【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】この地には歴史が刻まれている。
<テーマ学習 レポート>
2週目のフィールドワークで出会った様々な痕跡たち。
ビルとビルの間にいきなり現れた金刀比羅宮、そこには病気を治すためにお参りする百度石が今でも残っていたり。
古地図に載っている汐留川の場所が、現代の地図には外堀り通りに変わっていたり。
愛宕神社は戦争や火事で焼けたのにも関わらず、これまでに何度も再建されていると知ったり。
増上寺の赤い前掛けをしたおじぞうさんが印象的だったり。
徳川家の菩提寺なのに家康は増上寺に眠っていないと知ったり。
挙げればキリがないほどに出てくる痕跡ですが、それらをもとに自分が見つけた”発見”や”疑問”をまとめた「旅日記」を、みんなにシェアするところから3週目はスタートしました。
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「青色や黄色って神社にあまりないよね。なんで赤色が神社に多いのかって調べたら、赤色は「生命」「生存」「安定」を表している。だから、増上寺のおじぞうさんも、自分の子どもがちゃんと育ちますようにという”愛情”という意味を込めて、赤色の前掛けをしているんじゃないかなと思う」
「愛宕神社って、防火•防災の守神として作られたって書いてあったけど、それって江戸時代に火事が多かったからかな?。だって江戸時代って木造の家ばっかりだったって聞いたことがある。その中でも、虎ノ門に火事が多いほうだったから虎ノ門に出来たんだと思うな」
「金刀比羅宮って、今はビルの中にあるけどそれでも大事だから今でも残っているんだと思う。あそこにあった百度石を触った時に、体は現代にいるのに心は江戸にいるみたいな、タイムスリップした気分になったよ」自分の目でみたこと。感じたこと。そこから調べたこと。これらをうまく織り交ぜていくことで、一歩進んだ考察ができ、そこからまた新しいモヤモヤや発見が生まれてくる。これぞ、場には限りない「発見」と「疑問」が溢れていることを実感する瞬間ですね。自然の地形を基盤にしながら、人々が自らの生活に合わせその場を常につくりかえてゆける、”まち”の醍醐味に、少しずつ触れ始めていきます。
そこで次なるフィールドワークの舞台を伝えます。
最初が「山」だったので、次はその反対、「谷」に向かいますよ〜!
「四ツ谷?」「渋谷?」と、谷がつく地名を挙げ始める子どもたち。いいですね〜!
次は、「谷中」そして根津・千駄木エリアに向かうことにしました。
今回も出発前に古地図と現代地図を配ると、早速照らし合わせ、
「このぐねぐねしてるところなんだろう?川って書いてあるな?」
「じゃここが今どうなっているか自分たちの目でたしかめてこよう!」ということで、フィールドワーク2回目に出発。
鶯谷駅についてすぐに、寛永寺方面に行くにはどうすればいいか。
地図をみて迷っていると、近くで働いていた方が声をかけてくれました。他にも何度か迷った際、通りすがりの方が教えてくれて、「ここの人たち優しい人が多いね」と子どもたち。やはり観光地は、人に対してオープンだなと感じます。
寛永寺につくと、かなり広い。けれども実は元々今の広さより10倍も広くて、上野公園まで敷地内でした。それが上野戦争によって小さくなってしまったとのこと。また、敷地内に見慣れた家紋があちらこちらにあるのを見つけました。
「あれ?徳川家の家紋がある!」
「この間、増上寺にもあったよね?」
「ということは、寛永寺と増上寺ってつながりがあるのかな?」
思いがけない発見に、アンテナがぐるぐる状態。離れた土地でもつながりがあるとわかると、また歴史のつながりも見えてきて面白いですよね。
歩き始めると、道がどんどん下り坂になってきました。
これぞ、谷に向かう道。歩きながら地形を体感していきます。
線が書いてないのに、ここから違う場所っていうのが不思議だよね〜〜と子どもたち。
ぐねぐねした道、かつての藍染川は、今ただの道に変わっていました。
そこを抜けると、谷中に到着。ふらっと器屋さんや飴屋さんに入って、お店の方に、「ここはいつからやっていますか?」と聞くと、「 約100年くらい前」とのこと。あれ、江戸時代からやっているお店はないんでしょうか?
その問いに対し、「戦争が関係している」という話をしてくれて、子どもたちも納得。様々な要因で、その土地の地形が変わったり、まちの様相が変わっていくことがわかってきます。
盛り沢山の発見とともに、再び旅日記をまとめるべく、図書館で本を借りたりネットを検索しながら、体感したことを逃さず言葉に変えていきたいと思います!
MK
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)