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「葛藤をかっ飛ばせ!」3年4年生 テーマ学習〜概要

 

【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】私たちは欲と資源の葛藤の中で生きている。

<テーマ学習> 〜概要

ボルタによるボルタ電池(1800年)、ファデラーによる電磁誘導の発見(1831年)など電気の利用を進めた発明の歴史は浅く、僅か約200年前のことですが、運動、熱、光などのエネルギーに変換しやすい電気は、快適で便利で速さを求める人間の欲を原動力として、毎日の暮らしに欠かせない現代社会の基盤となるエネルギーになっています。

その需要は、世界人口増加、発展途上国を含む経済成長、AI・ロボット・電気自動車などのデジタル化に伴い、右肩上がりが予想されます。一方、電気エネルギーの課題として、依然として枯渇性資源とされる化石燃料に依存しており、その燃焼による地球温暖化への脱炭素化は待ったなしです。

また、特に東日本大震災以降、エネルギーの自給率が、OECD諸国で最低水準の10%前後に低下し、化石燃料の大半を輸入に頼らざるを得ない日本にとっても影響が大きいロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとイランの軍事衝突等に見られる地政学リスクや為替によるエネルギーの安全保障および安定供給が懸念されることなどが挙げられます。

日本は、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。しかしながら、その実現は、並大抵の努力では実現できないものと言われています。

このような現状の中で、私たちは本テーマ学習において、主に電気エネルギーの仕組みや現状と課題に関する基本的な知識を理解し、まずは、一旦手にすると手放せない、技術進歩に伴って、より快適で便利で速さを追い求めてしまう私たち人間の欲と、実は有限であり、地球温暖化などの要因にもなっている電気エネルギー資源との葛藤の中で生きていることを改めて自覚することから共生社会のつくり手になる道が開けるものと考えます。

そして、私たち一人ひとりが、こうした自然と人間の共生社会実現の課題に関心を持ち、主体的に対話を積み重ね、自分なりの建設的な思いや考えを共有する、ゆくゆくは、小さなことでも何か自分ができることを仲間と愉しく行動してみる理想の共生社会のつくり手になることを目指します。

人類が残した巨大で複雑なこうした社会問題、葛や藤のツル草が縺れて解けない状態を意味する葛藤も、元を辿れば私たち一人ひとりの考動が積み重なった結果であり、その葛藤を解きほぐすのは、やはり私たち一人ひとりの考動でしかないということを私たちは信じています。

TO


(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2025年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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