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「あなたの知らない世界」5年6年生 テーマ学習〜レポート1

【学年】 5年生 6年生
【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】私たちには知らない世界がある。

<テーマ学習  レポート> week1

今回、5・6年生が取り組むテーマの探究領域は、「時空因縁」です。
1年の「紅葉山見っけ隊」ではスクールの周辺を、2年の「ココドコ」では中野を、3年の「東京発見伝」では東京を、そして4年の「We love遊」では日本をと、段々フィールドを広げながら環境と時代の変化について考えてきました。

その流れを踏まえ、今回のフィールドはどこだろう?と子どもたちにふってみると、「わかった!世界でしょ」とのこと。

さすが5・6年生!初日からいい勘を働かせてくれます。
まさに今回は”世界”にフォーカスしていくことになるのですが、テーマタイトルはというと、なんと「あなたの知らない世界」です。

「え?知らない世界?」タイトルを見るや否や、「??」が頭に浮かんでいる子どもたちの表情が面白い(笑)

 

「異世界の話かな?私の大好きな漫画に多い設定なんだよね」
「たしかに、パラレルワールドっていうのがあるみたいだよね。どれを選ぶかによって内容が変わってくる世界。」
「そう考えると、今自分たちがいる世界が”本当かどうか”なんてことはわからなくなってくるね、ゲームの中からもしれないって思うとなんか怖い〜」

いきなり異世界話からきましたか!さらに先行知識をどんどん出していきます。


「でもさ、知らない世界っていうと、僕的には料理の世界とか絵の世界みたいに、”考え方”とか”楽しみ方”っていうような感じがするな」
「私には、自分がやりたいことの”もっと上にある場所”って感じがする」
「知らないってことは、自分でこれからつくることができるってことじゃない?」
「世界っていうと、正直日本もあんまり知らないことがあるけど、中東とかアジアってどういうところだろう?なにがあるんだろう?ってイメージしづらい」

世界とはなんぞや?という一人ひとりのイメージが混ざり合うことで、なかなかいい具合にカオスな状態になってきましたよ。そこでさらに視点を広げるべく、こんな問いを投げかけます。

「じゃ、逆に君たちが知っている世界ってなんなの?」

TCS 、料理、野球、マインクラフト、レゴ、Nゲージ、本、ラグビー、競走馬、チーズ、いるか、寿司、アクション映画、飛行機、ファッション、youtube、餃子、お茶、スクイーズ、宇宙、、、、、などなど。

こう見てみると、知らない世界のイメージに比べて、知っている世界として挙がってきたのは、自分たちが「好きだ」「興味関心がある」という物事に終始していることがよくわかります。

そこでポツリとこんな声が聞こえました。
「経験していないと、知っているって言えないのだろうか?だったら、知っているというのは、一体どこまで知っているといえるんだろう?」

なんとも鋭い視点に、みんなの頭の中にはさらに「?」が広がっている様子。知っている世界って?知らない世界って?このモヤモヤが多ければ多いほど、テーマ初日としてはいい状態であります。

 

そこで、自分にとっての「世界」についてイメージマップを描いてみると、全員に共通していたのが、「世界の国名」が書かれているということ。


そこで世界にはどれくらいの国があるのだろうか?知っている国を挙げていく5分間のタイムトライアルを行い、さらにはフリーハンドで世界地図を書いて、全員で見比べてみることにしました。

「え〜世界地図なんて描けないよ〜」
「わかんないーーーー!」
「あれ、こんな形だったっけ?」

あちらこちらでぶつぶつ言っている声が聞こえます(笑)

まさにこのわからない知らないという状態こそ、今回のセントラルアイディア「私たちには知らない世界がある」そのものであります。

それぞれが描いた世界地図を見比べてみると、際立った違いがありました。それは、人によって「日本の位置が違う」ということ。

 

「なんで?」と聞いてみると、こういう地図を見たことがあるからとのこと。そこで、NHK for schoolの動画を視聴し、なぜいろんな種類の地図があるのか、その理由について学びます。距離や方角、面積などそれぞれの目的に沿っていくつもの地図が生まれたことを知り、「だからこんなに種類があるのかぁ!」と腑に落ちた様子の子どもたち。

実際に、2つの地図を横に並べて大陸の大きさを照らし合わせてみると、全然違うことに衝撃を覚えていました。

とはいえ、地図に出てくる”緯度”や”経度”の存在はわかったけれど、これってなんで「度」で表すの?ということは、誰も答えられません。

そこで、地球をてのひらサイズで考えられるよう、りんごを使って位置関係を目視し、計算していくことにしました。

  

たこ糸を利用して、緯度の基準である赤道 と、経度の基準である本初子午線を記入。そのあと時刻の基準となっているロンドン(東経0度、北緯40度)と、東京(東経140度、北緯36度)を分度器を用いて図り、竹串で刺して目印としました。そのうえで両方の線状でりんごを切ってみると、、、緯度と経度はりんごの中心からはかった度であることが一目瞭然。とてつもなく大きくてイメージがつかない地球という物体も、こうやっててのひらサイズに落とし込んで実験することで、可視化することができるのもハンズオンならでは。

これから6週かけて、子どもたちはいろんな「知らない世界」に足を踏み入れていきますよ!

 

MK


(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

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