[1・2年生]
テーマ最終週。
テーマ発表会に向けて動き出しました。
記録(行伝シート)や記憶を元に、テーマ全体をふりかえりながら発表会で何を伝えるか決めていきました。
改めてテーマ名「働かざるもの食うべからず」の意味を考えてみることに。
調べてみると、
「人は誰にも負担をかけず、日夜、努力して働き続けなければならない。
働こうとしない怠惰な者は、食べることもしてはならない」というような意味があるそう。
子どもたちは彼らなりにその意味を考え、そこから自分達はどう行動するかを話し合いました。
A:「働かないとごはんは食べられない。」
B:「大人の社会。」
C:「働かないとお金がもらえないから、ごはんも買えない。」
D:「働かないと、お金をもらえないし、食べ物ももらえないし、人の役にたてない。
だから働いて、お金をかせいで、日本一えらい人になろう。」
B:「でもこのテーマは、えらい人になるのではなく人の役に立つためにやっているんだよね?」
C:「あと、お金をかせいだりもしていない。」
D:「うん、ぼくたちのテーマは、お金じゃなくて、食べ物をもらった。」
B:「あと『ありがとう』もね。」
A:「(蚕糸の森公園のごみ拾いの時にもらった)ノートに、(農家さんでもらった)大根やキャベツとかね。」
E:「会社は人の役にたっているのかな?」
B:「役に立っていると思う。」
A:「働いて、役に立ったり人の笑顔をもらっているよ。そしてそれがお金になっている。」
子どもたち同士でやりとりする中で、子どもたちが自然とミッションを意識できていることを実感。
発表の要となる、「このテーマで心に残ったこと」については各自で考えました。
みんなから出てきた意見は意図せず全て農家の倉本さんのことだったのは、びっくり!
「倉本さん家で飲んだお茶がおいしかった。お茶を飲んだらゆっくりした気持ちになれた。」
「大根を抜くのが楽しかったし、抜けた時は気持ちよかった。」
しかし、自分のことばで伝えるというのは、難しかったよう。
子どもたちの頭の中にある思いを、
「どうして、おいしく感じたんだろう?」
「倉本さんは、みんなの動きをどう思っているんだろう?役に立ったと思ってくれたのかな?」
と問いを重ねていくと、
「働かなくてもおいしく感じるお茶なんだけど、働いた後に飲んだほうが倍おいしいと思う。」
「倉本さんにありがとうって言われたほど、もっとがんばろうと思った。」
子どもたちの中にある思いがどんどん出て来ます。
行伝シートを見比べると、
最初は、「動」(何をしたか)、「恩」(どんなありがとうをもらったか)が比較的多かったのが、
テーマ終盤にさしかかるに連れて、
「良」(何がよかったか)、「改」(改善点は何か)が増えていることに
子どもたちは気付きました。
事実ばかりをふりかえる傾向から、その行動は良かったのか、どうすればよかったのかと、自分の行動を多面的に見てふりかえられるようになった変化を感じさせました。
それに、「改」が出たことを、
「よくないことをするのはいけないけれど、
それを元に自分の今後の動きを改善することができる。」
と「改」をただいけないとするのではなく、その重要性に気付いて、
ふりかえりから、次の「動」きに繋げようとしている姿勢が見られたのです。
さぁ、ではこれらの内容をしっかり伝えられる発表にしよう!
大きく・ハキハキ・ゆっくりと読むことや姿勢をよくすることは当たり前。
それに加えて、自分のことばで伝えられることを目指しました。
練習の様子をビデオに撮って、見てみることで、
「ここで、『ぼくたちの動いた成果を見てください』とかの方がいいんじゃない?」
「ここで礼したほうがいいかな?」
など、どうしたらもっと良い発表になるか考えていました。
何度も、「動く」→「ふりかえり」を繰り返してきたからか、ビデオを見てふりかえることに慣れてきているようです。
練習を重ねて、本番当日。
どんな思いでこのテーマをやってきたか、
そして、どんなことが心に残ったかなど、自分が伝えたいことを発表することができたと思います。
そして、発表会には、なんと、農家の倉本さんも来てくださったのです!
自分の「動」きを自分だけでふりかえるだけでなく、
役に立とうとした「相」手からの、心からの感謝の気持ちをお話いただきました。
また、倉本さん家の畑でとれたカブト虫の幼虫もプレゼントしていただいたのです!!
子どもたちはとてもうれしそうでした。
そして、感謝の気持ちを込めて用意していたお手紙を倉本さんへ渡しました。
倉本さんの役に立ちたくて動いたのですが、
結果、子どもたちが「恩」を受けるかたちになったのではないでしょうか。
自分が「動」いて、人の役に立とうとする。
そして相手から「ありがとう」をもらう。
でも、それは実は自分が相手から「恩」恵を受けたことになっていることもある。
そういうことを重ねて、社会寄与が起こる社会になっていくのではと感じました。
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