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仮説を立て,検証をしていく

[4年生]

原理が分かったところで前回宿題を出しました。
さて、
「おもりの重さ×支点からの距離」(力のモーメント)が、
つりあうことという原理を使って、問題が解けたでしょうか?
「一応答えが出たけど・・・」

ひとつひとつ原理を確認しながら、確かめていきました。
途中から
「こことここの重さが一緒になるからつりあって・・・」

力を表す単位は、重量でかかる重さと同じ力で「g重」「kg重」と表すことも学びました。
そこで、てこを利用してどのくらいの力が大きくなるのかを計算してみました。

てこでは、力点で力を加えた分と同じ力が作用点で働いていきます。

「バールだと支点との距離が・・・」
力のモーメントを計算してみると、
その何倍もの力を生んでいくメカニズムに子どもたちは驚いていました。

「では、他の道具では力というのはどうなっていくのか?」
ということで、ピンセットがどのようなメカニズムで力が伝わっているのかを考えてみると
「支点からの距離が遠いから力が小さくなっている」
「小さな力から大きな力だけではないんだ!」
「なんでだろ?」
そこから新たな疑問が生まれてきました。

「分かった。砂糖の入れ物と一緒じゃないの?」
「あっ、本当だ」
「力は小さいけど、動きが大きくなるんだ」

そのメカニズムから、道具の特徴ということに気づいていきました。
その道具の用途に関係しているようで、そんな視点を持ちみることができるきっかけとなったのではと感じました。


次に他のメカニズムについてはどうなっているのかを見ていかなければなりません。
科学技術館のことを思い出して、次の検証にうつっていきました。

バットで太い方と細い方をお互いに持って、
「これは科学技術館のギアずもうと一緒じゃない?」
「これは太い方が勝つよ」
「太い方が力が強くなるはずだ!」

「あれ?あまり変わらないな」
実際にやってみると力は変わらないようで、子どもたちの中で?が頭の中をかけめぐります。

「滑りやすいからじゃない?」
片方のグリップには、滑り止めがないのでそれが原因では?という仮説を立てました。
ということで、検証です。

グリップにゴムを巻いてみると、
「やっぱり、太い方が力が大きくなる」

そのメカニズムはどうなっているのかも、力のモーメントで考えていきました。
いわゆる輪軸というもので、輪切りにして考えると、てこと原理は一緒でつながっています。
ここでも自分たちの発見した「力と距離の関係」が原理となっていました。


輪軸も身の回りにはいろいろと実は溢れています。
「ドライバー」
「自転車のギアもそうじゃない?」
「見てみようよ」
実際に自転車を見て検証しました。

「こぐのが軽くなるのは大きいときだ」
「逆に小さくすると重くなる」


他にも、小さい力を大きくする仕組みはまだまだあります。
次は滑車について、
『問題に対して、どうなるのかを予想し仮説を立てます。そして、他の人がどう考えるかを聞き議論し、確かめるために実験し、結果をまとめ分析し、そこから原理を考察していく』
今回のコアなテーマ学習の流れに沿って考えていきました。

「滑車によってかかる力は変わっていくのだろうか?」
という問題に対して、
「変わるよ」「変わらない」
という両方の意見がありました。
「変わる」という意見は、「方向を変えるだけ」という仮説を立てていました。
「変わらない」という意見は、科学技術館で車を持ち上げることに使われてと反論していました。


そこで実験をして検証です。
実際に同じペットボトルの重さでつりあうかをみてみると、
「つりあった!」
そのことから考えると原理が見えてきました。

PT350114.jpgPT350115.jpg

PT350116.jpg

しかし、滑車におもりを吊り下げて、片方の端をひもをくくりつけてみるとどうなるのか?
先ほどの滑車を使ったメカニズムと違います。

「何かが変わりそうだけど・・・」と言う仮説が立つも分からないということで実験です。
実際にやってみると重さがつりあいませんでした。
滑車に下がっている力のほうが重いので、
そこからどのくらい力をかけるのを軽くするとつりあうのかを検証。
仮説としては「半分」ということを考え、量ってみました。
知識として知っているというところもあったようでつりあうと思っていたら、
つりあわず思い通りになりません。

「ひもが悪いのかな?」
「なぜなんだろう?」
その原因を考え出し、今回は結局答えの出ないまま次回に持ち越しとなりました。

実際には、滑車の重さがあったり、ひものまさつがあったりと、いくら頭でっかちになっても実験してみないと分からないことが出てくるといった
そのおもしろさを感じられました。

果たして、来週はどのような結果が出てくるでしょうか?



TK


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