いよいよテーマ学習後半になりました。ここまで調べたこと、現地に出向き
現物に触れ、現人に出会ったことをふまえ、みんなを巻き込む提言づくりの
開始です。
「どうしたら人に訴えかける主張ができるかな?」
探究領域が「共存共生」である以上、こんな事実がある!と示すだけでなく
なるほど……と多くの人の共感を得るような主張の仕方をしなければなりません。
そこで、まず「伝えたいメッセージ」を端的に文章化することから始めました。
「エネルギー効率を高めると豊かな暮らしがみんなでできる」
発電や発動の仕組みについて学んできたのも、エネルギー効率を上げて
使えるエネルギー量を増やすことなしにエネルギー問題は解決しないと考えた
からです。エネルギー生産量を増やせば、それだけ享受できる人々の数を増やす
ことができます。そうすれば一部の人々だけでなく多くの人々が豊かな暮らしを
送れるようになります。その思いを「豊かな暮らしがみんなでできる」という言葉で
表しました。
「さあ、このメッセージを伝えるシナリオを作ろう!」
次は、訴える内容を決めて、どのような順番で伝えるかです。今回の発表は
テレビ番組風に行おうと子どもたちは考えています。そこで、どんなシーンを
組み合わせてゆくか、子どもディレクター達の会議が始まりました。
「やっぱり電気がないと生活できないじゃん」
豊かな暮らしを支えている「エネルギー源」として「電気エネルギー」が中心的な
役割を果たしていることを子どもたちは痛感しています。照明にも、冷暖房にも
家電製品にも、電車、電気自動車、エレベーターなど移動手段にも、とにかく電気が
使われています。
「まずは、私たちがどれだけ電気を利用しているかを示すことだよね」
ある子どもが口火を切り、私たちの日常生活がどれだけ電気に支えられているかを
訴えかけることからスタートしたらよいという意見がまとまりました。
「じゃあ、次はどうやったら電気を使わないで済むかっていうことかな……」
一人の子のつぶやきに、別の子が
「でも、使わないっていうことよりも、どうやったら使える量を増やせるかということ
の方が大事じゃない?」
と反論します。
「効率を高めるためにどうするか」をここまでずっと考えてきたことが、この鋭い指摘に
つながったのでしょう。使えるエネルギー量を増やす、つまり作ったエネルギーを
無駄なく使う技術や仕組みを考えずに、節約することを主張するだけでは自分たちの
メッセージはうまく伝わらないだろうというのです。
「こまめに電気を消しましょうだけじゃだめだよね」
家庭でできる「節電」の積み重ねが重要だ!ということを子どもたちが軽く考えている
わけではありません。ただ、それを訴えるだけでエネルギー問題は根本的に解決しない
だろうと子どもたちは気づき始めたのです。二酸化炭素の排出量を減らすために「電気
自動車」を導入したら、さらに「電気」が必要になり、そのために化石燃料を大量に消費し
汚染物質を排出するようでは本末転倒です。
電気がどれだけ便利なエネルギー源で、さまざまな用途で使われていて、そのためには
どれだけの電力が必要で、その電力を効率的に作るにはどんな工夫が必要かを考える
そのうえで、作り出した電力をいかに効率よく使うか、技術面だけでなく、その技術が
普及する仕組みも考え、実行可能な提案をまとめる
子どもたちは、3日間の会議を通じて、活発に意見を出し合っていたのが印象的でした。
エネルギー問題について「提言」することを「授業」のための「課題」ではなく、自分そして
みんなに関わることとして主体的に考える必要がある!という使命感を持って取り組んで
いるのを見て、なんと頼もしい子どもたちだろうと思わずにはいられません。
さあ、次週は、この流れに従って、発表のディテールを固めてゆく作業です。
RI
現物に触れ、現人に出会ったことをふまえ、みんなを巻き込む提言づくりの
開始です。
「どうしたら人に訴えかける主張ができるかな?」
探究領域が「共存共生」である以上、こんな事実がある!と示すだけでなく
なるほど……と多くの人の共感を得るような主張の仕方をしなければなりません。
そこで、まず「伝えたいメッセージ」を端的に文章化することから始めました。
「エネルギー効率を高めると豊かな暮らしがみんなでできる」
発電や発動の仕組みについて学んできたのも、エネルギー効率を上げて
使えるエネルギー量を増やすことなしにエネルギー問題は解決しないと考えた
からです。エネルギー生産量を増やせば、それだけ享受できる人々の数を増やす
ことができます。そうすれば一部の人々だけでなく多くの人々が豊かな暮らしを
送れるようになります。その思いを「豊かな暮らしがみんなでできる」という言葉で
表しました。
「さあ、このメッセージを伝えるシナリオを作ろう!」
次は、訴える内容を決めて、どのような順番で伝えるかです。今回の発表は
テレビ番組風に行おうと子どもたちは考えています。そこで、どんなシーンを
組み合わせてゆくか、子どもディレクター達の会議が始まりました。
「やっぱり電気がないと生活できないじゃん」
豊かな暮らしを支えている「エネルギー源」として「電気エネルギー」が中心的な
役割を果たしていることを子どもたちは痛感しています。照明にも、冷暖房にも
家電製品にも、電車、電気自動車、エレベーターなど移動手段にも、とにかく電気が
使われています。
「まずは、私たちがどれだけ電気を利用しているかを示すことだよね」
ある子どもが口火を切り、私たちの日常生活がどれだけ電気に支えられているかを
訴えかけることからスタートしたらよいという意見がまとまりました。
「じゃあ、次はどうやったら電気を使わないで済むかっていうことかな……」
一人の子のつぶやきに、別の子が
「でも、使わないっていうことよりも、どうやったら使える量を増やせるかということ
の方が大事じゃない?」
と反論します。
「効率を高めるためにどうするか」をここまでずっと考えてきたことが、この鋭い指摘に
つながったのでしょう。使えるエネルギー量を増やす、つまり作ったエネルギーを
無駄なく使う技術や仕組みを考えずに、節約することを主張するだけでは自分たちの
メッセージはうまく伝わらないだろうというのです。
「こまめに電気を消しましょうだけじゃだめだよね」
家庭でできる「節電」の積み重ねが重要だ!ということを子どもたちが軽く考えている
わけではありません。ただ、それを訴えるだけでエネルギー問題は根本的に解決しない
だろうと子どもたちは気づき始めたのです。二酸化炭素の排出量を減らすために「電気
自動車」を導入したら、さらに「電気」が必要になり、そのために化石燃料を大量に消費し
汚染物質を排出するようでは本末転倒です。
電気がどれだけ便利なエネルギー源で、さまざまな用途で使われていて、そのためには
どれだけの電力が必要で、その電力を効率的に作るにはどんな工夫が必要かを考える
そのうえで、作り出した電力をいかに効率よく使うか、技術面だけでなく、その技術が
普及する仕組みも考え、実行可能な提案をまとめる
子どもたちは、3日間の会議を通じて、活発に意見を出し合っていたのが印象的でした。
エネルギー問題について「提言」することを「授業」のための「課題」ではなく、自分そして
みんなに関わることとして主体的に考える必要がある!という使命感を持って取り組んで
いるのを見て、なんと頼もしい子どもたちだろうと思わずにはいられません。
さあ、次週は、この流れに従って、発表のディテールを固めてゆく作業です。
RI