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遺伝子はどうやってコピーされる?

DVD「遺伝子」を視聴した後、塩基の配列を真似た「暗号」を解読する
ゲームをやって、すっかりDNAに魅せられた子どもたち。次なる探究は
DNAを実際に自分たちの「手」で取り出して、「目」で見てみることです。

「そんなことできるの?」

それが意外にも、家庭にある器具と洗剤、アルコールを用意すれば
簡単にDNAを取り出せるのです。素材としてニワトリのレバーを使い
ました(肝臓は細胞の数が多く、DNAを多く取り出せるそうです)。

遺伝子はどうやってコピーされる?_01  遺伝子はどうやってコピーされる?_02

「このどろどろしたやつがDNA?」

ちりも積もれば山となる……髪の毛の4万分の1の細さのDNAでも
多くの細胞から取り出せばはっきりと目に見える塊となるのです。
このドロドロの綿のようなものは、たった4つの塩基がひたすら並ん
だものだ……そこに「遺伝情報」があるなんて……
子どもたちはとても不思議な感じになったようです。

遺伝子はどうやってコピーされる?_03

「DNAにある遺伝情報をどうやってコピーするのか、その仕組みを
知りたい……」

子どもたちは、DNAを目の当たりにして、先週からの「追究課題」に対する
「関心」が一層強まりました。まず、DNAの塩基の並びがすべて遺伝子
なのか?という点について調べてみると、たった2%だけが遺伝情報、
つまり「タンパク質の作り方」を表していて、残りの98%は、まだどんな
働きをするのか解明されていないことがわかりました。

「遺伝子」=「DNA」ではなく、「DNA」の中のほんの一部の、タンパク質の
作り方を示す塩基配列の部分が「遺伝子」なのだ

ということがはっきりしました。

「ということは、遺伝子の部分を見つけるのが大変だね!」

ここで子どもたちは先週、暗号解読をしたときに、どこが「意味ある情報」
の部分か探すのに苦労したことを思い出しました。すべての細胞に同じ
DNAがありながら、肝臓では肝臓の細胞となるタンパク質、心臓では心臓
皮膚では皮膚の細胞となるタンパク質が作られています。

「肝臓が心臓になったら大変だ……」

ふざけて言いながらも、もし、コピーする部分を間違えれば、そうなること
があり得ることを理解し、子どもたちは妙な心持がしたようです。どの部分
を写しとればよいか発見し、命令するタンパク質の働きがあり、見つけた
部分を写し取るために働く「酵素」というタンパク質があること。写しとられた
コピーをRNAと呼び、それが核から外に飛び出し、細胞内にあるリボゾーム
という器官にたどりつき、翻訳される。その結果、タンパク質の素材となる
アミノ酸が1つずつ集められ、つなげられ、ついに必要なタンパク質が完成
する……そんな流れを図と言葉でまとめてゆきました。

細胞という「工場」で私たちの生命を維持するためにやむことなくDNAの
一部がコピーされ、タンパク質が作られていく「流れ」が「イメージ」として
強烈に心に焼きついたところで今週の学びは終わりました。


RI



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