました。
まずは、発表についてふりかえると……
「質疑応答のときに丁寧に説明できたからよかった」
「自分一人ですべて説明できた」
「あわてずに落ち着いて学んだことを説明できた」
なぜこの学びを行い、そこでどんなことが生じ、いったいどんな結末に至ったのか
「過程」を含めてじっくり説明できたところがよかったようです。
次に、ファイルを整理し、学びの進め方をふりかえりました。
改めてファイルに蓄積した学びの記録を取り出して並べます。
イメージマップ、自分でまとめた図、説明のための文章、集めた資料……
それらを見比べると
学びが進歩してゆく過程と、もっとこうしたらよいという改善点が自ずと見えてきます。
「最初、“天気”ってことから“かたつむり”なんて連想しちゃったんだね!」
学びの最初に作成したイメージマップと
学びの途中で理解をチェックするために作成したイメージマップを見比べて
子どもたちは驚きます。
どのように記録し、図解するとよいか
どんな資料を集めるとよいか
ひとつひとつ確認しながら整理してゆきます。
「また、このやり方がいいなあ……」
ある子どものつぶやきを耳にして
先生と子どもたちが一緒になって自らの「作品」を見比べることが
将来、学びの目利きとなる「評価眼」を養うことにつながると確信しました。
「次はこうしよう!」
子どもたちの思いを次のテーマ学習へとつなげてゆく建設的なふりかえりとなりました。
RI