[6年生]
最後の週。
週末の発表会までには、何が何でも完成していないといけません。
子どもたち三人、それぞれの追い込みが始まりました。
そして、テーマ発表会での上映を迎えました。
「自分のことを忘れていて欲しくない。」
というメッセージのもと、
自分という存在をアピールするために、オリジナル漫画を制作するところを映像化したK君。
映像を撮ることより、漫画を描くことのほうが大変だったのではないでしょうか……
サーモンにドリルがついた主人公「サーモンドリル」が、ライバルと戦う姿を描く漫画を描き上げました。
順撮りという条件があるので、長時間撮影した後に編集するドキュメンタリー方式ができません。
決めた構成通りに再現も含めながら撮影するので、最初はどこでどんな場面を撮影するか悩みながらの撮影でしたが、最後には「次はこんなシーンを撮る」と監督自らが意識して撮影に臨めていました。
その結果、漫画制作に取り組む姿だけでなく、締切に間に合わずに焦る姿や、インタビュー映像などが入り、彼の人柄がよく表れた作品となりました。
上映後の感想では、その人柄が観ている人にも十分伝わり「K君のことは忘れないよ!」とのメッセージをいただきました!
「TCSの3つの約束(ひと・自分・ものを大切にする)を忘れないでいて欲しい」
というメッセージのもと、
以前の楽書きでつくったお話「ヘビくんのおつかい」を原作に映画を制作したR君。
主人公ヘビくんが一人でおつかいに行く姿が描かれています。
困っているところを助けられる、自分は無力だと思っていたが得意なことがあってそれで誰かを助けることもできる、といった3つの約束に関係するシーンを盛り込んだ作品となりました。
ロケの多い作品で、撮影場所を決めることが大変だったのではないでしょうか。
震災後で小売店も落ち着かない状況ということもあり、撮影協力をいただくことは容易ではありませんでした。
また、電車内など思い通りに撮影できないシーンもあり、限られた環境でどう撮影するか工夫する姿が見られました。
映画を観た方からは、「ヘビくんと同じで、ひとにもできないこともあるかもしれないけれど、できることもあるんだ。」という感想をいただくことができました。
「自分の意見を殺さないで」
というメッセージのもと、
いじめが起きる中での固い友情を描いた作品をつくったMさん。
描いた絵を繋げて映像としました。
映像のもととなる40枚近くの絵を描くことに撮影の大半を費やすことに……。
主人公のナレーションを入ることで、主人公の目線で観る人に語りかける作品となりました。
映画の途中には、ナレーションは無く、絵だけで登場人物の心の変化を表すシーンがあり、それは観るものの心を引きつけるものでした。
上映後には、子どもから「僕にも似たようなことがあって、そのことを思い出した。」と共感を誘う作品となっていました。
三人三様の作品が出来、どれも彼らの思いがこもったものとなりました。
どんなメッセージ・ストーリー・演出にするか、一つひとつ悩みつつ、仲間の助けを得ながらできた作品たちです。
TCSでの「意思表現」は最後ですが、これからも伝えたい思いを持って他者に発信できる「意思表現」者を目指していってね!
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※TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。