特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

東京コミュニティスクール

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東京コミュニティスクール

「活私開公」1年2年生 テーマ学習〜概要

 

【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】コミュニティ意識は公共空間で育まれる。

<テーマ学習> 〜概要

東京コミュニティスクールでは、様々な人とのつながりを通して、子どもと大人が共に学び続け、創造し続けるコミュニティの実現を目指しています。コミュニティスクールという名称も「学びを通じた人と人とのつながりの場」からきています。

今回は、人と人とがつながる場を「公共空間」として捉え、人との関わり合いの中で、「私」たち同士が「私」として活かされ、その場をより開花させ広げていくため、どう考えどう行動したらいいのかを追究していきます。 

まずは、公共空間という場がどこに存在し、機能しているのか、観察することから始めていきます。誰のための誰が使える場なのか、同じ場所でも時と場面によっては変わってくるのか観ていきます。次に、その公共空間がなぜ設定されているのか、役割について考えていきます。TCSという場が社会寄与のひとつとしてつくられていることにも触れていきます。
そして、生活をともにしている場であるスクールに焦点をあて、コミュニティの一員として「活私開公」となる場の使い方を考えていきます。

「みんなのために、TCSではこうしなくてはいけない」ではなく、「こうすれば、自分もみんなもより楽しくなり、TCSがもっと面白い場になっていく」という視点を持ち、理想と現実の狭間を模索しながら、コミュニティ意識を自ら育んでいくことを目指していきます。低学年でも「おかげさまで生きている」だけでなく活躍できること、学年が上がるにつれて、活躍の場がもっと増えワクワクしてくる様子や、スタッフや保護者の大人もスクールという場でそれぞれ個を活かしている姿を、これまでのスクール生活をふりかえりながら探し出していきます。最後には、「TCSを表す一場面」となる写真を1枚選び抜き、公共空間の中でそれぞれの立場でコミュニティ意識が育まれていくこと、そして、仲間としての楽しみ方をプレゼンテーションします。

まずは、公共空間という場がどこに存在しているのか、どのように機能しているのか、その役割について考えていきます。TCSという場が社会寄与のひとつとしてつくられていることにも触れていきます。次に、生活をともにしている場であるスクールに焦点をあて、コミュニティの一員として「活私開公」となる場の使い方を考えていきます。「みんなのために、TCSではこうしなくてはいけない」といった「滅私奉公」的な考え方ではなく、「こうすれば、自分もみんなもより楽しくなり、TCSがもっと面白い場になっていく」という視点を持ち、理想と現実の狭間を模索しながら、コミュニティ意識を自ら育んでいくことを目指していきます。低学年でも「おかげさまで生きている」だけでなく活躍できること、学年が上がるにつれて、活躍の場がもっと増えワクワクしてくる様子や、スタッフや保護者の大人もスクールという場でそれぞれ個を活かしている姿を、これまでのスクール生活をふりかえりながら探り出していきます。最後には、「TCSを表す一場面」となる写真を1枚選び抜き、公共空間の中でそれぞれの立場でコミュニティ意識が育まれていくこと、そして、自らの活かし方をプレゼンテーションします。

かっしかいこう。

どの漢字があてはまるでしょうか。どれも似ているようで違う?

奉私閉公

活私開公

滅私奉公

知っている漢字から紐解いていきます。

「公園の公はやじるしだった」と外側に矢印を向けるジェスチャーをする1年生。

これは成り立ちの話。漢字学習の時間、「公」の成り立ちを絵に描いたときのことを思い出したようです。

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どの四文字にも入っている漢字が「私」と「公」。共通するムの部分は「かかえこむ」という意味。

