[3・4年生]
「『正義』という言葉からイメージすることやものを挙げてみよう!」今回のテーマ学習を通じて目指すべき学習者像、そして達成目標を子どもたちと
共有した後、この問いを発しました。
いったいどんな答えが返ってくるのか、興味津々です。
「仮面ライダー!」
一人の子の発言をきっかけに、次々に意見が出てきます。
「ヒーロー」
「ウルトラマン」
「ワンピース」
「ガンダム スーパー戦隊」
「ALSOK」
「サンデル教授」
・・・
そんな中、「悪が本当の正義なんじゃないかな?」という意見が出てきました。
「なぜそう思うの?」と問いかけると、
「悪がいないと正義が引き立たないでしょ。それに、悪が弱かったら、格好悪い。」
とのこと。
(なるほど、物事を別の視点から見た面白い意見だなあ。)
あっという間に、子ども達の発言で模造紙がいっぱいになります。
今回の学びの中心となるコンセプトについて、現時点で子ども達が持っている
先行知識やイメージが明らかになってきました。
事前に想定したとおり、具体的なヒーローものの作品が先に挙がってくる傾向が
見られます。
イメージマップが完成したところで、子ども達の「正義」に対する固定観念を
揺さぶるため、「正義」の漢字の語源を伝えました。
日本の漢字研究の第一人者であった白石静先生の解釈によると、
「正」は城邑に向かって人が進む形で、攻める、攻めて征服するの意味で、
征のもとの字であり、征服した人々に重圧を加えて税の負担を強制することを
正当とし、正しい道理としたことが語源になっているそうです。
「正義って、立場によって見え方が変わると思わない?」
「確かに!」
達成目標で掲げているとおり、今回の学びの根幹となるのは「正義」の意味を
問い続けること。
自分にとっての「正義」とは何なのか?
今回のテーマ学習には、答えのない問いに対し、悔いのない意思決定をし、
自分らしい人生を歩んでほしいというメッセージが込められていることを
伝えました。
答えのない問いにぶつかった際に、価値観の異なる人と意見を交わし、
問題解決や意思決定をしていくこと、それが議論であり、議論をうまく進めて
いくためには基本的な技術(型)を学ぶ必要があります。
子ども達に、議論を進めていく上でのルールと意見の述べ方の基本型を提示し、
いくつか例題をだし、議論の練習を繰り返しました。
来週からいよいよハンバーグ白熱教室が開講します。
一体どんな議論になるでしょうか。
HY
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。