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ミッションを定めることへの挑戦

[6年生]

テーマ学習「個の尊厳」が終わり、テーマ学習の時間帯をエキシビションのために
使えるようになりました。とはいえ、約1ヶ月半前からエキシビションという時間を
週1時間とって、何をするか?どう取り組むか話し合ってきたのですが、結局、まと
まらないまま、時だけが過ぎてしまいました。

エキシビションとは、子どもたちがこれまで学んできた内容、方法を総動員して、
興味・関心のあることを追究し、その成果を様々なメディアを活用して発表すると
いうものです。子どもたちが「自律的」に学ぶ力をどれだけ育んできたかを「評価」
するといってもいいでしょう。したがって、教師の役目は、子どもたちの追究のペース
メーカーとなり応援するだけで、いわゆる「指導」は一切しません。見守り、激励し、
応援することが大人の役目です。

これまでは「ミッション」は与えられるものでした。今回は、自ら「ミッション」を決める
ところからのスタートです。発表は卒業式の直前。どんな結果になるのか……と
ドキドキなのは、子どもたち以上に、これまで彼らの学びに付き添ってきた私の方
です。

もし、しょぼいものになってしまったら……なんだ6年間テーマ学習をやったのに
この程度かと思われてしまうんでは……そうならないように介入しようか……

妙な「下心」を持ってはなりません。リソースを探したり、現人との出会いを助けたり
というような「リサーチ」するうえでの下働きや、プランを立ててしっかり学びを進めて
いるか確認するといった最低限のサポートに専念する!まさに「かわいい子には
旅をさせよ」です。

TCSのテーマ学習は、ミッション提示型の探究学習です。そこで出てくる疑念は、
所詮、与えられた課題にしか対処できないのではないか?つまり、自らミッション
を見出すことはできないのではないかということです。この「疑念」を晴らすには、
子どもたちが、これまでの学びの蓄積を通じて

やらされるのではなく自ら学ぶ姿勢

を見せるしかありません。

「おれ、電気自動車がいいなあ……」
「私は洋服のデザインをしたい」
「ぼくは、ロストエナジーのテーマ学習みたいなものをしたいなあ」

まず、なんとなく興味・関心があるものを挙げます。ただ、すぐに飛びつこうとは
しません。「これでいいのかな?」と躊躇しました。これまでテーマ学習で取り上げ
られてきた「ミッション」は、社会的に意義があり、自分の人生に深くつながり、
単なる調べ学習で終わらないものでした。はたして自分たちが選んだ課題は、
これらの基準を満たすかどうか……それがなんとなくひっかかったようです。
ただ面白そう!楽しそう!というふうに流れず、冷静に選んだ課題を眺めようと
する「メタ」な態度が育ちつつあるなあと感心しました。

とはいえ、逆に、どんなミッションを選ぶべきか悩みは深まるばかり……いまだ
「テーマ」は決まらず……はたして発表に間に合うのか?教師の「胃」が早くも
キュンとなり始めました。

RI

TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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