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終わりが始まり

最初に出した英文を改訂し、訴える力を増した文章が完成しました。
これを、テーマ発表会で「披露」し、聴衆からフィードバックをもらい、さらに
改善して「録画」に臨むことにしています。

相手の心に訴えるには「内容」だけでなく、どう「演じる」かがとても大事だ
ということは、前回のビデオレター撮影で気づいていたポイントでした。
そこで子どもたちはどう演じてこの英文を発表するか考えました。

「最初と最後は全員一緒に読んだ方がいいよね」
「最後の文を読むときには、なんか身振り入れた方がいいよ」
「じゃあ、the better のときは手を下げて広げて、We can change the
world ! って最後に決めるときは上に思いっきり手を広げよう」

最初に印象づけるセリフと最後の決めゼリフは、みんなで言う。その他の
部分は、分担する。ただそれだけでなく、声の大きさや調子、演じ方を
工夫して読まないとダメだ……

英語を暗記できていればよいという気持ちではなく、メッセージを効果的
に伝えたい!という強い思いを子どもたちは共有しています。最初の並び
方はどうするか、どんな視線だと聴衆の心により届きやすいか……一つ
一つの動作も気になり、意見をぶつけ合います。話し合っているだけでは
埒があかないときは、とにかくやってみて、その結果を見て判断しました。

知恵を出し合い、試行錯誤しながら、演じ方を固めてゆく子どもたちの姿を
見て、子どもたちが主体的に取り組む活動になっていることがよくわかり
ました。

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英文を手紙として書いたり、ビデオレターの撮影のために覚えたり、
繰り返し触れざるを得なかったおかげで、言い換えれば、ここまでさんざん
苦労してきたおかげで、英語はほぼ頭に入っていました。このため、発表
スタイルを固めた後のリハーサルはすんなり終わりました。

ただ、今回は、いつものテーマ学習以上に、発表会が済めば“終わり”
ではありません。

「切手が送られてきたらワールドマップに貼る」
「それは当然だね……」
「もし来ない場合は、別の手紙を書いたり、別の場所に送ったりしなきゃ
ならないよね」

放課後などの空き時間を利用して活動を続けてゆくには何をすべきか…

「JOCSも訪問しようよ」

ネットで得た資料だけで理解するのではなく、直接、JOCSの事務所に
出向いて、活動の趣旨や内容をインタビューし、さらに自分たちがやろうと
していることに対する意見をもらうことにしました。

「お礼の手紙というか、返事を出して友達になりたいな」

1回やりとりして終わりではなく、つながりを深めたいという意見も出ました。
いずれにせよ、動き出した以上、もう後戻りはできません。TCS開校以来
最大のビッグプロジェクトといっても過言ではない活動をどう責任感を持って
維持してゆくかが問われます。

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テーマ発表では、今回の学びの目的、学びの流れ、英文ビデオレターの
実演、今後続けたいことについて、わかりやすく、しっかり説明できました。
特に、英文ビデオレターについては、臆することなく、思いっきり訴えよう
という気持ちが全面に出ていて、聴衆から好意的なフィードバックを得て
いました。

しかし……まだ、「つながることができるかも」という“妄想”に過ぎず、
「つながることができる!」と“実証”していません。達成感もありながら、
それ以上に、今後に向けての期待と緊張感を子どもたちが強く抱いている
ことをテーマ発表後のふりかえりでわかりました。

「ぼくたちが卒業した後も後輩達に続けてもらわないとな……」

まず、つながる実感を得ること。そして、つながり続けるということ。
その先に、最初は想像することするらできなかった「チェンジ」があるに
違いない……

終わりではなく、いよいよここから、「つながる」ための本当の努力の始まり
です。

RI

TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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