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「人の役に立つ」ってどういうこと?

[1・2年生]


新テーマ「働かざるもの食うべからず」


何もたずねていないのに、このテーマ名だけで、子どもたちが反応します。


「自分で働いて、お金をもらって、自分でものを買ったり食べたりしないとだめだよ、ってこと。」
「大人の社会!」
「働くって、アルバイトとか?」
「フリーマーケットも働いてお金をもらえるね。」
「働かないと、お金もらえなくて、死んじゃうかも。」


導こうとしなくても、このテーマ名だけで導入できてしまいました。


「そう、働かないと食べることはできない。働くとは、動いて人の役に立つこと。
じゃあ、どう動いたらいいのだろう?『人の役に立つ』ってどういうことなのだろう?」


そうすると、子どもたちから、


「家族のために、料理を運んだ」
「スタッフのために、ドアを開けた」
「ママのために、おふろそうじした」
「弟のために、かたづけをした」


などなど、たくさん出てきました。


だけれど、
「家族のために」、「スタッフのために」と、自分の周りにいる知っている人の話しか出てこない……。
子どもたちも書き出したのを見て、実感しているようでした。


そこで、家族や仲間のためだけでなく、
自分の「ちょっと外にいる」人のために動くには何ができるか考えました。


「バスの中で席を譲る」
「警察のために、財布を落とした人のために、財布を拾って交番に届ける」


なるほど。それも人の役に立つかもしれない。


じゃあ、いつもできる、人の役に立つことは何だろう?


2年生が1年生の時にやったテーマ「ありがとうにありがとう」。
その時やったことを2年生はよく覚えていました。
「メールとか、生のことばとか、たまごやきを焼いたりして、『ありがとう』を伝えた!」


「じゃあ、今度は『ありがとう』をもらおうよ!
このテーマのミッションは、外に出て動いて、人の役にたつことをするよ!」


子どもたちは意外とやる気で、
「人の役に立つことをたくさんやったら、テレビにうつるかなー。」
とつぶやく子までいたりして。


こうなると、事前に活動場所をスタッフが探しておくことがあるのですが、
実際に小学1・2年生の子どもたちを手伝いとして受け入れてくださる場所はなかなか見つからず。
そのことを正直に子どもたちに伝えました。


「『ありがとう』をもらうために、働かせてもらえる場所を探したのだけれど、
実は、見つからなかったんだよね……。どういう意味かわかる?」


子どもたちはシーンとなっていく……。
そんな時に、ある子がポツリ。


「頼られなかったってこと?」


信頼は最初から得られるものではない。
人の役に立つことを積み上げることで得られるもの。
だから、自分たちでできることを一つずつやって、『ありがとう』を積み重ねよう!


そこで、スクール周辺のごみ拾いを始めることにしました。


まず第一回は、体育でよく使っている和田北公園で行いました。
公園に向かう道でも、もちろんごみを拾います。


「人の役に立つ」ってどういうこと?_01  「人の役に立つ」ってどういうこと?_02


「ここにも、たばこ(の吸い殻)がある!」
「これって、燃えるごみ?」
「葉っぱの下にもごみがあった!」
「えっ、なんでここに電球があるの……?」


普段通っているところなのに、よく見るとたくさんのごみがあることに子どもたちも驚いているようでした。


ごみ拾いをしていて、「ありがとう」をもらうこともありました!


「背中をポンポンと叩いて、『ご苦労さん』と言われた」
「公園で会った小学生が一緒にごみを拾ってくれて、僕が『ありがとう』と言ってたよ〜」


ごみ拾いの翌日は、ふりかえりです。
活動を記録したビデオを観ながら、
一枚の模造紙を使い、
「行」ったことを「伝」える「行伝(ぎょうでん)シート」を作っていきます。


ふりかえりの観点は、5つ。
「動」(これをしたよ!)、「不動」(これはできていなかったなぁ)
「良」(これはよかった!)、「改」(こうすればよかったなぁ)、
「恩」(ありがとうをもらった!)


「ガラスを拾った」
「たばこをたくさん拾った」
などなど、「動」はたくさん出てくるのですが、
「不動」・「良」・「改」はなかなか出て来ません。


これから、ふりかえりを積み重ねることで、
「行伝シート」の内容がどう変化するか楽しみです。



ごみ拾いの後、
「集めたごみ、どうする?」
という話になりました。


「じゃあ、収集所に持っていくのは?」
とある子からのアイデア。


なるほど。よし実行しよう!
来週は、杉並区の清掃事務所にごみを持っていくことにしました。
もちろん、その道中は歩きながらごみ拾いです!



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