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「We love 遊」4年生 テーマ学習 レポート2

【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】私たちは時代の流れの中で生きている。

<テーマ学習>レポート week2-week3

自分たちと同じ年頃、両親や祖父母はどんな遊びをしていたのだろう?
2週目・3週目は、その疑問を紐解いていく時間にしました。
いただいたお手紙を、一人ずつみんなにシェア。同時に写真も一緒にみていきながら当時の状況に思いを巡らせていきます。

一枚一枚、じっくりと読ませていただきました。
お写真も、何枚も探していただきまとめてくださったこと感謝いたします。
本当にご協力ありがとうございました!

生まれた場所、生まれた時期、生まれた環境など様々な違いがありました。特におじいちゃんおばあちゃん世代になると、戦時中、終戦後に生まれた方達も多い中、2つの世代においてそれぞれの遊びを模造紙に書き出してみると、子どもたちの中でいろいろ気づくことが出てきます。

その中でも、今より外で遊ぶことが当たり前、ほぼ外で遊んでいる!ことに着目。
天気のいい日は、ほとんど外で遊んでいたという人がほとんど。木登りや土手すべり、ケイドロ、かくれんぼ、缶蹴り、おにごっこ、くつとばし、川や海にいって魚釣り、山で虫採り、爆竹や癇癪玉、チョークで道路に輪を書いてけんけんぱ、馬跳び、ローラースケート、ホッピングなど。休日はもちろんのこと、学校から帰ってきたら一目散に遊びに出かけていた人も多かったはず!

一方、雨の日は家の中でトランプやジグソーパズル、レゴ、編み物、ごっこ遊び、楽器演奏、野球本や雑誌をながめる、中には大好きなキャラクターグッズを自作するなんて遊びも!

「外が子どもの場所で、中は大人の場所って感じがする」
「小学生らしい遊びが多いね」(君たちも小学生だけどね!とツッコみたくなる)
「昔と今、やってることはそんなに変わらないんじゃない?」

たしかに遊びだけみると、どれも馴染みがあって今でも当たり前のように遊んでいるものが多く出てきました。

「じゃあ、みんなもいつも外で遊んでから帰ったりしてるの?」

すると、とたんに「んー」といい始める子どもたち。

家に帰らず、スクール終わりに公園や外で遊んでから家に帰るという子はほとんどおらず、「一回家に帰ったあと15分くらい公園に行ってブランコする」「近くの公園に一人で行く」「遊ばない」といった意見が多数でした。これはTCSの立地上、家に帰ってから遊びに行くというのは難しい背景もあるでしょう。しかし、スクールでの放課後(16:30まで)に外に遊びに行っているキッズがどれだけいるだろう?と考えると、野球大好きメンバーくらいで、ほとんど室内で遊ぶ子どもたちの姿があります。

加えて、こども会の夏祭りで遊んでいたというお母さんの話を受けても、「こども会ってなに?」としっくりきていない様子。昔は周りが知っている人ばかりだったから、黙って遊びに行けた!というお父さんもいたからこそ、地域の子どもたち同士のつながりはどれくらい違うんだろう? そんな疑問もわいてきました。

とここで、さらに疑問が生まれてきました。

何気なく「昔」「今」という言葉をつかっていますが、

「そもそもいつまでが昔で、いつからが今なんだろう?」
その定義の違いは結構大きい差になりそうなので、一人ひとりに聞いてみることに。

・昭和と平成のちょうど間くらいが境目(彩夏、麻矢、たお)
・昭和から以前が昔、昭和から以降が今(りな)
・今から50年前くらいまでが、今。それ以前は昔(寛太)
・西暦2000年以前が昔、それ以降が今(暖、友志)

西暦2000年なんてつい最近と大人である私は思ってしまいますが(笑)、
図にしてみると、どうやら昭和の時代にその境目がありそうと思っている子どもたちが多いことがわかりました。 令和を生きる子どもたちにとってみれば、昭和はすでに2つ前の時代となるんですよねぇ、感慨深すぎる。。。

というわけで、昭和の時代をより深く知るべく、九段下にある昭和館に足を運びました。当時の様子や文化、人々の暮らしが紹介されていて、よりリアルな体感として身に迫ってきます。

「女子の学校の制服が、上はセーラー服だったのに下はモンペだったのが不思議。
作り方もシンプルだし布もあまりいらないからかな?」

「昭和10年頃は、食卓にまだコロッケとかがあった。けれど戦争が始まってエスカレートしていくと素朴な食事になっていた。”日本人なら贅沢はできないはずだ”っていうあの言葉が印象的だった」

「戦時中は、兵士が家族に手紙を送るとき、軍がみて都合の悪いところを墨で消される検閲があったのが信じられない」

「戦時中は遊びがないと思っていたけど、工作とか漫画、カルタとか意外とあったのが驚いた。でもカルタが軍は最高だ!って内容だった。あれは洗脳だよね?」

「昭和20年8月15日にラジオ放送で、天皇陛下が直接お伝えされた玉音放送が印象的だった。戦争が終わった!デマじゃないんだ!当時の人は相当泣いて喜んだんじゃないかな」

子どもたちの振り返りが物語っているように、昭和時代はまさに「戦争」とともに歩んだ激動の時代でした。だからこそ、「それからよく今ここまでになったよね、すごすぎる」と戦後の復興にかけてきた日本のことに思いを巡らせるキッズもいます。まさに今回のセントラルアイディア「私たちは時代の流れの中で生きている」そのものですね。

おじいちゃんおばあちゃんからいただいた手紙を読んだときにも、「レコード鑑賞の中で軍歌を聴いていた」、「軍から火薬をくすねて花火をつくっていた」など、子どもたちの遊びの中にさえ、戦争や愛国主義につながるものが多くあった戦時中。そうやって遊びと社会背景のつながりを、子どもたちもだんだん気がついてきました。

となれば、時代の遊びと社会背景はどう結びついてきたのだろう?
ぐぐっとタイムトラベルしながら、江戸、明治、大正、昭和、平成、令和に至るまでそれぞれの時代の動きや歴史的な事件や出来事、人物などを調べながら、その関係性についてさらに考察を深めていきたいと思っています。

MK

(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

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