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「My Hero Story」3年4年 テーマ学習 レポート2

【学年】3年生4年生
【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】語彙や表現の広がりが自分の心を開く。

<テーマ学習レポート>
My Hero Wallに、ヒーローの生き方に共感できる部分がだいぶ集まってきました。「なぜ、自分がこの人に魅かれるのか」自問自答しながら、何度も資料を読み返しては、書き込んでいく作業を続けてきました。

ヒーローについて知ってきたところで、次は、ヒーローの人生、全体像を捉えていきます。

物語などでよく使われている「ヒーローズジャーニー」いわいる「ストーリーの型」に自分のマイヒーローの生き方を当てはめてみます。

今回は8つのステップを参考に考えてみました。

どう書くかに正解はありません。自分がこれまでの中でどうマイヒーローを解釈してきたのかを整理するために書き起こし、また、わからない部分は、抜け落ちている部分であることに気づくためでもあります。

ヒーローストーリーを捉えた上で、では、何を語りたいかを吟味していくことで、ヒーローがマイヒーローへと変わってきます。「共感」を語るからこそ、ただのヒーローストーリーではなく、マイヒーローストーリーへと変化していきます。そして、語れる時間は1分間という制約があるからこそ、本当に伝えたいことを適切な言葉に乗せて語る必要が出てきます。

自分の思いを大勢の人の前で語るには、練習あるのみ。3人グループになり、1分スピーチを何度もしていきます。

自分の語りたいことだけではなく、相手が何を聞きたいかも大事な視点です。聞くごとに、「こんなことが聞きたかった」という聞き手視点を付箋に書いて、話し手に渡していきます。

両方の視点に立つことで、「これだけは語りたい」という優先順位が変わり、話の構成を変えていきます。

語る中で、「がんばる」「夢中になる」「苦しむ」「大変」など、よく使う言葉があります。本当にその言葉で伝えきれているのだろうか。もっと相応しい言葉があるなら、そっちを使った方がよくなります。

そこで、「言葉事典」を参考にしてみることに。

今回参考図書に使ったのは、『13歳からの「気もちを伝える言葉」事典 語彙力&表現力をのばす心情語600』です。

「やさしい」より、「心温かい」の方がいいかも。など、表現の仕方も変わってきます。

テーマ学習では、毎回、探究を進めていく上で3つの軸を予め設定しています。今回の「My Hero Story」は、この3つ。

心を動かす存在(Form)
生き方への共感(Connection)
想いを伝える語彙や表現方法(Perspective)

3つを並行させながら、子ども達は頭をぐるぐるさせています。

4週目です。
想いを伝える語彙や表現方法のひとつとして、「声の達人」から声の届け方を伝授してもらいました。

ご協力くださったのは、ホースキャンプでボランティアスタッフとして参加してくださっている丹澤寛さんです。声と体や心のつながりについての発見や疑問を繰り返し、声を出しやすくする方法を独自に考え、広めている「声の探究者」であります。今回は、日頃大人向けにしている声のワークショップをTCSキッズ向けにアレンジしてやっていただきました。

まずは、ちょっとした実験からスタート。

かける言葉によって、起こされ方、起こし方が変わるといいます。

「バカヤロウ」と声をかけると、お互い力が入ってしまうのですが、「ありがとう」と言うとお互いに落ち着き力が抜けるのです。

「不思議。催眠術みたい!」とびっくりです。自分たちでもやってみると同じようにできてしまうから、これもまたびっくりしてしまいます。

次は、おじきをして姿勢を整え、肩甲骨をあげた状態をつくるストレッチをして、声を出しやすい状態にさせます。みんな自然と姿勢がよくなっています。

同じ姿勢で座り直して、今度は、胸から声を響かせる練習をしていきます。意識することで、喉からではなく、胸から響渡る感じになっていきます。

胸を開いたり閉じたりして発声することで、開いたときの響方の違いを体感しています。

胸から出す声は、胸だけではなく、実は体全体に響き渡っていることを横になったり、背中を合わせたりして確認してみます。

「ビリビリって響いてる感じ。」

仕上げに発声練習です。小さくきれいな声をだんだんと大きくしていくことで、怒鳴るような、押し出すような声ではない、響のある声が出せるようになっているから不思議です。

「なんか、思っていたボイストレーニングと違うけど、声が大きく出せてる。」

一人ずつが感想を述べていくと、もう最初の声とは違っています。小さな声でも届いたり、響き渡る声になっていたり、いつもより大きく聞こえるようになっていたり、「声が一直線に聞こえたよ」など、友達の声の違いに思わず拍手が出てしまうほどでした。

テーマ学習もいよいよ大詰めです。今日のことを活かして、自分の思いを声に乗せて発信すべく、あとは内容を磨いていきます。

AN
——
(参考)2019年度TCSテーマ学習一覧より年間のテーマ学習内容をご覧いただけます。

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