[5・6年生]
「いかに速く走るか」「いかに遠くまで投げるか」を実現するためには、どんな調査ポイントがあるだろう。自分達が走ったり投げたりしているビデオ映像
を客観的に見たり、これまでに人から聞いたり、本で知った情報を元に、思い
つくままにたくさんの調査ポイントを洗い出す子ども達。
先週の大半は主にこの作業に時間を費やしました。
さて、週が明けて、一つの課題が頭をもたげてきます。
それは「どの種目を調査するか」ということが厳密にはまだ決まっていなかっ
たからです。
「走る」「投げる」はあくまで候補の一つに過ぎません。
限られた時間の中で追究をどう進めていくのか。
調査対象の種目を決めることは、追究計画を考える上で最も重要な要素の一つ
です。どの種目に取り組むかを子ども達と一緒に検討することにしました。
「50m走とソフトボール投げ以外に取り組んでみたい種目はある?」
この問いかけに、6年生の女の子から当初想定していなかった意見が返ってき
ました。
「私、走り幅跳びに興味があるんだよね。」
走り幅跳びは単に「走る」と「跳ぶ」の要素の組み合わせではなく、スピード
をいかにジャンプの力に反映するための「踏切り」も非常に重要なポイントと
なります。奥が深く、探究しがいのあるテーマだなと感じました。
他の子ども達にも自分が一番取り組んでみたい種目を聞いてみたのですが、意
見が分かれます。
(困ったな。このままでは時間ばかりが過ぎていくぞ。。。)
「やりたいのなら、どうすれば全部できるかを考えてみれば?」
その時、たまたま授業を見学されていたKAZUさんの一言が、スタッフも含めそ
の場にいたみなの視点に変化を与えてくれます。
確かに、頭で考えてばかりで立ち止まっていても、実際に身体を動かしてみな
いことには何も気付きを得ることはできません。
前回の「投げる」とは異なる種目にも挑戦してみたいという思いを子ども達も
持っており、運動の中で最も基本となる「走」をまずは追究しようということ
になりました。
無事調査対象の種目を決めた我々が次に取り組まないといけないのは、速く走
るためのコツを仕組みで理解することです。
スクールの本棚で見つけた「スポーツ動作と身体のしくみ」という本が参考に
なりそうだったので、子ども達とともに本の目次を手掛かりに、今回の追究に
関係のありそうな箇所を抜き出すことにしました。
各自、自身の担当分のページの内容をまとめてくることをホームワークにし、
翌日の発表を迎えることに。
ただ、ここでもまた問題が発生します。
今回、調べた内容は
「運動連鎖を引き出すコツ」
「運動神経がある、ないとはどういうことか」
など、知的好奇心をくすぐるものも多かったのですが、では、いざ具体的に走
りにどう取り入れたらよいのかと考えるといまいちピンとこない内容も多く。
あと、そもそも調査ポイントが多すぎて、「走る」を効率的に改善するために、
どこに的を絞ればよいのか検討がつかず。
(はて、困ったな。。)
先の見通しがはっきり立たず、モヤモヤした気持ちを抱きながら、3週目を迎
えることになりました。
YI/HY
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。