【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】話には要点がある。
<テーマ学習> 〜レポート
【お話になるには?】
まずはテーマタイトルを発表し、「お話」というところから、今日だれとどんな話をしたか?を聞いていきました。
当たり前と言えば当たり前ですが、一人の例外もなくみんな誰かと話をしていて、それがどんな話だったかを伝えてくれました。
ではその話が「話」になっているのはなぜなの?
「お話にならない」というのはどういう状態のことなの?
「論外ってことじゃないの、つまり」
「キャッチボールと同じで落とさないことが目的だから、落とした状態がお話にならないということ」
などなど「話にならない」ということについてもみんなイメージがあるようでした。
今回のセントラルアイディアは「話には要点がある。」
では「要点」とはなんなのか?から考えてみることにしました。
前回のテーマ「Blackout」のプレゼンテーションのときのリフレクションシートを提示し、その要点はどこかを尋ねます。
するとそれほど長い文章ではないのに、数人に聞くと必ずしも抜き出した要点が一致しません。
「要点て人によるのかな?」
「おれは毎回3つあったけどね」
「あたしは全部一つずつしかなかったよ」
とは言え、多くの人が同じところを抜き出していたのも事実。
果たして、要点とはどういったものなのか、もやもやが膨らみます。
【力の込められた言葉】
日々の会話の中でなぜか印象に残った言葉。
頭から離れない言葉ってありますよね。
そういった言葉には「力」が込められているのではないか?
その仮説のもとにグループにわかれて、「力のある言葉」を出していき、「力」の種類によって分類し、発表しました。
各グループの発表を聞いていくと、力の込められた言葉には、ポジティブな言葉、ネガティブな言葉がそれぞれあるのがわかりました。
しかし、一方で、その言葉だけではポジティブともネガティブともとれる言葉も出てきました。
「ヤバすぎ」
「錦鯉好きなの?」
など、その言葉だけではそれがなぜ印象に残ったのかわからないものが多くありました。
「力の込められた言葉」はたしかにある、
でも、その言葉の「背景」を知ることも必要なのではないか?
ということで「言葉の背景」についても考えてみることにしました。
【言葉の背景とは?】
「その服いいね」
「筆写道まだやってないの?」
友人がなぜそんなことを言うのかを筆談をしながら探っていく「鉛筆対談」
3、4年生がペアになって、発言をした人の本音を探っていきました。
「なぜ、そんなことを言い出したのか?」
発言をした側には事前に「本音カード」を提示し、相手がそこにたどりつけるかどうかを見ていきます。
他のチームがどんな筆談を展開したのかが気になるキッズたち。
全く会話にならない言い合いに発展していたペアもいれば、
しっかりと本音をさぐり当てることのできたペアもありました。
さらに「言葉の背景」を考えるために、漫画に出てくる名台詞の背景を考えるアクティビティにも挑戦しました。
まずはスタッフが作った背景クイズに挑戦。
知らない漫画のキャラクターがなぜこんな言葉を言ったのか? その理由を考え、4つの選択肢から選んで回答します。
さらに自分たちが好きな漫画からも印象的なセリフを選び、ワークシートにその名言の背景を書き込んでいきました。
そして、このように発言から背景を考えていくということは、日常会話にも応用できることがわかりました。
たとえばスタッフがキッズに言われた言葉
「事実なんだから言っていいでしょ」という言葉の背景には何があるのか?
「なにか言ったことに対して注意を受けたから言ったんじゃないの?」
「たぶんスタッフは発言がよくないと思って注意したんじゃない?」
「納得が言っていなさそう」
「てか事実だったら言っていいのかな?」
このように誰かがその日に言われた印象的な言葉をピックアップし、
その言葉の背景を考えるというのがテーマのある日のふりかえりの定番になりました。
【偉人の名言の力を感じる】
さてテーマも折り返しをすぎ、プレゼンに向けた準備が始まります。
テレラーンとなった2023年最後のテーマでは、30個の偉人の名言を聞いて、
印象に残ったものを5つくらいを目安に選び、選んだ名言のどこに惹かれたのかをグループごとに話してもらいました。
「5つにしぼれないから10個でいい?」とどの言葉にも魅力を感じる子もれば、
「ハーモニーを感じるからこの言葉がいい」とTCSスピリットに引っ掛けてお気に入りの言葉を見つけた子もいました。
最後に誰の言葉かも伝え、冬休み中に調べたいことをみんなで出し合ってテレラーンは終わりました。
【偉人の言葉の背景を調べる】
年が変わってスクールに戻ってきたハーモニーの皆さん。
ここからはいよいよグループに分かれた作業が始まります。
まずは30の候補の中から「背景を知りたい」と思う言葉をグループごとに1つ選んでいきます。
それぞれ好きな言葉がある中で、選ぶ作業はなかなか進みません。
どのように決めるのか?を考え、みなが納得できる言葉を選ぶのは大変な作業でした。
誰が言ったかを知ってしまうと、どうしてもその偉人の名前に引っ張られてしまいます。
なのでもう一度「どの言葉に力を感じるか?」「どの言葉の背景を知りたいか?」という視点に戻り、グループごとで言葉を決めていきました。
またグループごとに選んだ名言が重複してしまったこともあり、全体のバランスをどうするか、名言の意味や性別なども加味しながらようやく5つの名言が出揃いました。
ここからは伝記を使ってひたすら調べていく作業です。
偉人がなぜこの名言を言ったのかを考えるために、その偉人の人生を「8つの視点シート」を使って考えていきます。
それぞれの番号に自分の発見したことをポストイットで貼り付けます。
伝記に書いてあることをポストイットに書くときにも「要点」を意識する必要があります。
どこが重要かを見極めていかねばなりません。
シートにポストイットを貼っていったら、そこからさらにプレゼンで伝えたいことを選んでいきます。
プレゼンで伝えたい「背景」をまとめたものを「偉人ウォール」という模造紙に書き込んでいきます。
偉人ウォールに書き込んだ中でも特に自分が伝えたい背景を語るのがプレゼンです。
つまり「伝記>8つの視点シート>偉人ウォール>プレゼン」と要点を絞っていく作業を行ってきていたのでした。
果たして彼らがどれだけ要点を得た発表ができるでしょうか?
プレゼンの様子
【要点を得たコミュニケーション】
プレゼン後のふりかえりでは、改めて「話には要点がある」というセントラルアイディアについて思うところを聞いていきました。
「家で話していても話が長いと言われることがよくあった。最近はそれが言われなくなってきた」
という子もいましたし、
「話をしているときに要点がどこかを意識できるようになった」という子もいました。
一方で「要点が大事なんだということはわかったけれど、おれはうまく要点をまとめられない」というふりかえりをしている子もいました。
「名言ていうのは偉人の人生の要点なのかな?」
というある子の発言はもやもやとなって残りました。
プレゼンを聞いたみなさんはどうお感じになったでしょうか?
YII/AN
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2023年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)