タイトル:築きに気づく
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『構造よく力を制す』
[2年生]
「よわいかみつよいかたち」、かこ・さとしさんの絵本では、
一枚の紙をうまく使って、三つの強い形をつくります。
・「三角形」
・「四角形」
・「線路形??(H型)」
通常のはがきには32枚しかのらないのですが、
「三つの強いかたち」を使った、はがきの橋には、400枚を超える1円玉に耐えることができました。
なんとびっくり!「強いかたち」にするだけで、同じはがきなのに、ここまで強度に差が出てしまうのです!
では、これらの「かたち」は実際の橋にはどのように使われているのでしょうか!?!?
ついにこの日がやってきました!隅田川・お台場フィールドワークです!
「あ!橋がある!!」
と、水上バスに乗る前の電車移動中に、ある子は橋を見つけました。
乗換駅である「御茶ノ水駅」で電車を待っているときのことです。
そこで見つけた橋は「聖橋(ひじりばし)」。神田川に架かる大きな「アーチ」を描くコンクリート橋です。
「おー大きいね!」と橋を見ていると・・・
「あ!あそこに三角形があるよ!!」
と、河川工事をしている工事現場にはやくも「三角形」を見つけてしまう子どもたち。
かこ・さとしさんの本にも、「工事現場(こうば)」にはいっぱいの強い三つのかたちがあります。と書いてありました。そこから子どもたちは見つけてしまったようです。
建築現場のみならず、駅のホーム、建物にも多くの三角形が使われていました。
そんな三角形を毎駅みつけながら、乗船の地、両国駅にたどり着きました。
そして、いざレインボーブリッジを目指して乗船!
水上バスの屋上に乗り、橋と橋の裏側を念入りに見ながら、両国〜浅草まで上流に登り、そして、翻って浅草〜聖路加ガーデン〜浜離宮〜レインボーブリッジまで、隅田川を下っていきます。
・「四角形の中に三角形がいっぱいあるよ!」
・「やっぱり四角形のなかに三角形がいっぱいあったのが多かったな〜」
・「Aみたいな形になってる!!」
・「あ、あの船さっきもいた!石炭が乗った船だ!」
・「あの建物にも三角形が使われているよ!」
・「やっぱり僕はこの橋がかっこよくて好きだなぁ!」
そんなことを話しながら、ゆったりと水上バスに揺られ、隅田川にかかる橋を観察しました。
水上バスの終点は、お台場海浜公園。そこから「ゆりかもめ」に乗って、今下を通ったばかりのレインボーブリッジの中を通り、内側からレインボーブリッジを観察します。
・「あ!やっぱり駅にも三角形がたくさん使われている!!」
・「内側から見るとやっぱり三角形がいっぱいあるんだなぁ」
こうして、隅田川フィールドワークの一日は終わりました。
さて、隅田川フィールドワークののち、どんな橋、どんな「かたち」がアタマに残っているでしょうか?
クルージングの時に見た写真を見ながら、もやもやと振り返ってゆきました。
・「橋は上に置いてあるんじゃなくて、必ずはじとはじで繋がってるね。」
・「僕はこの橋が好き!がっしりしているし、全部青いから好き!」
・「この橋はね、土台が繋がっているから強いんじゃないかな?」
・「三角が二つだったり、丸い壁がある形はあったんだけど、ただまっすぐなのはなかったね。」
・「どの橋も必ず横に壁があるね!でも絵本で出てきた強い形と反対だった!」
注目していたのは、「強い三つのかたち」だけではなく、その場に行って圧倒された「大きなかたち」についてもよく観察がされていたことがわかります。
「細かいかたち」と「大きいかたち」、まさに「部分と全体」の両方が彼らの頭の中には残っていたようです。
ついに次回から、「橋」の設計・施工を始めます。
今回のフィールドワークで観察した橋をネタにして、自分たちの「かたち」と「デザイン」をつくっていきます。
どのような「かたち」に工夫が凝らされた、軽くて強い橋が生まれるのでしょうか!?
TY
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