【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】事業の目的は顧客の創造である。
<テーマ学習> レポート
〜先行知識の確認(Tuning In)〜
テーマ名である「お客様の笑顔を獲得せよ」を発表すると、「あーーー!おかしのやつだーー!!」と声が上がります。
「お菓子のやつって?」と聞くと、「駄菓子屋やるんでしょ?」と返ってきたので、「お菓子って言葉も、駄菓子って言葉も出てきたけど、じゃあお菓子と駄菓子って一緒なの?違うの?」というところからスタートしました。
前回までの自分たちがお客様側となって駄菓子屋に買いに行った思い出から、自分たちがお菓子を提供し、それの代わりに金券をもらうんじゃない?など、なんとなく今回自分たちが挑戦することを言葉にする子もいます。
また、「お客様の笑顔を獲得せよ」というテーマタイトルから思うことや知ってることを聞いていきます。その中でも、子どもたちは「笑顔」という言葉が気になる様子。
「お客様の笑顔っていうけどさ、金がすべてなんじゃないの?」
「でも、お金だけもらえばいいわけじゃなくない?」
「笑顔はお金じゃ買えないよね」
「んーーー、お金もらえればいいっちゃいいんだけどさ、笑顔ってさ、なんか、嬉しいじゃん!」
「おいしかったと思ったりしてもらえない限り、笑顔は獲得できないよね、だから難しい」
「私はお店でご飯とか食べたら作ってくれた人に礼儀としてニッコニコの笑顔で『ごちそうさまでした』って言うけどな」
「自分たちが駄菓子屋やるにしたってさ、どうせお金もらうなら笑顔でもらいたいよね」
「じゃあなんでマックはスマイル0円なんだろ?」
スマイル0円って高いのかな?安いのかな?
「タダより高いものはないっていうよね」
「笑顔がお金ってことなんじゃないの?」
「お金のやり取りだけじゃないってこと?」
「でも営業スマイルみたいなのはやだな」
お客様としてサービスを受ける視点と共に、サービスを提供する側の視点が少しずつ出てきたところで、今回のセントラルアイディアを発表しました。
事業の目的って書いてあるけど、事業ってなんだろう?
「プロジェクトなんじゃない?関わる人が増えればお金が増えるんじゃないの?」
「仕事みたいなことをやる人たち」
「お店つくりまーす!って始めてからの全体の流れ」
「こういうことしよう!っていうアイデア」
5年生は4年生のテーマ「信じるカネ?」でクラウドファンディングのお金の流れも学んでおり、それを6年生にシェアする中で「出資者」というキーワードも出てきました。
「クラウドファンディングはこんなことしたい!と応援したい!を交換する」
「出資は借金とは違うんだよ」
「投資してくれる人じゃなかったっけ」
「出資者は、自分を信じて助けてくれる人」
などなど、それぞれの先行知識が確認ができたところで、改めて今回は駄菓子屋経営にチャレンジすること、そしてその資金は保護者さんとスクールを出資者として資金調達をすることを伝えます。
じゃあ駄菓子屋経営ってどうやって始まるんだろう?ということで、まずはグループに分かれて、今回の駄菓子屋経営ってどんなことをするのか、どんな流れで進んでいくのか、予想を立ててみました。
なんとなくの流れはつかめているものの、
「実際にどうやって売っているのか?」
「仕入れるっていうけど、売る商品ってどこから買うの?」
など、疑問があがります。では、実際に駄菓子屋を経営しているお店に行ってリサーチしてみよう!ということで、TCSから20分程のところにある駄菓子屋さんに調査に行くことに。
ただ闇雲に行くのはもったいないので、事前に自分たちで考えてみてもわからないこと、聞いてみたいことなどをまとめて、調査に行きました。
◉顧客の特性(Form)
到着した途端、所狭しと並べられた駄菓子やおもちゃに子どもたちは釘付け。
「これ大好きなやつ!」
「いつも食べてるお菓子の味が違うやつがある!!」
と大はしゃぎです。しかし、今日はただ楽しむために来たわけではありません。お客様視点だけでなく、お店側の視点も学ぶために来たのです。
空いている時間に行ったこともあり、お店には私たちだけしかいなかったので、これはチャンス!とばかりに、お店の方にインタビューをします。
「仕入先はね、一つじゃなくていくつも持っておくの。どこかが無くなってしまったときに商品が仕入れられなくなっちゃうでしょう?」
「同じ商品が並んでいるように感じるかもしれないけど、季節によって商品を変えているの。夏はグミとかが多くて、冬はチョコが多いかな。夏はクッキーの中にチョコが入っているようなものとか、溶けにくいものを商品に入れています。」
そして一人200円を予算に、自分が食べてみたい駄菓子や、商品として選んでみたい駄菓子を選んで帰ってきました。
スクールに戻ったら、早速試食です。放課後の時間になってしまったので、まずは一つ、一番気になっている駄菓子を選んで試食してみました。
「きびだんご、黄色いと思ってたのに開けたら茶色いんだ!」
「見てみて舌が真っ青になっちゃったよー!」
ただ食べるだけでなく、商品分析シートに選んだ理由や食べる前の味の予想との違いなどを書いていきます。パッケージからみた印象と、実際に食べてみての感想には結構違いがあることもわかりました。
そして今回はぜひ自分のオススメ商品も一つずつ商品として選びたいと思っているので、買った駄菓子の中から、イチオシの商品を選んでもらいました。
どんな人が、どんなときにオススメの駄菓子を食べてもらいたいのか。SOIの一つである「顧客の特性(Form)」に少しずつ触れていきました。
今回のテーマでは、3つのSOIをぐるぐると行き来しながらの探究になります。次週からは事業計画書の作成に挑む中で、SOIの残り2つ、提供する価値と方法(Form・Function)、そして事業の成果(Causation)に触れていきます。事業計画書など手強い専門用語も多くなっていきますが、試行錯誤しながら駄菓子屋オープンに向けていよいよ本格始動です!
YH
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2022年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)