【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】場には限りない「!(発見)」と「?(疑問)」のタネがある。
<テーマ学習> 〜レポート
見っけ隊の任務は、仕事場で発見・疑問・モヤモヤアンテナを働かせることです。仕事場は紅葉山公園。場所を確認した9人の隊員は、やる気いっぱい、公園の中へ。
「何をしてるんだろう。」
「何か考えてる?」
「この人はだか?」
「トイレ中?」
「それなら後ろを見てみるといいんじゃない?」
「これ、トイレじゃないよ。だって蓋がないよ。」
「でも、お尻見えてるよ。」
思うことを呟きながら、発見・疑問・モヤモヤが生まれています。
「空き缶がある!」「隠されてる?」「落ちちゃった?」
「ねぇ、見て見て。どんぐりがいっぱい落ちてる。」
「これってどんぐりの木かな?」
「うぁ!あの白いの知ってる!毒なんだよ。」
「気持ちわるーい。」
下を見たり、上を見たり、そして横を見ればこんな発見も。
「こんなところから葉っぱが生えてる!」
「この場所に出るのか!」
「こんなところに道がある!」
様々な場所を歩き回ることで公園の全体像が徐々に把握できていくことでしょう。
「大きな枝が落ちてる!」
「それ、僕が最初に見つけたんだよ!」
誰が見つけても大丈夫。ぜんぶ見っけ隊の発見です。
翌日、同じ場所に行ったり、新たな場所に行ったり、隊員たちは自分のアンテナを頼りに探検を続けます。
「たいへーん!すごい発見!」
近寄ってみてみると、ハチがいます。でも、頭がない?!周りにはアリたちがいっぱい。これは大変なすごい発見であります。
「あれ?昨日の空き缶が違うものに変わってる?」
「これね、中にお弁当のカラが入ってるんだよ。」
見つけるだけでなく、比較をしたり、触ってみたりと、前回より発展しています。
「これ、隠れてる?」「なんか本みたい。」
「この中にね、パンのふくろがあったよ。」
「なんでトイレの上に丸い穴が空いてるんだろう?」
「この枝トゲトゲしてる。」
「ライターが3つもある!持って帰っていいかな。」
どう思うか聞いてみると、しばらくして「やっぱ、やめる。危ないから。」と自分で判断していました。
見つけたものを見っけ隊みんなの発見にしていくため、公園に出かけたあとは、ふりかえりをします。
「あの人、はだかだったから、はだかじん。」
「プカプカ浮いてたからプカプカ缶。」
「お弁当のごみだったから、おべごみ。」
見つけたものの特徴をふりかえり、名前づけをしていきます。
「あれ?これって、あの本と同じじゃない?」
初回に見つけた缶と思っていたものが、本が丸まっているのではないかと、見え方が変わってきました。
「プカプカかんじゃなくて、プカプカほんだ。」満場一致で名前が変わりました。
「なんか石の周りばっかりになってる。」
発見場所に偏りがあることが見えてきました。
「次は違うところに行こうかな。」
「機関車の発見を見てみたい。」
友達の発見を自分の目で見たいという意見も出てきました。
目的意識を持って、探検に挑みます。
「これなんだ?」
「石が埋まってる?」「こっちは山になってる。」
「お墓?」「なんか怖い。。」
中を掘ってみることは、しませんでした。
「あー、これが旭冴が言ってた発見かー。」
「タイヤの大きさが違うよ!」
「あのハト、歩き方が変じゃない?」
友達の発見に興味を持ち来てみれば、新たな発見もついてきました。
「これ、何を明るくしてるのかな。」
「この木の葉っぱ、みんなかれてる!」
「この中、お弁当のカラ。ここにも、おべごみ!」
「このライトなんだ?」
「トイレに行きたい。」
そう言われ、一緒にトイレに行くと、明るい場所と暗い場所がありました。
「こっちは電気がついてる。」
でも、上を見ると電気はなく、穴から陽が差し込んでいました。
「あ、この穴、トイレを明るくしてたんだ!」
利用してみたら、疑問から発見へと変わっていきました。
「ねぇ、このおべごみ、あの絵と同じじゃない?」
比べてみると本当に同じ!友達の発見から、おや?という疑問があがり、思わぬ大発見にみんなで大盛り上がりです。見つけた発見は80を越えました。
「100個いっちゃうかな?」「いくんじゃない?」
「いったらどうしよう!」
ウキウキしながら見つける気いっぱいです。
「ここはジャングルみたい。」
今日は違うところを探検したいという目標のもと、未開拓な場所を歩きます。
「エルマーと同じだ。」
よむの時間に読んでいる『エルマーのぼうけん』に出てくるエルマーは探検の達人。同じ気分を味わえている模様です。
「これってゲームできるやつ?」
「ちょっと土がとれないな。」
「洗ってみよう!」
「え、水につけて大丈夫?」
「あのハトだ!」
「足けがしてるみたい!」
こちらのハトは別の場所で別の隊員たちが次々と発見。しっかり「みんなの発見」になっています。
「こっちのハトは足に緑のつけてる!」ハトに着目してたら新たな発見です。
わたげを発見。
「あの穴に埋めてみよう。」前に見つけた穴に埋めています。
それがいつの間にか、根っこほりに夢中に。
個別に思うままに行動していた見っけ隊員たちでありましたが、回数を重ねるごとに仲間と一緒に行動したり、離れたりと探検の幅が広がってきました。
「面白そうな遊具がある。遊んでもいい?」
それは、持ち主に聞かないと。最初は躊躇していたものの、やっぱり聞いてみると言って、お願いをしに行きました。快く「いいよ。」と言ってもらえ、使わせていただけることに。探検をより面白くした場面でした。Resilienceを発揮し、Communication skillsのSpeaking(話す)をあげるチャンスを自ら活かし、新たな発見へとつなげています。一度話せるとPlayfulnessやConfidenceにもつながっていきます。見っけ隊員たちのミッションの中には、「知らない人に聞いてみる」ことを入れています。早くもチャレンジする場面に遭遇するとは。何が起きるかわからない、探検の醍醐味です。
