今週は、最後の「詩人の旅」に出かけました。
「人の温かさに触れる」ため、大田区のまち工場を見学。
電車・バスを乗り継ぎ、京浜島にある橋本鋳造所という鋳物の工場を訪ねました。
ここは、以前にテーマ「詩人の旅」をした先輩たちも訪れた場所です。
最初は、工場の方から「鋳物とは何か」を説明していただきました。
砂でつくった型に溶かした鉄を流し込み、冷まし固めた後、型を崩して鉄を取り出し製品をつくる鋳物。
普段、自分達の目にすることのない機械の部品などに使われているそうです。
説明を聞いて、「鋳物」という言葉も聞いたことがない子どもたちも、
いかなる形でも自在につくることができるという鋳物の特徴に気づいたようでした。
その後、子どもには大きいヘルメットをかぶり、いざ工場を見学!
工場内は、型をつくるための材料の独特な臭いが充満して、
「くさーい。」
と鼻をおさえたりつまんだりする子ども達。
鋳物をつくるための機械、材料の砂や鉄、型(小さなものから大きなものまで)や実際にできた鋳物などいろいろなものを見せてもらいました。
こんな大きな釜に溶かした鉄を流しいれます。鉄の温度はなんと1400度。
鉄が、注がれる瞬間。
線香花火を何百倍も大きくしたかのような火花が飛び散り、
間近で見ていた子どもたちは怖がりながらも、
その初めて見る景色に目は釘付けになっていました。
鉄が入った釜を移動し、型に流し込みます。
これは、鋳物の骨組みをつくっているところだそうです。
鉄を冷やすために砂がかけられますが、その砂の下からは湯気がもくもくと立っています。
他に子どもたちの印象に残ったのはそこで働く工場の方々です。
溶けた鉄のすぐ傍で、数百キロあるだろう鉄を操り、働く男たちを見て
「命がけだ。」と言っていました。
温かく迎えてくださった橋本鋳造所の皆さま、ありがとうございました!
旅から戻り、感じたことを詩に表します。
鉄が注がれる時に発した火花を見たときの驚きを表現した詩です。
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火ばな
火ばながズボンまでついた
火ばながちょっとついたからだいじょうぶかなと思った
ぱちょぱちちちちちちちち火ばな
そうぞうい上におどろくことがあるよ
(中略)
火ばながおちていると中にかじになると思ったよ
つくしゅんかんは こんなに遠くまで火ばながとぶかとは思わなかった
ほんとうにビックリしたよ
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今まで4つの旅をしてきて、たくさんの詩を書き溜めることができました。
でも、「書いたら終わり」ではありません。
自分の感動を表わすのに他の表現はないか、
相手により鮮明にイメージを伝えることができる詩になっているかを幾度となく考え、
推敲する段階に来週から入ります。
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