【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】私たちは時代の流れの中で生きている。
<テーマ学習> 〜概要
私たちは毎日、服を選び、身につけて生活しています。けれどその服が、どんな理由で選ばれているのかを、意識したことがあるでしょうか。なんとなく好きだから。親が買ってきたから。気分に合うから。そうした日々の選択の中には、実は、流行や時代の空気、社会の価値観が入り込んでいます。私たちは思っている以上に、「服」を通して世界とつながり、「今」という時代をまとっているのです。
今回の学びでは、「衣」という暮らしに欠かせない要素に目を向け、ファッションがもつ意味や役割を探究していきます。服は、自分の気持ちを映し出す鏡であると同時に、社会の中での自分の立ち位置を示すサインでもあります。自信をくれたり、気分を明るくしたり、行動のモチベーションになったり——私たちが気づかぬうちに、服は心や行動にさまざまな影響を与えているのです。ファッションは「流行」と「自己流」のあいだで常に揺れています。今の自分が着ている服は、時代の流れにのった“時流”なのか、それとも自分らしさを貫く“自流”なのか。流行とはどう生まれ、なぜ繰り返すのか。服の変化をたどる中で、そこにある社会的背景——明治時代の洋装化や、戦後の変化、多様性を重んじる現代など——にも目を向けていきます。
さらに、服は“自分自身”だけでなく、“場”にも影響を与えています。誰かと会うとき、あるいはお店や学校などの場所で、服がもたらす印象やふるまいの変化はどのようなものでしょうか。無意識のうちに、服は空間や人との関係に作用しているのかもしれません。学びの最後には、ファッションショーの企画と出演に挑戦します。時代の空気と、自分の思い、そのどちらも映した「語る服」を選び、衣服の力を自分なりに表現してみます。
服を知ることは、自分と社会を知ること。このテーマでは、身近な「衣」を手がかりに、自分の在り方と時代との関わりを深く見つめていきます。
KN
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2025年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)