見っけ隊の任務は、仕事場で、何これ!なんで?もしかして・・かも?と、3つのアンテナを働かせること。次々に面白いものを発見し、名前をつけていきました。その数は100を越えました。ときどき、遊んでしまう失敗もありつつ、着実に任務を遂行してきました。
「もっとやりたい!」
まだまだ発見するものがある、発見したい。そう思う気持ちがあれば、次のステージへと進めます。テーマ学習3週目に入り、探検の視点を変えていきます。これまで見つけてきたものの中から、これは気になる、もっと知りたいと思うものを選び、ひとつのものについてアンテナを働かせていきます。みんなでたくさんの発見から、ひとつのものからたくさんの発見に。一人にひとつを任せます。
選んだものについて、どんなふうにアンテナが動いたのか、記録してみました。
水がないから枯れているのかもしれないとモヤモヤしてきた。次は、土が乾いているのか調べてみても面白そう。
誰が何のためにつくったのかなと疑問が浮べば、知っている人がいないか聞いてみるチャンス。
どんぐりの中には何が入ってる?ママに聞いたら虫っていうけど。それなら、実際に自分の目でも確かめることで、二次情報から一次情報に変えられます。
根っこはどこまで生えているんだろう。これも実際に長さを測ってみることで、どのくらい長いのかが見えてきます。
もみじだけじゃなく、さくらにも木から葉っぱが生えてた!ほかの木もそうなのかな?発見が疑問に変わると、ほかの木を調べたくなってきます。
「聞いてみようと思ったけど、聞きたいこと話せなかった。」
「定規持って行こうって思ったのに、忘れてきちゃった。」
「蚊がいっぱいいる!ここはもうやだ!」
また、誰かと一緒にいて自分の探検ができずに時間になることも。
思わぬできごとは、次はこうしてみようと考えるきっかけになります。
がんばって聞いてみる。
大股で測ってみる。
ほかのところでどんぐり探す。
今度はちゃんと観察したい。
「この木は何の木だろう?」
触りたいけど、触りにくい。「なんで柵があるんだ?」
「あ、なくなってた綿毛が戻ってきた?今日は花が咲いてる!」
どんなことを記録してきたのか、話せることをみんなに報告していきます。
Speaking(話す)こと、Listening(聴くー聴く・反応)ことは、Communication skillsにあたります。
うまくできるできないよりも、相手に伝えたいという思いや何を話しているのか聴こうとする思いが、原動力になります。
話したらおしまい。1年生はこうした状態から始まります。
「聞くのって難しいよね。」
そう、難しいからチャレンジします。
「聞いてたけど、聞こえない。」
話す側が言葉に詰まり、涙も。だけど、なんとか話そうとしている様子は見ているとわかります。一人がそばに寄ると、ほかの子たちも近くに集まり始めました。
相手に伝えるために大きな声で話す。
何を話しているか聴くために反応する。
「もっとよくするためにどうしたらいいか」内発的に出てきた場面でした。こうした体験の積み重ねでスキルもじわじわ磨かれていきます。
仲間に話す。仲間の話を聴く。その次は、9人の見っけ隊として、第三者の大勢に話すことにチャレンジします。初めてのテーマ学習プレゼンテーションは、show & tellの形式で行います。1枚の写真をもとに、一人60秒を目安に、見つけたものについて自分が面白いと思ったことを語ります。この日は、撮影のために紅葉山公園へ。
ITの時間に学んだことが活かされ、みんなしっかりiPadを両手で持ち、ズームをしたり立ち位置を変えたりしながら撮影していました。
「ブレちゃったから、もう一回撮りたい。」
「草で見えなくなっちゃうから、押さえてくれる?」
協力しながら、無事に全員撮影することができました。
どの部分を見せながら話したいかを考えていきます。
中心にあった方がわかりやすいかな?
アップすぎてもわかりにくいね。
ITの時間にトリミングの仕方、提出の仕方を学んでいきます。
写真の準備はOK。あとは、どんなことをどんなふうに話していくか。たくさんの人たちの前で、一人で話をするのはとても緊張します。本番では何も話せなくなってしまうこともあります。それでもOK。結果よりも、話そうとする姿勢、聴こうとする姿勢があるかどうかが大切。今できない部分があっても、自分をふりかえり、「次はこうしよう」と前に進む姿を目指します。
↑この写真を見てふりかえります。
「服脱ぐのはやめようと思う。」
「こんなに変だって思わなかった。」
聴けるようになると、good & betterで感想を言っていきます。これも簡単ではありません。
「声が聞こえない。」「ふらふらしてる。」など、ついついよくない点を先に言いたくなってしまいます。でも、意識すると、いいところに着目できるようになっていきます。
「みんなを見ながら話してた。」
「次の日のことも言ったからわかりやすかった。」
「笑顔がよかった。」
betterはよくなかったことではなく、もっとこうしたらよくなるよというアドバイス。
「声を大きくしたらいいと思う。」
「まっすぐ立てるといいと思う。」
話そう、聴こうと奮闘中。
話すたび聴くたびによくなっていく、楽しくなっていく、こうしたPlayfulnessやResilienceが自分の中で発揮されているときをそれぞれが味わっています。
プレゼンでは、こうしてがんばってきている背景や意気込みを感じていただけたら幸いです。
AN
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2025年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)