[6年生]
テーマ「心を動かすストーリー」第三週。
残された時間を考えると、折り返し地点となる来週には撮影を開始したいところ。
そのことを子どもたちも分かっていて、少々焦りモード。
けれども、シナリオをしっかり作らないといけないことも分かっているから、
「このストーリーで、メッセージが伝わるのかなぁ」と悩む一週間となりました。
絵と音に表現を絞ってメッセージを伝えようとしていた子は、絵コンテを描いている際にどう表現するか悩むことに。
いじめがテーマとなるストーリーにおいて、登場人物の複雑な思いを絵だけで表すことができるのか、反対に絵だけに絞る必要があるのだろうかと思ったからです。
そこから、言葉ばかりに頼りたくはないけれど、細かな絵と言葉を使うことで更に相手に伝わる内容ができるのではないかと考えたようで、主人公目線のナレーションを入れることにしました。
こんな風に、多様な効果の組み合わせを試みることで、創造性ある映画に繋げていって欲しいと思います。
自分が以前作った絵本を原作にシナリオをつくり出した子は、
メッセージを表現するためにストーリーの中でどうメッセージに関係するエピソードを盛り込むかが課題となりました。
原作には、主人公が少しとぼけたことをしてしまうというシーンがあるのですが、
「これって、逆にメッセージと逆のことをしている……!?」
などの考えが浮かんできて……。
原作のコミカルであたたかい雰囲気を壊さずに、ストーリーを考え直すことに少し苦戦しているようでした。
メッセージ作りで悩んでいた子は、子どもたち・スタッフと話していく中で少しずつイメージが湧いてきたよう。
そして、スタッフが言った「ドキュメンタリーという方法もあるよ?」との言葉からインスピレーションを受けたみたいで、
「自分のことを忘れないでいて欲しい。自分が卒業して何年経っても、自分のことを知ってもらいたい。本を作ってTCSに残すことで、会ったことない人にも『あの本を作った人だ』って分かってもらいたい。だから、本を作っているところをドキュメンタリーにして映画にするのはどうかな?」
とのアイデアがその子から出てきました。
これには、他の子どもたちも大賛成!
ただ、
「ドキュメンタリーってどう作るんだろう?」
と次の瞬間、また悩みだしてしまい……。
そこで、参考にあるドキュメンタリー動画を一緒に見てみることに。
何百日とカメラを回して数十分足らずの作品になることに驚き、容易にできるものではないことを実感しました。
それに、今回の映画作りでは「編集無し、順撮り」という条件があるので、通常のドキュメンタリーの作り方を真似するだけではつくれません。
大まかな内容の柱は決めたものの、
何を伝えたいのか、そのためにどんな撮影が必要なのかを考え、
また、どの場面をどう撮って繋げて作品とするかなどをしっかりと計画することが作品の完成度を左右するとプレシャーを感じていたようでした。
未だ完成とは言えないけれど、時間を重ねるごとに練られたシナリオになってきました。
さぁ来週には、必要な道具も揃えてクランクインを迎えられるでしょうか?
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