それを末広がりのように外に向けるのが「公」。自分のものにするのが「私」。

1年生の発言を受け、「公」と一緒に「私」の成り立ちも一緒に確認していきました。

わたしのためだけに捧げていて、みんなとの関係が閉じてしまう。

わたしが活き活きして、みんなも関係していて開かれている。

わたしはがまんして、やりたくないことも、みんなのためにと捧げる。

「活私開公がいいよね」誰もが2番目の漢字だと確信します。

ただ、これまでの歴史上、日本では「滅私奉公」がいいとされていた時代があったことも紹介。

「あ。ぼく、やりたいの我慢して譲ったことある。」

日々の生活の中で、奉私閉公や滅私奉公になっていることはないか振り返ってみます。

もちろん、活私開公になっていることも。

「ねぇ、自分も周りも悲しくなっちゃう場合って、どれにあてはまる?」

「いつまでテレビ見てるの!ってパパとママに言われて、ぼくもやだし、パパとママもいやな気分になってる。」

「それって、滅私閉公じゃない?」と新しいカテゴリーが出てきました。

「これには、なりたくないね」と呟く声も。

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奉私閉公の場所に集まった事例は、

「私は声が小さい。」自分はよくてもみんなには聞こえない。

「くっついてこないでほしいときもくっついてくる。」これって自分はよくて相手のこと考えてない。

「あの2人、授業中ちょっかい出し合ってる。」2人だけよくて周りはいや。

「算数のとき、忘れ物しちゃって、みんなに話し中のスタッフに話しかけちゃった。」

みんなのためにはならなくて、ぼくだけのためになっちゃってた。

活私開公の事例も集まっています。

「すごい野球好きの子たちがいるから、ぼくもやりたくなった。」

好きなことが周りの人にも広がってる。

「筆写道でありがとうございますって言われて、ぼくもありがとうございますって言えた。」

自分のためにやっている筆写道で、聞いてくれた保護者の人もありがとうって言ってくれた。

「シール交換したとき、ほかの人も来て、みんな嫌な気持ちにならないで楽しめた。」

「いつものメンバーでチャレンジする。」クラスのみんなの力があれば、みんなに無くした物をいうと協力してもらえる。

事例の数は奉私閉公の方が上回っていました。活私開公って難しい。

「難しいから学んでいく」ここがポイントになります。

奉私閉公、滅私奉公はよくなくて、活私開公しよう!なんていっても、キレイゴトになってしまいます。確認したいのは、葛藤していくことにあります。

ついつい、自分のためだけになりがちだけど、どうしたら、みんなのためにもなるのだろうか。簡単なことでないから、一緒に学んでいけばいい。みんなの中で、つまりは社会の中で、自分はどう関わっていけるのか、1、2年生たちなりにジブンゴトとして考えていくためのスタート地点に立ちました。

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今回、目指していきたいセントラルアイディアは、

「コミュニティ意識は公共空間で育まれる。」という概念。

活私開公の「公」が入っている公共空間について考えていきました。

公共空間とはどういう場なのか。その対になる私的空間はどこにあるのでしょうか。

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「家って、どっちだ?自分だけじゃないけど、誰でも入れるわけじゃない。」

私だけでもなく、公といえるわけでもない。私たちになる部分。

「どこから、公共空間になる?TCSは?」

確かに、TCSは公立でも私立でもなく、NPO法人のスクールです。

新たな学びの場を社会に広めていくという目的をもった組織であります。この点については、もう少し先で触れていくことになります。

公共空間か私的空間かと考えるとはっきりしない。

どっち寄りなのかで考えていくことに。

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「電車の中は公共空間だけど、イヤホンつけて自分だけで音楽聴くなら私的空間かな?」

「家のトイレは家族だけだけど、みんなが入れるトイレもある。」

「コンビニのトイレは誰でも入れる。」

「そのあと、コンビニで買い物しないといけないってパパが言ってた。」

「え、使ったことあるけどお金払わなくて大丈夫だよ。」

子どもたちにとって、お金を支払う必要があるかないか、実体験が伴っていないため判断材料がありません。公共機関というと、公園や図書館など無償で提供される場所や警察署、消防署などがあげられますが、ここでは、「公」をみんなで使う場所と捉えていくことにしました。

