[5年生] 今テーマも、最終週を迎えました。 取り組む事例は二つ。 『業務上横領』での大きなポイントとなるのが これに取り組んだ女の子の一人が、
発表会で読み上げる判決文を
じっくりと仕上げることに。
『業務上横領』と『殺人』。
どちらを選ぶかの作業は意外とすんなり。
血なまぐさいと感じたのか
女の子たちが『殺人』を回避。
そのおかげか、『横領』に三人『殺人』に二人と
もめることもなく決まりました。
執行猶予を付けるか否か。
通常は付けられることが多い事例。
執行猶予を付けていないので、
「なぜ執行猶予はつかないの?」
と聞いてみる。
「妻の病気や娘の手術費用が必要だったという
動機には同情するけれど、だからといって、
いきなり犯罪に走るのはどうかと思う。
いい大人なんだから、もっといい判断を
できなければいけない。
そのことを肝に銘じてほしいから。」
といった趣旨の説明が返ってきた。
彼女なりの理由が考えられていた。
『殺人』のポイントは殺意の有無。
きっかけは被害者が作ったわけだが、
被告は包丁を持ち出し刺してしまう。
包丁を持ち出したことに殺意は認められるか?
あるいは、刺した回数、刺した箇所で
殺意の有無を判断するのか?
子供たちとの議論の中ではなかなか、
これといった決め手も見つからず。
決断が先へと延びてしまう。
発表では、『業務上横領』事件と
『殺人』事件の席を別々に用意し、
それぞれ順に裁判長さながら、
【主文】、【判決の理由】、【量刑の根拠】
と読み上げ、その後に各自で
質問を受けるという流れ。
以前このテーマをやった6年生からの
質問に苦戦する子も。
特に、『殺人』を担当した子は、
殺意有りと判断した根拠の甘さを
追及され、長考するはめに。
一旦決断し、公表したけれど、
さらに熟考を加え、より良いものに
しようとする姿勢が見られた。
このテーマ学習の終盤、一人の子が
「自分の納得できる判断が、いつもできないとだめだよな。」
といった言葉をもらしました。
日頃から、正しい判断を心がけなければ
という意識は芽生えたようです。
判決文作りに、まだ試行錯誤できたはずだ
という気もしますが、
大事なことは、今後も各自が
『正しい判断』への意識を
ずっと持ち続けること。
今回のテーマの終わりが
子供たちにとってスタートに
なればと思います。
TY
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