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電力に依存しない豊かな生き方とは

[5年生]

テーマ発表会での演説に向けて、ラストスパートに入りました。
だけれども、自らの論理の矛盾に気付き内容が深まっていきません。
「本当にこれで『消費電力50%減』が達成できるのか?」という疑問に答えられないのです。
消費電力50%減にした際に、どんな発電方法を採用するのかにおいても決断しなければなりません。
自分の政策のテーマがやっと見えてきて、それを他者の共感を得るほどに納得性を増すにはどうしたらいいのかということに悩む一週間でした。
発表は、スピーチだけではありません。
「目指す未来の姿」を表すポスターを作成することも含まれます。
コラージュという方法を用いて、筆記具を使わず伝えたいことを表現する挑戦です。
コラージュ自体を楽しみながらも、
「これで伝わるかなぁ。」
「なんか、空白ばかりで寂しいかも。」
「文字書けないから、貼り合わせて文字にしよう!」
「レストランを横から見た写真って無いかなぁ。」
と工夫する姿が見られました。
そして迎えた本番。
「再生可能エネルギーを使用するものの、高コストである火力発電を無くすわけにはいきません。」
「再生可能エネルギーは環境には優しくても供給の不安定という問題があります。かといって危険な発電方法に頼っていくこともできません。そこで大事なことは、電力が無くても楽しく生きていけるという価値観を持つことです。」
電力に関する功罪を意識しつつどう発電するかということを主張しました。
そして、「電気が無くては不便な生活を強いられてしまうのでは?」という聴衆から芽生えるであろう思いに答えるように、電力に依存せずに豊かに暮らすための政策について各自が論じていきました。
それは、「生きていく上で何が本当に必要なのは何か、今まで必要だと思っていたものは本当に必要なのか」という価値観にも迫る内容です。
「打ち水など、地域ぐるみで電気を使わない工夫を行います。そのことは、電力削減だけでなく、住民同士のコミュニケーションを増やし楽しい生活にも繋げます。」
「コンビニや自動販売機など、買いたい時にいつでも買えるという買い物の習慣は変えるべきではないでしょうか。前もって必要だと思うものを用意しておき、コンビニなどを減らすべきだと考えます。」
候補者の演説を聞いて、有権者(オーディエンス)による投票を行いました!
その結果、「日本は明るすぎだと思います。『外は暗くても、心は明るく!』というマインドセットを持つべきです。」
と、まちづくりについて述べた候補者が一番多くの票を獲得しました!
そして、大事な振り返り。
振り返りシートを読む中で、気持ちは伝わったものの多くの人を納得させることの難しさが見えてきました。
子どもたちも、具体性や実現可能性が,納得させるために必要であることを実感した様子。
「功罪があるのは電気以外のことでもあるんだと思う。」
「みんなの政策(知恵)を合わせればもっといいものになると思う。」
これからの世の中を背負っていかなければならない子どもたち。
今回の学びがその一歩として、人ごとでなく社会のために動く一歩になることを期待します。

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TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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