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ストーリー構築の難しさ

[5・6年生]

今回のテーマ学習もいよいよ後半戦。
今後のことを考えると、何とか今週でストーリーのあらすじを決め
ておきたいところ。

そこで、ストーリーを以下の5つの場面に分けて、先週までに散々
出したアイデアをまとめていくことにしました。

(1)どうして地球を飛び出すことになったのか
(2)地球を出てどこを目指すのか
(3)目的地にたどり着くまでにどんな事態に遭遇するか
(4)目的地でどんな事件がおきるか
(5)それをどう乗り越えるのか

まずは地球を飛び出す理由から取りかかります。
ありきたりでインパクトに欠ける物語の始まりには絶対にしたくな
いと主張する子ども達。

「地球に胞子が降り注ぐところから始まる案はどうかな。」

菌の影響で正体不明の感染病が世界中に蔓延する場面からスタート
する案に強いこだわりを持っていた5年生の女の子が真っ先に手を
挙げ、改めて意見を出してくれました。

「いいねー。よしっ、それでいこう!」

先週までの話し合いで、戦争、資源不足など人間活動に起因した問
題や宇宙人襲来といったわかりやすい外的要因ではなく、最初は謎
だったことが次第に判明していくストーリー展開にしたいという思
いを共有していた子ども達。
とりあえずそれでいいやという投げやりな気持ちではなく、彼女の
アイデアがすんなり心に入ってきたようで、話が進みだします。

「最初は病気の原因が胞子のせいだってことは誰もわからないんだ
よね。どうやってそれに気付くの?」

ストーリー展開につながりがなければ、唐突感がうまれ、観ている
人を混乱させてしまいます。
様々な角度からの突っ込みを入れながら、話の前後関係に違和感が
生じないよう、子ども達の意見を継ぎ足していきます。

いきなり研究所が登場するのは不自然だよな・・・まずは患者の診
察をしていた総合病院の医者が異変に気付く展開が自然かな・・・
その医者がサンプルを研究所に送り、調査してみた結果、感染病の
原因に気付く・・・けど、それを宇宙に飛び出す理由と結びつける
ためにはどうしたらいいだろう・・・

なぜなぜを繰り返して、あらすじを決めていきます。
個別にアイデアを出す場面での勢いとは打って変わり、みんなの意
見を一つにまとめる作業は困難を極めます。
完全に停滞している訳ではないが、一歩ずつ一歩ずつじっくりじっ
くり進んでいく感じ。

途中、この澱みの時間に耐えかね、グダグダになりそうな雰囲気も
漂いました。
その時は、プロダクションの編集長さながらに「今週中に何とかあ
らすじを決めるんだろ。ぼーっとしている暇はないぞ!」と喝をい
れ、何とか前に進ませる場面も。

丸一週間かけて、何とかあらすじは完成。

「やっとできた。こんなに大変だと思わなかった・・・」

子どもから正直な感想が漏れます。
テーマ学習は「つら楽しい」学びだとスクールの卒業生が表現して
くれましたが、高学年のテーマ学習になるとなおさらです。
ただ、そのつらさを乗り越え、グループ全員で考え抜いたからこそ
の面白いストーリーに仕上がったことを実感することができました。

泣いても笑ってもあと2週間。
ディテール決め、紙芝居作成、発表練習などやるべきことはまだま
だあります。

果たして発表会に間に合わせることはできるだろうか。
子どももスタッフも不安となんとかしたいという思いを抱えながら、
来週を迎えることになりました。

HY

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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