[5年生]
今週からは、スクール内にて集中的に授業。
「裁判官として本格的な判決文を書く!」
子供たちに今テーマでの使命を
確認のためにもう一度伝えました。
「人を裁くなんていう大変な仕事はやりたくない。」
「こんなこと、報酬が多くなきゃできないよ。」
などの意見が飛び交う。
『決して生半可な気持ちでは
裁判で判決を下すなんてできない。』
と理解している発言に聞こえました。
提示した事件は二つ。
『業務上横領』と『殺人』。
まず、両方の資料にみんなで目を通すことに。
どちらも、量刑を判断する事例だと、
みんな理解できたようです。
どちらを選ぶかを各自検討し始める。
一人、二人と取り上げる事件が決まる。
決まったものの、書式が分からず困った様子。
そこで、書き出しとなる『主文』とそれに続く『理由』
の書き方の基本的なことをこちらから指導。
弁護士さんに依頼してある、『判決書』の見本が
届き次第、配布すると約束してこの日は終了。
翌日はまず、量刑を考えるポイントを出し合い、
ホワイトボードにまとめてみることに。
「横領の額が多額なのは被告人に不利。」
「隠蔽工作がないのは被告人に有利。」
などといくつかのポイントが挙がる。
どうも、子供たちはみんな
検察官と弁護人の主張が、どんな意味を持つのかを
すっかりつかんでしまっているようだ。
各自が自分の作業に集中している時に、
一人の男の子が、『殺人』事件について
「これは殺人で起訴されてるんだよね?
もし殺人と判断されなければ無罪になるの?」
との疑問を投げかけてきた。
「いい質問だ。どう思う?」
と問い返す。
「起訴された罪に当たらなければ無罪も考えられるかな?」
の返事。
これを聞いていた隣の女の子が、
「人が死んでるのだから、無罪はおかしいと思う。」
とすかさず発言し、しばし議論が続く。
最終的に
「そうか、一段軽い罪に問われるんだな。
だったら、傷害致死ということか。」
で一件落着。
何人かの子供たちは、中々手が進まないようです。
一人の人間の人生を左右する重大な事柄だけに、
慎重にならざるを得ないかもしれません。
さて、子供たちは、残された時間で、
どれだけ正しい判断に迫れるのか、
問われることになります。
TY
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