【探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】私たちはかけがえのない存在である。
<テーマ学習> 〜レポート
自分のことってどのくらい知ってる?
「きみどりがすき」
「にいちゃんがすき」
「そくてんげりがとくい」などなど
好きなものや好きなこと、得意なことがすぐに出てきました。
「もっとピアノがうまくなりたい」
「バクテンをがんばりたい」
もっとできるようになりたいこと、がんばりたいことも、それぞれ違う自分の特徴になります。
気がついたときには、いつでも書けるように掲示。ほかの1年生についても、知っていることがあったら書いていきます。
自分の顔ってどのくらい知ってる?
まずは、鏡を見ずに自分の顔を思い描いてみました。
さぁ、今度は鏡をじっくり見て自分の顔を観察しながら描いてみます。
「わたし」を観察する一方で、「あなた」の顔もじっくり観察して描いてみます。
「あ、二重になってる。」
「フタエって何?」
からだの部分は名前がいろいろあります。新しい言葉に出合うチャンスでもあります。
「それなら、わたしは一重だね。」
「こんなところにほくろがあるよ。」
「耳のところ、怪我した跡?」
見れば見るほど見えてきますね。
今回のテーマ学習では、自分の特徴を捉えた等身大の自画像を作成します。つまり、今の自分と同じ大きさで描くことを目指します。
お、顔に定規を当て始める子が出てきました。
そこで、お手製ものさしを作って、測定してみることに。

もう一度自分の顔を書いてみます。今度は鏡を見ながら。
髪の毛の生え方、眉毛やまつ毛、目や唇の形、顔の輪郭など、よく見て描いている様子が伝わってきます。
お手製ものさしは、1cm四方のマスをひとつずつテープでつなげたもの。持っている定規ではミリ単位の細かいメモリが子どもたちにとっては測りにくさの元に。何マス分かを測れると同時に、1マス分が1cmに変換できるので、個別単位から普遍単位へ。長さの学びを取り入れました。
お手製ものさしで、からだのいろんなところの長さを測って記録。
「数字を書いたら数えなくていいから便利。」
必要に応じて工夫が生まれます。スクールのカーペットの1マスは50cm。残りの長さを測って、50を足すと・・。
肌の色ってどんな色?
いわゆる肌色は、自分の肌の色とは違っています。
同じく、髪の毛の色も、絵の具の黒や茶とは同じではありません。
赤・青・黄の三原色と白の4色を使って、自分の肌、髪の毛、唇の色を作り出すことにチャレンジ。
同じ色になってるかな?鏡とにらめっこ。
「唇の色、これでどうかな?」と友達に聞いてみます。
「ピンクすぎ、オレンジ入れたらいいんじゃない?」
「ねぇ、その色どうやって作ったの?」
「赤と青を入れて、紫つくってから、黄色と青を少しずつ入れていったよ。」
スタッフに判断を求めがちになるところを、「ほかの人に聞いてみたら?」と声をかけます。お互いでアドバイスしあい、最終的に「これでOK」と判断するのは自分です。自分の目でしっかり確かめ、納得するまで作り続けます。
髪の毛って、同じところから生えてるかも。
1本1本、細い筆を使ってていねいに塗っていくことで、お絵描きとは違い、横に塗りつぶせない理由が見えてきます。
等身大の自画像は、顔だけではありません。全身を描いていきます。
自分らしさを表した服装にポーズを考え、全版画用紙2枚分の中に描き出します。
型をとって、大きさを確認。撮った写真を参考にしながら描いていきます。
「これ、大変!」
そう、簡単でないから、どうしたらいいか考えたり、がんばってみよう!と気合を入れたり。そして、できたときにはやり遂げた気持ちも一入です。
「あー、懐かしい。私も肌の色つくるの大変だったよ。」
「終わらなくて、放課後、やったなぁ。がんばって。」と
制作中の画用紙を見た先輩たちが声をかけてくれます。
全版画用紙2枚分。等身大の自分の周りも自分の特徴でいっぱいにしていきます。
絵の具の3原色と白で自分の好きな色をつくり、今の足の大きさ、手の大きさを記録して、貼り付けます。
続いて、言動から見られる自分の特徴を探っていきます。
こんなときは、こんな自分。
友達といるとき、大人といるとき、兄弟といるとき、
場所や場面によってどんな自分になっているのかをふりかえっていきます。
「悲しいと泣いちゃう。」「暑いところでは汗かく。」
多くの人に当てはまることだと特徴にはなりません。
泣くことが多かったら、なきむしな自分。
すぐに笑っちゃうなら、わらいじょうごな自分。
「がんばりや」「素直」「根気強い」「人懐こい」「甘え上手」などなど
特徴をあらわす言葉に触れながら、自分の当てはまることがあれば記録していきます。

「ぼく、甘えん坊だけど、甘え上手とも書きたくない。」
なぜ?
「だって、恥ずかしい。」
それなら、恥ずかしがり屋って書くのは?
「それも恥ずかしいけど、そっちなら書ける。」
言いたくない自分もあってしかり。いろんな自分がいることを知っていきます。
他の人に自分のことを教えてもらうことで、さらに自分を知ることに。
上級生に「わたしってどんな人?」と聞いてみます。

「こんなこと始めてやった。そんなふうに思っているって知らなかった。」
「明るいとかそういうこと、言われたことなかった。」
「こうきしんおうせいって書いてくれた。どういう意味?」
新たな言葉を知るきっかけになること、聞いてびっくりすることもあれば、納得することも。
1年生の声に耳を傾け、協力してくれる上級生には頼もしさを感じます。
そして、自分のことを誰よりも見てくれているのは、家族です。生まれてくる前から、生まれてきたときのことは、自分よりもよく知ってくれています。
それぞれのインタビューシートにどんなことが書いてあるのか、みんなで共有していきました。
「お腹の中で手も足も動かしてたのは、一緒だね。」
「わたしのときも、ホッとしたって書いてあった。」
「水の中で生まれたってすごいね。」
名前の由来についても、一人ひとり、願いが込められていることがわかります。
「初めて知った。」相手の名前の意味を聞くのはお互い初めてです。
相手の話になると無関心になりがち。でも、自分以外の7人分の話にも興味を持って聞いてほしい。どんな話が印象に残った?と相手のことを話したり、特徴として付箋に書いたり、お互いを知る機会を楽しみました。
保護者のみなさま、ご協力いただきましてありがとうございました。
(書いていただいたシートはチャイルドノートに添付します)

プレゼ ンでは、等身大の自画像を見せながら、これまで集めてきた自分の特徴の中で、特にみんなに伝えたいことを1分間で語ります。
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2025年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)