次に、多くの人が使う場所の役割とその使い方について考えていきました。いったい何のために、どういった人たちのために、その場が機能しているのか。

その場にある役に立つ「物」と、その場にいる「人」たちに着目することで、何が見えてくるのか観察しに行きました。

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まずは道を観察。スクールを出るとすぐに人も物も視界に入ってきます。ガードレールや自転車に乗っている人、横断歩道などなど、、

記録を取るのが精一杯で前に進みません。

ちょっと人通りのない住宅地に入ってみました。

ごみ収集所や消火器など見つかりましたが、今度は人がいません。

「あ、人のおうちは私的空間だから、遊ぶために入っちゃダメだよ。」

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今回は、役割や目的が何かを考えることが目的。

目的を意識しているかしていないかで、使い方も違ってきます。

道路は観察するには狭く、住宅地は人が少なかったことから、今度は、城山公園に行ってみました。

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「この木は記録を書くのに役に立ってる!」

「植物の屋根があっていいね。」

「なんで木があるのかな?」

自販機をよくみると電気のコンセントがつながっています。この電気が切れた災害時には、無償で提供されると書いてあります。

「普段はお金がいるけど、地震とかのときはお金なくても出てくるんだね。」

時や場合によって役割が変わるものも見つかりました。

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「何しに来ましたかって聞いてみたら、リハビリに来たって言ってた。」

「シール交換しに来た子もいたよ。待ち合わせしてるみたい。」

直接インタビューして聞いてみると、公園の使い方もいろいろあることが見えてきます。

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一方で、観察すればするほど見えてきたのが落ちているごみ。

役に立っているものではない「ごみ」がなぜあるのだろうかという疑問が数人から出てきました。また、「これ持って帰りたい」と割れた陶器のかけらを集め出した子も。

ごみ捨て場の機能を持っていない公園でごみを捨ててしまうと、それは奉私閉公な使い方になってしまいます。

でも、みんなのためにごみを拾うなんて、嫌なことをするのも滅私奉公では?

観察を終え浮上してきた、このごみ問題について話し合い。どうしたら自分たちのためにもなるごみ拾いができるかを考えていきました。

「ゲームにすればいいよ。いくつ拾えたかポイントにするとか。」

「チームにしたら面白そう。」

「それだと、争いになるから嫌だな。」

「みんなでゴミ箱いっぱいに入れるまでがんばるのがいい。」

「ゴミ箱ないから、持っていこう。」

「一人ずつビニール袋もあった方がいい。」

「ビニール手袋もあると拾いやすい。」

「早く終わったら遊びたい!」

「それもいいね。」

「時間を決めたらいいんじゃない?」

誰かの意見を受けての発言は、新たなアイディアが生み出し、話が前に進んでいきます。

建設的な話し合いができるようになったのも、第6タームだから見える光景です。

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道具と目的意識の準備はOK!いざ、城山公園へ。

「これは、ここにつけた方がいいね。」と落ちてた画鋲を掲示板へと戻しています。

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奥の方って結構落ちてる。「もしかして隠してる?」

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「ボールはどうしよう。持ち主が取りに来るかも。」

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「ドリブルの練習はいいけど、サッカーはダメ。どうしてかわかった!

