[1・2年生]
泣いても笑ってもあと3日間。前週にできあがったプロトタイプを参考にして、工作用紙で作った直方体の模型に「最後の」設計図を
書き込んでゆきます。
「これ、設計BOXだね!」
ある子がうまいことを言いました。
続いて「設計BOX」に基づいて必要な部品を作ってゆきます。
「三角部品は何個いるかな?」
みんなの設計図に基づいて数えると
「わあー300個以上必要だよ!」
そりゃあ大変だ。でも、ひるむことなく、みんなで手分けして作り始め
ました。おーっ、さすがにみんな手際がよくなっている。ほぼ均等の形・
大きさの三角部品が次々にできあがり、最後に天ぷらの衣をつけるように
木工ボンドをつけて乾かします。
できあがった部品を設計図通りに配置し、各々の橋が完成!
さあ、1kgの重さに耐えられるか実験開始。
まず、500g……これはなんなくクリア!
ところが、1kgとなると、無情にもぐにゃっと曲がり、重りはすべり
落ちます。う〜ん、何がいけないのか……またまたつくり直しです。
「四角がダイヤモンドみたいになっちゃうのがいけないんだよな」
ある子がつぶやきます。以前のように橋が真ん中で「V字」に折れ曲が
ったり、橋の両端がすべってしまったりする不具合はなくなりました。
残る問題は、筒状になっている橋の断面が重さに耐えかねて長方形
から平行四辺形にひしゃげてしまうことだけです。
どうすればそうならないか……
頭をひねります。
このままだと、ひとつも成功する新聞紙ブリッジがないまま発表会に
臨むことになってしまいます。この危機をどう乗り越えるか……
改めてみんなの橋をお互いにながめてみます。それぞれいいところ
があり、足りないところがある。じゃあ、みんなのよいところを
「合わせて」みたらいいんじゃない?ということになりました。
「丸い部品は意味なかった」
「すきまがダメかも」
「三角形を六個組み合わせたこの形いいよね!」
自分の橋の欠点を他の子の長所で補ってゆくと、あらあら……
1kgのせてもびくともしない橋ができあがってしまいました!
なんと1年生三人組の「よいところ」を合わせた橋が、350gの新聞紙
で1kgの重りを載せることに成功しました。2年生たちは、1年生組に
橋自体の重さという点では負けてしまいましたが、最後の最後まで
粘り強く工夫し続け、橋の両側面の間に三角形を組み合わせて作った
筋交いを数カ所入れて補強に成功!
最終的に、3つの新聞紙ブリッジが1kgを支えることができました。
ここまでみんなよくガンバリました。最初にみんなが作った新聞紙
ブリッジは、下の写真のようだったんだから……スゴい進化!深化!
フィールドワークで観察した橋の特徴を生かし、ひたすらなんども
作り直し、ていねいに部品を作り、最後まで工夫し続けた6週間
でした。
あとは思い切ってテーマ発表!みんなの前で実験し、新聞紙ブリッ
ジのお披露目です。
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