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天気はなぜ変わるの?

[6年生]

テーマ第2週目。
今週からは天気が変化する仕組みについて学んでいきます。
まずは天気に影響を与えそうな要因について、事前に作成した資料を
子ども達に渡し、一緒に読み解いていくことにしました。
探究領域「万象究理」のテーマ学習では、自然科学の正確な知識を
習得することが重要になってきます。
それは、あいまいな知識をもとにいくら予測を続けても、当て勘の
レベルを超えられないからです。

ただ知識を得ることは決してテーマ学習のゴールではありません。
知識をきちんと理解したうえで、その知識を材料に自分オリジナルの
考えを構築していくことが求められるのです。

資料を通じて、風・雲・湿度・気圧・気温が天気に影響を与えることが
わかりはじめました。

「空気中には水蒸気が含まれていて、冷えることでそれが目に見える
ようになり、雲になるんだ。冷えたコップの周りに水滴がつくのも
原理としては同じことなんだよ。」

「へぇ、そうなんだ!」

身の回りにある自然の法則を地道に解明していく作業が続きます。
始まる前はお勉強チックな内容なので退屈するかなと思っていたのですが、
この6年生には心配は無用だったようです。

さて、頭の中に知識を詰め込んでも、本当の意味で理解したとはいえません。
そのためには知識と実体験を結びつける作業が必要になってきます。
そこで、天気の変化に関わる原理を確かめるため、まずは雲をつくる
実験をおこなうことにしました。

子ども達には、材料(ペットボトル、霧吹き、保存用ポンプ、線香)だけを
与えて、早速実験に取りかからせます。

「えーーー、実験の手順を教えてくれないの?」

予想通り、不満の声があがります。

実験の手順を教えて、それに忠実に作業を行えば、結果を簡単に
再現することができるでしょう。
でも大切なことは、自ら学ぼうとする姿勢を育むことなのです。

「雲をつくるためには空気を冷やさないといけないのはわかってるんだよねー。」
「このポンプを押すとペットボトルの中に空気が入れられそうだよ!
けど、それだけでは温度は下がらないもんなぁ。。」
「あと、この線香は何に使うんだろう?」

目の前にある材料をどう使えばよいか考え悩みます。
思考錯誤の結果、霧吹きでペットボトルの中の水分量を増やし、
保存用ポンプで空気を送り込むことにしました
パンパンに膨らんだペットボトルを抱え、ポンプのふたを開けると・・・

「あれ、今少し白いものが見えなかった?」

偶然にも霧状態にすることに成功しました!

20120416wk_2.jpg 20120416wk_1.jpg

けど、子ども達は少し不満げな様子。

「うーん、まだ仕組みがよくわかんないんだよね。。」

個別の知識はあるものの、それを繋げて考えることができていないことが
わかります。

ここで少しレクチャーを行うことに。
ペットボトルの中の押し込められていた空気が急激に抜け出すことで
一気に温度が下がったのは、圧縮していた空気を無理やり広げることで
断熱膨張の状態を生み出していたことを知り、

「そっかー。断熱膨張ってこういうことだったんだ!!!」

と驚きと嬉しさが混じった声が。

身の回りにある自然の法則を少しずつ解明していくことに楽しさを
感じつつ、更に別の実験にチャレンジしていきます。

HY

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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