大人数での空間を独占する利用だからって書いてある。公共空間が私的空間になっちゃうからだね。」

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50分間、ごみを拾い続け、誰一人として、「まだ?」「遊ばないの?」と口にすることなく、タイムアップ。ちょうどゴミ箱いっぱいになりました。

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「今日はみんなで活私開公できたと思う!」

大盛り上がりのごみ拾いでした。意識ひとつでこうした公園の使い方もできてしまいます。

続いて、公園より公共性は低くはなりますが、TCSという公共空間での役割、そして、個を活かしたコミュニティ意識について、目を向けていきます。

TCSには役割があります。答えがある問いではありますが、予想を聞いてみると、

「楽しく学ぶ場所?」

それなら、ほかの学校も目指していることは同じになります。

「特別な学校をつくりたい?」

今は特別かもしれないけれど、新しい教育の場をつくって社会に広めていきたいという思いがあります。

「子どもと一緒に学ぶ場所?」

それは欠かせない要素です。

TCSの正式名称は、特定非営利活動法人東京コミュニティスクール。

NPOは、営利を目的とせず、福祉、教育、環境など様々な社会貢献活動を自主的に行う民間の組織になります。

保護者の方に毎年更新してお渡ししているスクールハンドブックを開くと書いてある目的を配布しました。知ってもらいたいことは、目的があることです。

それが、「子どもと大人が一緒に、自分らしさを活かし、人や社会や自然とのつながりを楽しみ、学び続ける人、創造し続ける人を目指していく学びを広めて、学びの選択肢を増やしていくこと。」であり、TCSの特徴といえます。

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TCSは子どもと大人が自和自和と学ぶ場所。上記に掲げた目的は「自和自和」という理念に凝縮されています。3つの約束やスピリットということばは、低学年の子たちにも浸透していますが、それは「自和自和」を実現するためのものであります。

「あのさ、プレゼンってどんなことするの?」

気づけば4週目が終わろうとしています。前半に伝えることが多いのですが、今回は伝えていませんでした。でも、ちょうどよいタイミング。

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役割があることを知った上で、TCSという場にいる人たちが、個を活かしたコミュニティ意識を発揮している、しようとしている、したいけどまだできない場面とはどんな場面なのか。彼らが思う「TCSを表す場面」を写し出した写真を1枚選び、TCSがどんなスクールなのか、その場にいる人たちが何を目指しているのかをプレゼンテーションします。

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この1年をふりかえりながら、どんな一場面がいいのか候補を上げていきます。グループに分かれ、TCSのさまざまな場面を6つ伝えることが今回のミッション。これは予めスタッフ側で設定していました。

「泊まりのイベントは外せない。だって、ずっと学んでるから。」

「大人も多いよ、ボランティアスタッフもいる。」

「スキー合宿は行けてない人が多いからやめた方がいいよ。」

インフルエンザがクラスで流行り、不参加の子が8人いました。

「ムササビツアーと将棋大会は伝えたい場面がキッズとスタッフだけになるから同じだと思う。」

「サマプロは、みんなの前でプレゼンするから入れたい。」

「それなら、テーマもプレゼンするから、プレゼンでいいんじゃない?」

「でも、聞いている方も学びになるし。」

「リフレクションも大事だから、いいと思う。」

好きなイベントだからという理由ではなく、何がTCSらしさなのかを考えている様子。でも、彼らには比較対象がないため、ほかの学校にもあることは補足で伝えていきました。話し合いの末、希望をとってみると、サマーキャンプは0票。

17人が選ぶ6場面はどうなるのかは、プレゼンまでのお楽しみに!

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iPadを使って、Googleドライブで共有した写真の中から、1枚の写真を選んでいきます。グループによって選び方は様々。

「まず2枚それぞれ選んで、6枚に絞ってから理由を聞いていいのを決めてこうと思う。」

「これいいね。」と一緒に選ぶグループも。

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2枚同時に見たり、写真を保存したり、メモ機能を使ってみたりと、ITの時間に学んだことを活かしています。一人では思い出せない操作も、それぞれが覚えていることを教え合って、使いこなせるようになっています。

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「これだと一人笑ってないから、みんな笑っているのがいい。」

楽しい場面、がんばっている場面、できずに苦戦している場面も、みんな経験しています。さて、どんな一場面を切り取り、Show and Tellするのでしょうか。チゃレンジする力クラスの集大成のプレゼンは、いよいよ今週末です。

 

 

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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2025年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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