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問い、発見して、さらに問う

[3・4年生]


問い、発見し、さらに問うというサイクルを繰り返すことが「調べる」こと。
今週は、自分たちが集めてきた資料を活用して、これこそ My Hero の魅力!
と言える部分をまとめてゆきました。

「こんなに本が集まったよ」

それぞれの子どもたちが、本、雑誌や、ウェブサイトからプリントアウトした
資料を、お父さんやお母さんの協力も得て、集めてきました。見せてもらうと
なかなか面白そうな資料ばかり。せっかくこれだけの資料を集めたからには、
それを有効に活用しないともったいない!探究するうえで必須なプロセスで
ある、資料を読み込み、自ら出した問いの答えを発見することに挑戦です。

ほとんどの資料は子ども向けには書かれていません。知らない漢字も、わから
ない言葉も満載です。そんなときは……

「おっちゃん、これなんて読むの?」
「この言葉、どういう意味?」

私に聞けばよいのです。適宜、私を「電子辞書」ならぬ「人間辞書」として
活用しつつ、子どもたちは、黙々と資料を読み進めてゆきます。My Hero に
ついてもっと知りたいという高いモチベーションがあるので、必死に読み解
こうとしています。“習ってないからわからない”という受け身の姿勢とは対極
です。

読めない漢字、わからない言葉についてはどんどんたずねなさい!……しかし!
これを私にたずねたら「バカモノ!」と怒鳴られる「発言」がありました。
それは……

「ねえ、次に何調べればいい?」
「どんなこと問いたいのかわからない」

という2つのコトバです。もし、自分が本気でその人物にほれこんでいるの
なら、知りたいことがどんどんわきあがってくるでしょう。それを調べ、
答えとなるような事柄を見つけたら、そこからさらに知りたいことが派生して
くるはずです。したがって、簡単に「何を問えばいい?」などとたずねること
はあり得ないと子どもたちに伝えました。そう言われると子どもたちは
「なるほど……」
と納得せざるを得ません。

とはいえ、問いを深めてゆくためのコツがあることも事実です。そこで、まず
思いついた「問い」をどう発展させていけばよいかについて子どもたちと一緒
に考えてゆきました。

「いったい何種類の変化球を投げられるのだろう?」

あるプロ野球のビッチャーを My Hero に選んだ子は、最初にそんな問いを抱き
ました。資料を読むと、15種類!と書いてありました。でもここからが「追究」
のスタート。この「答え」からさらに My Hero の魅力に迫る「問い」を生む
ことこそ探究です。しばらく考えた後、おもむろに

「……なんでそんなに多く投げられるようになったんだろう……」

とその子はつぶやきました。

スバラシイ!見事に問いを発展させることができました。

この問いをふまえて、さらに資料を読み込んでゆくと……特に誰かに習ったわけ
ではなく、ボールに指をかけてみて、指を動かし、どう回転させればよいか
イメージすれば、どういう風に変化するかわかるとそのピッチャーが答えている
インタビューを見つけました。やっぱり彼は天才だったということを明らかに
する事実を発掘したのです。

この事実に基づいて問いを深めてゆくようにさらに促すと、変化球の投げ方とは
違って、努力に努力を重ねていることはないのか?という“筋のいい”質問が出て
きました。天才だからすぐになんでもできちゃうというのではなく、天才ゆえに
こだわる努力もあるはず。そこに目を向けたのはとってもイイ!ということで、
さらに調べを進めてゆくと……筋力アップにこだわっていること、そのために
「食」「栄養」にかなり気をつかっていることが明らかになりました。

問いから問いを生み出して、どんどん My Hero の姿をはっきりさせてゆく感覚
が少し子どもたちにわかってきたようです。さあ、早くも3週間が終わり、いよ
いよ次週から「洗練」させてゆくフェイズに突入です。さらに「問い」の質を
上げて、引き続き「追究」です。

RI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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