特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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遊史〜トから見えてきたこと

[3・4年生]

お父さん、お母さん、そしてお祖父さん、お祖母さんからもらった手紙を読み解き、そこに書かれていた「遊び」を付箋に書き抜いて模造紙に貼っていきます。また、それ以外に、手紙の文面で気になったこと、疑問に思ったことをやはり付箋に書きぬいて貼りつけます。

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模造紙を3分割し、一番下が祖父母、真ん中が父母、そして一番上が自分に関係する付箋と写真をどんどん貼りつけてゆきます。すると……世代による遊びの変遷と祖父母や父母の思いが一目でわかる遊びの歴史シート、略して「遊史〜ト」ができあがります。

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「ああ、なんかさらに疑問がでてきた!」
「お母さんに質問しなおそうかな……」
「週末におじいちゃんにインタビューしよう!」

作業しながら「遊史〜ト」をながめていると、新たな疑問が出てきます。それもしっかり書き留めて、再びインタビューし、その結果も付箋に書いて貼り付けてゆきます。こうして、どんどんシートの中味が豊かになっていきました。

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どの子の祖父母の世代にも共通していたのは、どんな遊びをしたかという事実についての個人的なエピソードの後ろに見え隠れする「戦争」の影でした。手紙の文言の端々に「一応平和な時代を生きるみなさんに……」とか、「学校の校庭はさつまいもを作るための畑になってしました」とか「空襲で家が焼けてしまい写真が一枚も残っていません」とか書かれていて、それが子どもたちの心に自ずと突き刺さります。

「おじいちゃんやおばあちゃんの時代って本当に白黒の時代だよね」

写真が白黒であるだけでなく、時代も戦争という困難を背負って、色彩を欠く、暗いモノトーンの時代なのだというイメージを抱いた子が、ふとつぶやきました。

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戦争のあった時代とはどんな時代だったのか?いったいどんな戦争だったのか?という関心が子どもたちにあふれてきました。「遊びの歴史」の背景にある「時代状況」を知りたいという強い思いが子どもたちを突き動かします。

「第二次世界大戦について調べてみる」

ある子が、i-padを手に調べ始めます。「第二次世界大戦」について書かれたページを読んでいると、「アメリカの関わった戦争」という図表が出てきて、独立戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争とたくさん戦争の名前が出てきました。

「やっぱり第一次世界大戦ってあったんだ!」
「第二次世界大戦の後も戦争があるんだね!」

人が興味・関心を持って知識を広げてゆくってこういうことだ!と言わんばかりの子どもたちの動き。もし、これが単に「第二次世界大戦を調べればいい!」という意識だったら、他の戦争なんて見向きもしないでしょう。お祖父さんやお祖母さんが味わった「戦争体験」を知りたい……それは自分たちにどうつながっているのか知りたい……という思いが生じているからこそ、「第二次世界大戦」の前後の戦争にも自ずと関心がいくのです。

「第一次と第二次」の違いは何か、その他にもどんな戦争があり、私たちにどんな影響を与えているのか、いったいどんな戦争だったのか

「遊び」と「戦争」をただ「点」としてとらえるのではなく、「歴史の流れ」という「線」でとらえようとする意識が芽生えてきました。

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今週末のホームワークは、各自、自分の関心に基づいて、祖父母の世代に影響を与えた「戦争」について調べてきます。ある子は再びお祖父さんにインタビューし、戦争中のくらしについて調べてきます。別の子は、実際に戦った経験のあるお祖父さんにインタビューし、太平洋戦争はどんな戦いだったのか調べてきます。また別の子は、東京を焼き払った焼夷弾以外に、どんな兵器が使われたか、さらには第二次世界大戦以前の兵器とその後の兵器はどう異なるのか調べてきます。いったいどこまで深く、広く調べてこられるか……次の学びのときのシェアが今から楽しみです。

RI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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