タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」
[5年生]
なんとかゲラづくりが終わり、とりあえず Dear Editor のテーマ学習は終わりました。このテーマ学習の醍醐味は、なんといっても、子どもどうしの「相互編集」です。ちょっと年が離れ、なんとなく力をつけてきた先輩と、まだまだの後輩がペアになることで、お互いが刺激され、成長するのです。
昨年は、編集される側で、なかなかひどい(笑)文章を書いていた子が、編集されて、作品をよくしてもらった体験をベースに、自分も後輩たちの作品を、強い責任感を持ってよくしてやろうと臨みます。また、後輩たちは、自分たちの思いをくみとってもらいながら、ああ、こういうことを書きたかったんだ!と気づき、書く自信とコツを少しずつ身につけてゆきます。これぞヴィゴツキーの「発達の再近接領域」の姿そのもの。先輩達の自然なひっぱりによって、後輩達は、持っている力をさらに伸ばし、新しい力をつけてゆきます。
「読みやすくて」「論理的な」文章を生み出すことだけが「編集」ではありません。それぞれの子どもの「個性」を思う存分出して、子ども時代の素直な思いを残して、荒削りだけれど、伝わりやすさと面白さもできる限り追究した、独特の文集。大人が編集したらできない、子どもの編集だからできる文集が今年もできました。
身だしなみのきれいな木になるように剪定しても意味がありません。ちょっと不格好でも、なんとなくゴツゴツ感があっても、面白さとらしさを残すことが子どもの本の編集です。
この思いが「ホットケーキ」というタイトルによく表れています。ふわふわ、あつあつなんだけど、決して洗練されていない。ワイルドな形だからこそ魅力的。大人が食せば、ああこんな時代があったなあと「なつかしさ」に浸れる味わいです。
発売日は 3月19日。楽しみにお待ち下さい。
RI
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