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「Borderless World」5年生 テーマ学習 レポート1

【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】互いの人権の尊重が、自由・正義および平和の基礎となる。

<テーマ学習> レポート 

いよいよ、今年度最後のテーマとなりました!フルスロットルで駆け抜けていこう!と思っていたら、コロナの影響で思いがけずテレラーンでのスタート・・・。

そんな中、5年生たちが挑む最後のテーマは、【Borderless World】。

まさに、いまこの瞬間においても、様々な場所で物理的に<Border>が引かれている今、なんともぴったりすぎるほどのテーマではないでしょうか。

すると、去年の先輩たちのプレゼンを思い出したキッズからこんな声があがってきました。

「なんかミャンマーとか北朝鮮とか、病気のことをプレゼンでやってたよね」
「人権とかも言ってたよね」
「ぼくさ、このテーマってなんか『治の力』につながってると思うんだよね。治の力が日本の社会問題って感じで、このテーマが世界の社会問題って感じなんじゃないかなって」

おぉぉ、そうきましたか。今年度学んだテーマ学習『治の力』を引き合いに出してつなげてくるとは、やるなぁ!

では、ここでひとつの問いを投げかけてみることにします。

「社会問題って言葉自体はよく聞くとは思うんだけど、みんなの中で社会問題ってどんなイメージなの?」

 

・政治問題
・地球環境問題
なるほど、なんだか難しくて規模の大きな問題というイメージが出てきました。


すると、いや自分たちがやって結果そうなっている問題。だと思う。という声も。だからこそ一人ひとりが対策すればどうにかなるはずの問題なのでは?という意見が出てきました。

一方、いま世界で起きている問題、個人ではなくて社会の中にある共通の問題じゃないか、という意見も。

コロナでマスクが不足したり、輸送が止まってマクドナルドのポテトが食べれなくなっている!そんなことも社会問題では?とのこと。


だとすれば、やはり社会全体としての問題であって、個人の問題ではないってことだよね? 

すると「いや、そうとは限らない!」と5年生たち。
個人の行動がきっかけで、他の人に大きく影響を与えてそれと同じことを思ったり考えたり行動する人も出てくる。たとえば小田急で起こった事件なんかが、まさにそうだと思う。だから、社会問題は個人から生まれることもあるんじゃない?

「過去のTCSでもさ、同じようなことがあったよね。」なんていくつかの問題を引き合い、話を始めたキッズたち。

社会問題=とてつもなく大きく、自分とはかけ離れた問題と考えがちですが、「自分だって社会の中の一人である。」そう考えると、意外と身近に社会問題はたくさんあるのかも。そんなことに少し意識が向き始めた。そんなスタートです。

 

ということで、今回のテーマのセントラルアイディアを提示すると、、、

 

「ほら、やっぱり日本国憲法に同じようなことが書いてあった気がする」
「第三章の十一条〜十四条あたりが当てはまりそう」
「人権、つまり一人ひとりが権利を持っているってことでしょ?」
手元にある日本国憲法の本を、即座に引っ張り出してきた、の図(笑)

 

なるほど、「一人ひとりが持っている権利」かぁ。
でも、「権利には大・小があると思う」と、一人のキッズが言い出したことで、議論が巻き起こりました。その白熱した内容がこちら!

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・天皇が10持っていたとしたら、内閣は8かな。一般人は0.000001くらいじゃない?

・でも、一般人は一人が持っている権利は小さいけど、たくさん集まると大きくなることもできるよね。

・いや、むしろ一般人のほうが8だと思うよ。だって選挙で政治家を選んでるわけだから、一般人の権利のほうが大きいんじゃない?

・いやいや、そもそも天皇には人権がないんだよ。選挙にも参加できないし結婚だって自由にできない。職業も決まっているし住むところだって決められてる。これって、権利が10あるとは言えないんじゃない?

・ってことは、みんな持っている権利は同じでも、地位が違うってことなのかな?

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人権=一人ひとりが持っている権利だとは予想できるけれど、その権利に大小があるのだとしたら、不公平が生まれないのでしょうか。いや、そもそもその大小ってどうやって決まるのでしょうか。生まれつき?運?それとも、競争?

う〜〜〜〜ん、わからない。モヤモヤする。
考えれば考えるほど、わからなくなってきているようです。

だとしたら、「みんなが持っている権利」ってあるんでしょうか。
もしあるとしたら、それってどんなものがあるのだろう。

おじいちゃんもおばあちゃんも、大人もこどもも赤ちゃんも、全員が持っているであろう権利を「基本的人権」という言葉に置き換えてみたときに、
どんなものがあるか、みんなでJam Boardを使いながら案を出していきました。

 

食べることができる権利、投票できる権利、好きな人と結婚できる権利、家に住める権利、引っ越しができる権利、遊べる権利、学校にいける権利、学べる権利、信仰を選べる権利、自由の権利、幸せになれる権利、人が持つ基本的な権利、生きる権利、子どもを育てる権利、死ぬ権利、などなど。

まだありそうな気もするし、これくらいな気もする。。。

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ということで、ここからは「世界人権宣言」をもとに、基本的人権にはどんなものがあるのか、読み込んでいくことにします。この宣言は、「第二次世界大戦の惨禍を二度と繰り返すまい」と堅く誓った国々が、1948年に国連で採択した歴史的なものでもあります。

条文は全部で30条。
内容がわかりやすい訳語でまとめられている「人権パスポート」を初読し、まず印象に残った箇所とその理由を書いてもらったので、一部ご紹介します。

 

<Eくん> 
第14条 逃げるのも権利
逃げるって脱獄者のイメージがあったんだけど、助けを求めて逃げてもいいんだ!と思った。

<Mさん> 
第1条 みんな仲間だ
じゃあ戦争は、人権パスポートに違反するってことなんじゃないの?

<Hさん>
第8条 泣き寝入りはしない
権利を取られたとしても、また取り返せるんだ!それができるんだ!   
第10条 裁判は校正に
そもそも裁判自体が偏っていたら、真実がわからなくなってしまうってことだよね。

<Yさん>
第2条 差別はいやだ
考え方や外見、生まれた環境が違うだけであってそれを差別されるってのは理不尽!
第24条 大事な休み
勉強しようにも働こうにも、休みがあるからこそ頑張れると思うから。

<Kさん>
第14条 逃げるのも権利
実際にカルロス・ゴーンさんがそうであるように、実例があるんだ!

<Yくん>
第30条 「権利」を奪う権利はない
言論の自由もそうだけど、誰かの権利を自分のために奪うことはできない。
でも保証されていることをいいことに、身勝手なことをするのとは違うんだよ。

<Aくん>
第19条 言いたい、知りたい、伝えたい
自分の言いたいことって、言っていいんだ!って自信がついた。
第29条 権利と身勝手は違う
権利って、首相や政治家たちだけがもっていると思っていたけど、そうじゃなくて自分たちも同じように持っているってこと。だからこそ、僕たちは権利を互いに守り合っているってことか!

人権パスポートを読みながら、「これも基本的人権って言えるのかぁ」と、じんわり噛み締めはじめた5年生たちであります。

MK

(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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