[5年生]
先週、弁護士さんを訪ね
『罪と刑罰は法律に定められている。』
ことを教えてもらいました。
そして、それぞれの刑罰には幅があることも
知りました。
『現住建造物等放火罪』を例にとれば、
最も軽いものは懲役5年、最も重いものは
死刑となっているのです。
同じ罪状でも、実際には判決に軽重の違いが生じます。
それは、採用される判断材料がそれぞれ異なるからです。
言い換えれば、量刑と採用される判断材料の間には
密接な関係があるということ。
子どもたちが弁護士さんから、
最初に与えられた課題は、
この点を考えるためのものでした。
「前科があると刑が重くなると思う。」
「死傷者が出なかったので重くはならないのでは。」
といった発言が子どもから出ていたので、
どうやら、最初のステップはクリアーできたようです。
後は、量刑を左右する材料には
どんな事があるのかを探ることになります。
今週はまた、事件発生から判決までの
全体の流れを一度整理してみました。
子どもたちが気づき始めていた
警察と検察との役割の違いについて、
事件の送致までが警察の仕事、
起訴(公訴提起)からは検察
とはっきりと区別ができるようになりました。
実は、今回の訪問で弁護士さんから
二つ目の課題をいただきました。
初回は、量刑の判断についてでした。
これは、被告が罪を認めているケース。
検察はできるだけ厳しい処罰を。
被告と弁護人は可能な限り軽い刑を。
両者が争うのは、刑罰の軽重ということになる。
それに対し今回は、『被告が罪を犯したか否か』
を判断するという課題が与えられました。
渡された資料の、一つ一つの文を
みんなで一緒に何度も読んでみました。
そして、事実と事実でなさそうなことを
分ける作業もみんなで進めてみました。
授業で行ったのはそこまで。
目撃者の証言の信憑性や、
示された条件の整合性などは
各自一人一人で考え、
判断することとなる。
年明け早々に、再び弁護士さんを訪ねます。
有罪であれば、量刑の判断も必要。
それぞれの子どもたちが、
どのような判決を下したのか、その根拠は?
そして、それに対し、弁護士さんがどのような評価を
してくれるのか楽しみです。
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