タイトル:We love 遊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」
[3・4年生]
自分たちは日頃、どんな遊びをしているのか。
思いつくままに、出てきた遊びをA3シートにまとめていきます。
その中から、昔からありそうで、これからもずっと続いていくと思う遊びと
昔はなかったもの、未来にはなさそうな、今だけ流行っていると思う遊びを
分けていきました。
半々に分かれたり、どちらかが多かったり、その差が極端に大きかったりと、
個々人によって分け方が変わりました。
なぜ、こんなにも違いが出るのか、それぞれの理由を聞いていきます。
「こっくりさんとか怖い遊びは不易でも流行でもあると思う。」
「怖くて止めたり、禁止になったりする時代もあるけど、また始まる時代もあると思うから。」
「隠れ鬼とかは、昔からなかったと思うけど、昔からある鬼ごっこが新しくなったものだから、不易にも流行にもなる。」
「同じ遊びだけど、道具が変わっている遊びもある。これは不易?」
「ピンポンダッシュは、ピンポンがなかった時代は、トントンダッシュだったとか?」
「でも、50年後くらいには、すぐに見つかる道具ができて、できなくなると思う。」
それまで黙っていた子がふとつぶやきます。話を聞いていて何かがつながったようです。
「水の牢屋って、今だけなんじゃないの?」
「TCSだけで流行っている遊びかも。」
不易の中にも流行があったり、不易だと思っていても流行になったり、
あるいは、自分の中での不易流行やTCSでの不易流行もあるなど、
一概に2つに分けられないものがあることが見えてきました。
では、世代が変わると遊びはどのように変わっているのか、
自分の両親、祖父母にお願いをして、今の自分たちと同じ10歳頃にしていた遊びについて、お手紙をもらってきました。その当時の写真も借りてきました。
写真はなかったと言われた子も多く、
持ってきた子も写真より手紙に何が書いてあるかの方が興味深いようです。
「この漢字、何て読む?」
聞かないとわからないところや、
疑問に思ったところにラインを引いています。
個々人で手紙を読んだ後は、発見したことや疑問に思ったことを全員で共有していきます。
「カメラは一般家庭になかったから、写真がないんだって。」
「写真は七五三とか行事のときにだけ撮るものだって手紙に書いてあった。」
「うちのおばあちゃんもカメラなんてあまりなかったって言ってた。」
「カメラだけじゃなくて、自動車もお医者さんくらいしか乗ってなかったんだって。」
年齢に違いがあるのか、借りてこられた写真の年代をそれぞれ見ていきます。
1960年代はモノクロばかり。
1970年に入ると、カラーっぽく見えるものやカラーの写真が出てきます。
「テレビもめったになくて、お風呂も家になかったって。」
「えー、お風呂ないの?」
「おばあちゃんは、ラジオドラマ楽しみにしていたって。」
「ラジオドラマ?」
何年ごろに何があって何がなかったのか、確認していると、
「あ、あの本と似ているかも!」といって、ある子がこの本を持ってきました。
カメラがまだ普及していない時代はどんな時代だったのか、
日本の昭和30年代によく似たフランスの1950年代を紹介した物語を読んでいくことに。
この頃の子どもたちが生まれたのは、世界のあちこちで戦争をしている時代。
表紙をめくると、戦争場面が一面に描かれています。
知りたいことが次々と広がっていきます。
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