【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】 地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられている。
<テーマ学習 レポート>
テーマ学習も、もう5つめとなりました!はやいですね〜。
前回は3、4年生それぞれ別のテーマに取り組んでいましたが、今回は再び一緒。編階特球のみんなとは、いつもは「読む」「書く」「アート」で一緒に学んでいますが、「テーマ」でも一緒にできることを嬉しく思います。
さて、今回のテーマは「限りある資源、限りなき欲求」。探究領域は、”共存共生”です。
いつもテーマが始まる際は、子どもたちの持っている「その時点」での知識や認識を確認していくところから。今回もテーマタイトルを伝えるやいなや、子どもたちの中から自由に疑問や発見が飛び出してきました。
「資源ってなに?」
「今、自分が持っているものじゃない?家で管理してるものとかお金とかも」「僕は材料だと思う。例えば水とか」「じゃ鉄とか鉱石、金とかダイヤモンドとかも!」「何もしなくても自然からとれるものじゃないかな」
「でもさ、例えばクッキーだったら、小麦粉、砂糖、バター、牛乳が使われてるから、それが材料=資源ってことになるんじゃない?」「じゃあ、牛が水を飲んでいれば、牛乳の中にも水が入っているってこと・・・?」「だから資源ってモノをつくるための元の元の元の原料ってことになるのかな」
資源が何かのもとであるということ、そして自分たちが使っているものは、実は自然につながっているのだということを、全員納得している様子。
一方、「欲求ってなに?」と聞くと、「自分の思い通りにやりたい」「自分の心のままに動く」「自分が王様だと思い込む」だなんて、自分勝手なイメージを持っているキッズが多い模様。
「でもさ、なんで”限りなき”欲求なんだろう?」
「そこまで、って言わないとどんどん出てくるじゃん」
「頑張らなきゃ、努力しなきゃ、欲求はなくせないんだよ!」
おぉ、誰しも抱くはずの欲求なのに、どうやら”悪い”イメージで捉えているキッズが大多数。「それが資源とどうつながるのか、よくわからないや・・・」と素直に口にする3年生。いいですねぇ〜、発見や疑問が生まれるからこそのモヤモヤが、次の発見の大きな原動力となるのです。
そこで一人のキッズがハッとしたように口を開きました。
「地球って昔は自然の塊だったけど、今はもう人工じゃない?」
なるほど、人工地球かぁ!
「ビルや工場ばっかり」「電気をいっぱい使ってる」「AIとか機械がたくさんあるって感じ」と、まさに今の時代を象徴するイメージそのものを語る子どもたちに、
「じゃあ、電気にも”資源”ってあるのかな?」と聞いてみました。
すると、「水、火、風、原子力、太陽熱、地熱、ガラス、粘土、プラスチック、なぞの液体、リチウムイオン」など、いろんなキーワードがぶわっと挙がってきます。
じゃこれがどうやって電気になるの?と突っ込んでみると、
水力発電は、ダムにある水車を回す水の力。風力発電は、風車を回す風の力。火力発電はゴミを燃やす火の力(←ゴミだけ?)。原子力発電は、原子と原子を光の速さでぶつける力(←本当に光の速さでぶつけられる?)というのがある「らしい」ことがわかってきました。しかし、自分たちの日常とはかけ離れすぎていて、あくまで「知っているつもり」の曖昧な知識であることも、同様によく見えてきますね。
そこで本テーマでは、自分の考えだけで進めてしまうのではなく、様々な資料やデータを使いながら、繰り返し比較・検証していくことも大切にしていきたいと思っています。
それならば、まず自分の身近なところから考えていこう!ということで、実際に”自分がいつ・どんな時に電気を使用しているのか”、朝起きてから夜寝るまでを具体的に振り返っていきました。
「えっと、めざまし時計とめるでしょ」「電気つけて・・・」とブツブツいう声が聞こえる中、「朝起きてから?じゃあさ、スクールにくるときに渡る信号はどうなるの?」「電車で止まる信号も入るんじゃない?」「えー、うそでしょ。そんなの入れたらもうほとんどじゃん。うわー!」という声。それを聞いた他の子どもたちも口を合わせて「え、電気ばっかりじゃん!」
「じゃあさ、家の近くにある会社のイルミネーションは?」「それをみて”きれいだなー”」って思えば、使ってるうちに入るんじゃない?」
蛍光灯、冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、お風呂、パソコン、駅の改札口、iPad、ゲーム機など、自分が直接使っていると思っている電気はもちろん、他の誰かとシェアする電気、公共の電気などなど、自覚しやすいものから無自覚だったものまで、私たちのこの生活はさまざまな電気エネルギーの恩恵の上に成り立っていることに気づかされます。
「自然の中にあるものを人間が勝手に使っているけれど、もしかしたらこれが欲求につながってくるのかな?」
「だから、人間の選択にかかっているってことなのかな?」
「地球資源の持続可能性は、人間の選択に委ねられている」というセントラルアイディアをみて、子どもたちが感じたこの気持ち。
この地球の中で生きとし生けるものが共に生き続けていくにはどうすればいいんだろうか。COP25の開催や若手環境活動家の一挙手一投足に注目が集まるこのタイミングで、子どもたちも新しい発見と疑問のアンテナを動かし、6週間かけて考え続けていきたいと思います。
KM
(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2019年度 年間プログラム(PDF) ・ テーマ学習一覧表(実施内容)